俺俺 の商品レビュー
おれおれ詐欺の話かと思ったら、それはほんのきっかけに過ぎなくて・・・。 他者の中の私、私の中の他者、親和性と排他性、暴力による生存競争と奇跡の相互扶助。それらを論じたらとても難しいことになるだろうけれど、こうやって小説にしちゃえば、ずんずん頭に入ってきます。 しかし人物多様性を認...
おれおれ詐欺の話かと思ったら、それはほんのきっかけに過ぎなくて・・・。 他者の中の私、私の中の他者、親和性と排他性、暴力による生存競争と奇跡の相互扶助。それらを論じたらとても難しいことになるだろうけれど、こうやって小説にしちゃえば、ずんずん頭に入ってきます。 しかし人物多様性を認めないと、たいへんな世の中がやってきそう。くわばらくわばら。
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NHKの週刊ブックレビューで紹介され、面白そうだったので読んだ。冒頭の書き方は上手く、引き込まれたが、ときどき、名前と「俺」の一人称と、ゴシック太字の「俺」がごっちゃになって筋を追えなくなる。それも、作者の意図するところなのかもしれないが。物語が、収集がつかなく、カオスへと向かっ...
NHKの週刊ブックレビューで紹介され、面白そうだったので読んだ。冒頭の書き方は上手く、引き込まれたが、ときどき、名前と「俺」の一人称と、ゴシック太字の「俺」がごっちゃになって筋を追えなくなる。それも、作者の意図するところなのかもしれないが。物語が、収集がつかなく、カオスへと向かっていくところが、個人的には好きではない。やはり、カオスはカオスでも、読者が腑に落ちる終わり方がよい。
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まいった!おもしろかった! どうなるのかワクワクしたし、結末も!!!! おもしろかった!この一言です お気に入りの作家さんがまた一人増えました
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「空気読め的なコミュ力」という名の同調圧力により代替可能な「俺」になる一方で、「個性的に生きろ」という名の差異圧力により、あいつとは違う「俺」になろうとする。この両圧力の無限ループの中で押しつぶされて、結局「俺」がなんなのかわからなくなっていく・・・。そういう「俺」が日々増殖して...
「空気読め的なコミュ力」という名の同調圧力により代替可能な「俺」になる一方で、「個性的に生きろ」という名の差異圧力により、あいつとは違う「俺」になろうとする。この両圧力の無限ループの中で押しつぶされて、結局「俺」がなんなのかわからなくなっていく・・・。そういう「俺」が日々増殖しても、社会は回っているんだが、いつかこの小説のように崩壊するんだろうか?
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新聞の書評で絶賛されていたので読んでみることに。他人の携帯をはずみで手に入れてしまった「俺」は、これまたはずみでオレオレ詐欺をしてしまったところ、携帯の持ち主のアイデンティティに変わってしまう。親も名前も変らってしまい、新たな「俺」として生活していくうちに、そこらじゅうに「俺」が...
新聞の書評で絶賛されていたので読んでみることに。他人の携帯をはずみで手に入れてしまった「俺」は、これまたはずみでオレオレ詐欺をしてしまったところ、携帯の持ち主のアイデンティティに変わってしまう。親も名前も変らってしまい、新たな「俺」として生活していくうちに、そこらじゅうに「俺」が増殖していく。。。オチのつけ方が強引だけど、不条理な設定はなかなか。生きるというのは「電源がオンになっている」間、「俺」として振る舞うことの繰り返しなんだなぁ。。。
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ふと手に取った他人の携帯電話で「オレオレ詐欺」まがいのことをしたら相手の母親は「俺」のことを自分の息子だと思っている。実家に帰ってみるとそこには別の「俺」がいた。徐々に「俺」は増えて行き、気がつけば周囲は「俺」だらけ。星新一や筒井康隆が好みそうなプロットだけれど「俺って誰?」とい...
ふと手に取った他人の携帯電話で「オレオレ詐欺」まがいのことをしたら相手の母親は「俺」のことを自分の息子だと思っている。実家に帰ってみるとそこには別の「俺」がいた。徐々に「俺」は増えて行き、気がつけば周囲は「俺」だらけ。星新一や筒井康隆が好みそうなプロットだけれど「俺って誰?」というのは西洋哲学がずっと追いかけてきた究極のテーマですよね。自己と他者の関係性を描く辺りは伝統的日本の私小説的でもある。他人と居る時は常に「俺」を演じていなくてはならなくて自分独りの時だけ安らげるという感覚はすごい共感できて、共感できるからこそ、物語り全体にも共感できてしまう。
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いつものマックでたまたま隣に座った男の携帯電話を持って帰ってしまった俺・永野均。出来心から、携帯の持ち主の母親にオレオレ詐欺をしてしまう。ところが絶対にバレるはずのものがバレないどころか、俺はいつのまにかその携帯の本当の持ち主として認識されるようになっていた!? 新聞でも紹...
いつものマックでたまたま隣に座った男の携帯電話を持って帰ってしまった俺・永野均。出来心から、携帯の持ち主の母親にオレオレ詐欺をしてしまう。ところが絶対にバレるはずのものがバレないどころか、俺はいつのまにかその携帯の本当の持ち主として認識されるようになっていた!? 新聞でも紹介されて好評価だったとのことで(図書館から借りてきたらその切り抜きも挟まれていた)期待して読み始めたのだが、私にはほとんど理解できない本だった。最初こそ文字通りに読んでいたが、そのままいくと比喩なのか何なのか途中からわけがわからなくなり、混乱したままおもしろさもわからぬまま、ただどういうところに着地させるのかそれだけが気になってなんとか最後まで読み切ったという感じ。こんな変な本読んだこと無い、それが正直な感想。そして表紙がシュールで怖すぎ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あー、わかるなーと読み進めていくうちに、共感のメーターを振り切ってどこか彼方まで行ってしまった。 境目としては、3章の「増殖」までとそれ以降。人間ほとんどが俺化してしまうっていうのがピンとこない。「世にも奇妙な物語」の脚本になってしまった感じ。 3章で終わるとちょっと尻切れだけど、4章の終わりで締めくくられていれば4つ星評価だった。
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不条理実存サバイバル小説なんてまとめ方をすると怒られるだろうが、大変面白く読んだ。前半はかなり好き。後半はちょっと堂々めぐり気味で若干しつこい印象が残ったのが残念。
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第一章を読み期待。その後の展開は、ややついていけないところがあった。最後は、何か、まとめすぎかなあとも思ったけれど、現代の人間関係の一面を鋭く叩ききった快作かもしれない。なんて、エラそうなコメントになってしまった。
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