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嘔吐 新訳 の商品レビュー

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38件のお客様レビュー

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2024/01/14

自分も偶然的に存在しており、世界にとっては余計なものである。 人が退廃したところでは自然が覆い尽くす。 これまで私はあなたの愛しいアニーであったことはない。 人間主義者は全てのものを一つの考えにまとめてしまう。

Posted byブクログ

2024/01/09

恐縮ながら「自分語り」をすると、ぼくはすでに「いま・ここ」に、この肉体を伴って(つまり「吐き気」を催させる臓器・精神を伴って)「ある」。「ある」ことが所与の条件となってこうして何かを知覚する意識も成立する。そんな「あたりまえ」「自明の理」にロカンタンは見事に、実に滑稽に足をすくわ...

恐縮ながら「自分語り」をすると、ぼくはすでに「いま・ここ」に、この肉体を伴って(つまり「吐き気」を催させる臓器・精神を伴って)「ある」。「ある」ことが所与の条件となってこうして何かを知覚する意識も成立する。そんな「あたりまえ」「自明の理」にロカンタンは見事に、実に滑稽に足をすくわれつまづいてしまう。眼前の光景に「いま」が脈々と横たわっていることそれ自体を戦慄とともに受け容れ、有名なマロニエの光景の中にそうした「ある」ことの生々しくかつ神秘的な真実を見出す。小説としてはやや平板だけど、その深度はあなどれない

Posted byブクログ

2021/09/11

あっという間に読み終わった。 ロカンタンの思想の流れ、キーワードになっている言葉や要素がが手に取る様に分かり易かった。

Posted byブクログ

2021/05/09

昔、NHKの番組で紹介されていた時から読もうと思って読めていなかったが、ようやく読了。意外と読みやすく、すらすらと読めた。 小説ではあるが、何か出来事があるわけでもなく、主人公が書いた日記形式で、孤独な主人公の日々が書かれている。しかし、彼は自分を「孤独のアマチュア」と呼ぶように...

昔、NHKの番組で紹介されていた時から読もうと思って読めていなかったが、ようやく読了。意外と読みやすく、すらすらと読めた。 小説ではあるが、何か出来事があるわけでもなく、主人公が書いた日記形式で、孤独な主人公の日々が書かれている。しかし、彼は自分を「孤独のアマチュア」と呼ぶように、まったくの孤独というわけではない。馴染みのカフェがあり、独学者という知り合い?も出てくる。 実存主義の古典ということだが、実存主義の「実存は本質に立つ」という言葉の「実存」だけが語られており、本質との違いは語られていないように思える。後で調べて分かったが、サルトルが実存主義を提起するのは、この小説のずっと後らしい

Posted byブクログ

2021/04/14

実存主義の世界に没入できる内容。 違和感=嘔吐が生む生の価値を客観視できる。 もう一回きっちりと内容をまとめて読みたい。

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2020/09/27

嘔吐 新訳 (和書)2012年05月10日 14:12 J‐P・サルトル 人文書院 2010年7月20日 サルトルさんの『嘔吐』を新訳で読んでみました。 以前、別の訳で読んだことがありましたが、あまり印象に残ることはなかったけれど今回はなかなか素敵に読むことができて、これは...

嘔吐 新訳 (和書)2012年05月10日 14:12 J‐P・サルトル 人文書院 2010年7月20日 サルトルさんの『嘔吐』を新訳で読んでみました。 以前、別の訳で読んだことがありましたが、あまり印象に残ることはなかったけれど今回はなかなか素敵に読むことができて、これは翻訳のためか、それとも2回目ということで、やはり読書というものは一回読んだからどうだとかじゃなく、読むことを愉しむことは大事なのだと思いました。 特に近日思うことは、真理の探求ということを考えていくと読書の面白さは無限大に愉しむことができると思いました。

Posted byブクログ

2020/08/01

2020/7 読了 感想書き忘れ。 自分が存在するとは何かと考えたとき、 周りの人との会話などを通して存在が確かめられるけど、 周りの人たちは自分が意識していない時は本当に存在するのか分からないって思っていた時期が昔あったなぁーと思い出した。

Posted byブクログ

2019/12/09

ブクログのモニター当選したやつなんですが、ようやく読み終わりました。大変。 海外文学や海外小説の大半がそうなんですが、日本人の日本語の言い回しと違うところがかなり多く、頭の中で理解するのに時間がかかります。 この作品なんですが、哲学系ですので、やっぱり難しい。一応、小説なんで...

ブクログのモニター当選したやつなんですが、ようやく読み終わりました。大変。 海外文学や海外小説の大半がそうなんですが、日本人の日本語の言い回しと違うところがかなり多く、頭の中で理解するのに時間がかかります。 この作品なんですが、哲学系ですので、やっぱり難しい。一応、小説なんですけどね。 日記形式の小説で、主人公が海辺の街で過ごすうちに、突然「存在」に目覚めるというもの。 …中二病ですか。 これ読んでて、哲学と中二病に凄く通じるものがあるんじゃ無いかと思えてきました。 世界の在り処を疑ってみたり、そこらにあるものを疑ってみたりと、どこの中二病なのかと。 なお、主な登場人物にろくな人は居ません…。 結局のところ何を言いたいのかわからない話でした。が、絵が容易に思い浮かべる事が出来る話ではありました。 わからないけど、ところどころ引き込まれて一気に読みすすめる部分もあったので、具体的に何とは言えないけど、面白かった部分もあったのかなぁとは思います。

Posted byブクログ

2019/07/07

原題は『吐き気』と訳したほうが正確なんでしたっけ? とにかく、存在そのものに嘔吐しそうになる、という着想にはちょっと笑いました。 「あなたという存在が気持ち悪い」みたいな言い方がありますが、サルトル流に解釈するなら、気持ち悪いのは「あなた」じゃなくて「存在」なんですよね。 で...

原題は『吐き気』と訳したほうが正確なんでしたっけ? とにかく、存在そのものに嘔吐しそうになる、という着想にはちょっと笑いました。 「あなたという存在が気持ち悪い」みたいな言い方がありますが、サルトル流に解釈するなら、気持ち悪いのは「あなた」じゃなくて「存在」なんですよね。 でも、すごく共感します。

Posted byブクログ

2019/06/02

ついに読み終えた、という読後感。 「吐き気」という症状を持病という「存在」の一部として抱える身として、この作品においてロカンタンが吐き気に襲われる場面で本当に吐き気を催してしまうことが何度あったことか。 しかし、僕にとってこの哲学小説は通るべき道のように思い続けていた作品(そう、...

ついに読み終えた、という読後感。 「吐き気」という症状を持病という「存在」の一部として抱える身として、この作品においてロカンタンが吐き気に襲われる場面で本当に吐き気を催してしまうことが何度あったことか。 しかし、僕にとってこの哲学小説は通るべき道のように思い続けていた作品(そう、まるでアニーの「完璧な瞬間」のように!)なので、吐き気を堪えながら読み終えた今、やれやれという心持ちとここ数年来自身が抱えていた内的問題に対する姿勢への得心を得たという感覚に浸ることができた。 巻末の訳者解説によれば、この「嘔吐」はサルトルがフッサールとハイデッガーを咀嚼して実存主義を展開する前に書かれたために、「実存」という訳語を使わず「存在」に統一したということらしい。つまり、この段階ではまだ実存主義ではなくその萌芽が示されたに過ぎないと。けれど、この「嘔吐」を読むに当たっては「実存は本質に先立つ」という有名なサルトル実存主義の題目を念頭に置いておくと、ロカンタンの思索を読み解く助けになるように思う。 例のマロニエの根のごとき存在(「自然」或いは「景色」と置き換えてもいい)と自己存在が完全な偶然性の下にリンクするような感覚をここ数年来覚えていたこと、またロカンタンのライフスタイルが僕にとても似ている(僕は高等遊民のような財を持たないが)ことなど、ほとんど身につまされながら、吐き気を堪えながら3ヵ月余りの期間の中で読了できたことを嬉しく思う。

Posted byブクログ