そうか、もう君はいないのか の商品レビュー
夫婦の愛にしみじみした。城山三郎さんの奥さんへの愛情が伝わってきて、奥さんを亡くされてからの寂しさに泣けた。でも、こんな夫婦になれたら幸せだなぁ、結婚もいいもんだなぁ…と感じさせてくれる。
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こんなに楽しい妻なんだよと、城山三郎さんは満面の笑顔で話し始めた。 妻容子さんとの出会い、感動的な再会から結婚。 作家として筆一本で生きていくと決めた城山三郎さんと、 生きていければそれでいいという容子さんのシーンは、 この夫婦のかたちをあらわしていた。 自由でお茶目な容子さ...
こんなに楽しい妻なんだよと、城山三郎さんは満面の笑顔で話し始めた。 妻容子さんとの出会い、感動的な再会から結婚。 作家として筆一本で生きていくと決めた城山三郎さんと、 生きていければそれでいいという容子さんのシーンは、 この夫婦のかたちをあらわしていた。 自由でお茶目な容子さんとの日々を楽しそうに話していると、だんだんと影を落としてくる病の話。 最後の数ヶ月について話すとき、楽しそうな顔をしたまま涙をためる城山さんの姿が見えるようだった。 容子さんの最期と過ごす濃密な時間。その後を綴った次女紀子さんの「父が遺してくれたもの」。感情をあからさまに出す城山三郎さんの姿。 笑い泣きそして爽やかになる手記。 「静かに行くものは健やかに行く 健やかに行くものは遠くまで行く」 忘れられない言葉となった。
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月並みな表現だけれど、ああ城山さんは本当に奥さんのことを心から愛してらっしゃったんだなぁと、読んでいてそう感じた。愛し、愛される相手がいるということはこれ以上ない幸せで、でもだからこそ失ったときの哀しみは計り知れないんだと思う。
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亡くなった奥さんとの思い出を出会いから綴った城山三郎の手記。 ノンフィクションで人が死ぬ話なので、悲しい・泣けるは当たり前。 この本がよいのは、本編はやたらと明るいのに、 巻末の娘さんの手記を読むと感想がガラっと変わるところ。 児玉清さんの解説がまたよい。 ページ数少なくて一瞬...
亡くなった奥さんとの思い出を出会いから綴った城山三郎の手記。 ノンフィクションで人が死ぬ話なので、悲しい・泣けるは当たり前。 この本がよいのは、本編はやたらと明るいのに、 巻末の娘さんの手記を読むと感想がガラっと変わるところ。 児玉清さんの解説がまたよい。 ページ数少なくて一瞬で読めました。
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もっと読みたかった。でも、もう容子も三郎もこの世にはいないのね。 ピンク色のクレヨンで描いたモコモコのハートをもらった気がした。
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様々な愛の形はあるだろうが、究極の形を見たような気がした。愛情、幸せの面においても自分の選択に誤りがなかった、という確認も含めて。
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なんといってもこのタイトルが心に染みる。 最初から最後まで、奥様を包み込む愛にあふれた素晴らしい本でした。 数あるレビューのどれにも共感してしまう。 いつか結婚をしてどちらかの最期を迎えるそのときまで、 手元に置いておきたい一冊です。
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あの『官僚たちの夏』を描かれた城山先生が、こんなにも温かいエッセイを書かれるのか、と。 先生の学生時代の話から始まり、奥さんとの馴れ染めから最期の時まで、今流行りの安っぽい小説と比べ物にならないくらい重厚で人間味の溢れた「物語」が、それこそ“赤裸々”に綴られている。 「その瞬間」...
あの『官僚たちの夏』を描かれた城山先生が、こんなにも温かいエッセイを書かれるのか、と。 先生の学生時代の話から始まり、奥さんとの馴れ染めから最期の時まで、今流行りの安っぽい小説と比べ物にならないくらい重厚で人間味の溢れた「物語」が、それこそ“赤裸々”に綴られている。 「その瞬間」を気丈に振る舞うご夫婦の描写が、何かこれまでお二人が歩んでこられた人生が全て肯定されたような、そんな感慨を覚えずにはいられなかった。 しかし、その優しさは非常に寂寥感に包まれたものでもある(本書の「解説」にて、児玉さんがおっしゃられていた通りだと思う)。本編を読み終わった後に、次女の紀子さんが書かれた文書を読めば、その想いが痛切に感じられるだろう。 書くなら、生きるなら、こんな物語で……と、ぜひ皆さんにお薦めしたい一冊であるが、まず僕に求められるのは最良のパートナーと出会うことのようである。
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亡き妻との思い出の手記。 ふとした会話の中から夫妻の絆の強さが感じられます。 この夫婦に育てられた娘さんたちも、きっと幸せな家庭を築いているんだろうなと思ってしまいます。
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城山三郎氏の没後に発見された、亡き妻との絆の記録。泣きながら笑うしかない夫婦の歴史、エピソードの数々。 …地球や日本の未来を考えることが、ますます重視されていく世の中だけれど、隣にいるたった一人のちっぽけな存在を愛すること、愛されることは、人が人という存在であることの根底にある...
城山三郎氏の没後に発見された、亡き妻との絆の記録。泣きながら笑うしかない夫婦の歴史、エピソードの数々。 …地球や日本の未来を考えることが、ますます重視されていく世の中だけれど、隣にいるたった一人のちっぽけな存在を愛すること、愛されることは、人が人という存在であることの根底にあるもの。そんな当たり前に気づかされる。 世界中のたった一人を愛し、笑わせられなくて、どうして世の中を幸せにできる? 彼の記した二篇の詩、「妻」、「愛」。 ある意味で理想の夫婦像がそこに。
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