そうか、もう君はいないのか の商品レビュー
城山三郎が最後に書き綴った亡き妻との出会いから別れまでの手記。 おそらく、子供が、両親の思い出に一区切りをつけるために出版したのだろう。 城山三郎の奥さんは、かなり「天然」な人だったようだ。 「講演会の時に客席にいた奥さんと目があった時、奥さんは(その当時の人気マンガのキャラ...
城山三郎が最後に書き綴った亡き妻との出会いから別れまでの手記。 おそらく、子供が、両親の思い出に一区切りをつけるために出版したのだろう。 城山三郎の奥さんは、かなり「天然」な人だったようだ。 「講演会の時に客席にいた奥さんと目があった時、奥さんは(その当時の人気マンガのキャラ)イヤミ君の”シェー”をしたので、あやうく壇上で笑い出すところだった」 「2人で一緒に旅行する事もあったが、奥さんが旅行に行く理由は”家事をしなくて済むから”」 「癌を宣告された後でも、お気に入りの曲に”ガン、ガン、ガンちゃん、ガンたららら・・・”と歌詞を付けて、鼻唄を歌っていた」 など脱力系のエピソードが豊富。 そのためか、「別れ」の場面であっても、どこか明るい。 (少なくても描かれている様子から想像できるかぎりだが) おそらく普段から、奥さんに笑わされていたのだろう。 その様子が目に浮かぶようでもある。 それだけに、残された側の「喪失感」は大きかったのだろうが、「悲愴感」は、あまり感じられず、どこか「明るさ」さえ感じる。 それは本書のタイトルも同様。 ただ、タイトルの方は言葉の裏にある「悲しみ」がチラチラ見える感じがするが・・・。 さて、自分が同じ立場になったらどうなるだろうか? きっと、情けない事になっているだろう。
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最愛の妻との出会いから別れが、氏のそれまでの小説における抑制された表現とは違い、感情的で直接的な文章で綴られる。 次女によって書かれたあとがきも心地よいあたたかみが感じられ、作家城山三郎の人間としての魅力、そしてなにより、こうありたいと思わせる夫婦のある理想の姿が心に残る。 感動...
最愛の妻との出会いから別れが、氏のそれまでの小説における抑制された表現とは違い、感情的で直接的な文章で綴られる。 次女によって書かれたあとがきも心地よいあたたかみが感じられ、作家城山三郎の人間としての魅力、そしてなにより、こうありたいと思わせる夫婦のある理想の姿が心に残る。 感動したわ。。
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著者最愛の伴侶、容子氏との出会いから別れまでを綴った手記。 泣けます。 割と軽妙な筆致で綴られているのですが、著者の実娘である紀子氏のあとがきを読むと、その筆致に隠された著者の心情を、否応なしに考えてしまいます。 どんな思いで筆を走らせたのだろう。つらかったのだろうか、いや、...
著者最愛の伴侶、容子氏との出会いから別れまでを綴った手記。 泣けます。 割と軽妙な筆致で綴られているのですが、著者の実娘である紀子氏のあとがきを読むと、その筆致に隠された著者の心情を、否応なしに考えてしまいます。 どんな思いで筆を走らせたのだろう。つらかったのだろうか、いや、むしろ書くことが救いになったのかもしれない。 結局、著者の本当の心情なんて解らないのだけど、それでもこんなにお互いを信頼しあえる夫婦がいたということは、とても微笑ましく思います。
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城山三郎の自叙伝として、さらに彼の人生における亡妻への想い。 生き方に不器用な作者が書いた、妻へ向けた最後のお礼。 城山三郎の遺作となった感動の一冊。
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年齢的にまだまだ伴侶の死というのは想像もできないが、いつかはその瞬間を迎えるのかと思うと切ない気持ちになった。別れの時を迎えるまで周囲に明るくふるまう容子さん、あたたかく見守る城山氏と家族。もし最愛の人との最期に理想的な姿があるとすれば、まさに本書がそれなのではと思った。
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今読めて良かった。もう少し歳をとった後では「いまさら」と受け取っていたかもしれない。 家族との忘れがちな関係を思い出させてくれる。
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年甲斐もなく涙。 スタイルは違っても、心と心がずっと重なるような、こんな夫婦になりたい。 最後の時を意識してからでは遅いので。
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人生の伴侶に宛てた、ラブレターのような作品。 素敵な妻を描いた作品はすごく素敵だ、と思った。 そして、死の間際は誰もが同じ体験をするものだと分かった。 ぼくも、城山三郎も一緒だったのだ。 児玉清さんの解説の締めくくりも良かった。 これからいろんな人に読んでもらうために、この...
人生の伴侶に宛てた、ラブレターのような作品。 素敵な妻を描いた作品はすごく素敵だ、と思った。 そして、死の間際は誰もが同じ体験をするものだと分かった。 ぼくも、城山三郎も一緒だったのだ。 児玉清さんの解説の締めくくりも良かった。 これからいろんな人に読んでもらうために、この本を持ち歩こうと思う。
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(よくは知らないが)経済小説の雄だった城山氏晩年のエッセイ。図書館での出会いから、子どもを育てながらの日々、脳血管障害で亡くなるまで、自身の妻との日々を綴っている。妻への深い愛がにじみ出ているエッセイではあるが、新婚初夜のことなんかまでかなり赤裸々に綴ってあり、「ダダ漏れ?」と...
(よくは知らないが)経済小説の雄だった城山氏晩年のエッセイ。図書館での出会いから、子どもを育てながらの日々、脳血管障害で亡くなるまで、自身の妻との日々を綴っている。妻への深い愛がにじみ出ているエッセイではあるが、新婚初夜のことなんかまでかなり赤裸々に綴ってあり、「ダダ漏れ?」と思えるような箇所も。 経済小説というと、ある意味で文学とは一線を画した理性的・無機質な世界のような感じがするのだけど、その第一人者とされていた城山氏がこういうものを書くというのは、ちょっと驚き。巻末の娘さんの解説などを読むと、愛妻の死後、城山氏は心身ともにずいぶん衰えてしまったのだとか。本書はそのようななかで書かれたものだから、精神的にはやや常軌を逸しながら書かれているのかもしれない。素直に、美しい夫婦仲を描いたエッセイだとか、妻への深い愛を綴った云々といった定番の評を受け入れるのは、ちと難しい。
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私も妻とこういう関係を築くことが出来たらと強く思う。印象に残った言葉。「静かに行く者は健やかに行く 健やかに行く者は遠くまで行く」「仕事と伴侶。その二つだけ好きになれば人生は幸福だという」
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