俺俺 の商品レビュー
110406*読了 不思議なお話。でもメッセージ性が強い。 終始俺俺詐欺の話かと思っていたら…こんな俺俺だったのね。 現代を風刺した小説だと思う。 自分のことしか考えない。自分以外のことはどうでもいい。そんな俺がどんどん増えていく。そして削除しあう。そんな日本社会。 ミステリー...
110406*読了 不思議なお話。でもメッセージ性が強い。 終始俺俺詐欺の話かと思っていたら…こんな俺俺だったのね。 現代を風刺した小説だと思う。 自分のことしか考えない。自分以外のことはどうでもいい。そんな俺がどんどん増えていく。そして削除しあう。そんな日本社会。 ミステリーではないのだけれど、人間の恐ろしさにぞくっとします。 過去や現在のことを忘れて、俺俺にならないようにしないと。 あんまりこういった作品は読まないので新鮮でした。
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自分探しなんて言葉がいっとき流行ったけど、俺は俺でしかない。自分でしかいられないのは幸せなことなんじゃないかと思う。周りが全て俺だったら…。ただ、シンクロナイズドビールの快感を俺じゃない違う誰かと味わえたら素敵。
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本当に怖かった。朝起きて、家族が「俺」だったらって考えた。でもこの作品には作者からのメッセージがたくさん詰まってると思う。
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没個性の昨今だと、現実は似たようなものなのかも。。。 途中までは今後の展開がどうなるかの期待したが、結末が安直になってしまったように感じる
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抜群だよね。 なんかオレって存在価値ないんじゃないの?(マックでのメシ、大量生産大量消費の権化である家電量販店での勤務がその比喩) 共感できるやつらと集まろう(オレの心が分かるのはオレしかいない。オレ山) なんだよ、似たようなヤツばっかりで、オレって意味ないじゃん、個性ってなんなんだよ(オレ山の崩壊) と、私なりに理解しました。アイデンティティーをめぐる長く、そして深い文学の流れに、21世紀の現状を記した作品ではないでしょうか。
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アイディア一発。マクドナルドでたまたま隣の客のトレーに乗っていた携帯をくすめてしまい、やる気はないのにその客の母からの電話に、“俺”になりすましてしまう。そんな出だし、そして、“俺”の母親が、俺の母親でないのに、トーゼンのごとく部屋に訪れてくるあたり、がこの物語の山場。そこまではとても面白い。しかし、そこからが逆におもしろくない。代替可能な個というテーマは、中盤にたどりつく前に十分に出し尽くしてしまい、惰性で物語が続く印象。書き散らかし感がちょっと残念でした。
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読み終わってから、夢に見た…。なんとも不気味。 グロテスクな場面はこざっぱりした書き方で進んでくれるので助かった。 この世界が私ばっかりだったら、この本の「俺」ばかりよりも幾分良いのではないかと考えたが、いやいや、それはありえない。自分にしかわからない自分のダメなところが誰し...
読み終わってから、夢に見た…。なんとも不気味。 グロテスクな場面はこざっぱりした書き方で進んでくれるので助かった。 この世界が私ばっかりだったら、この本の「俺」ばかりよりも幾分良いのではないかと考えたが、いやいや、それはありえない。自分にしかわからない自分のダメなところが誰しもある。それを突き付けられたら、自分の嫌な所を見たくなくて、この本みたいに潰し合いにきっとなると思う。 自分と同じ人間ばかりじゃないから世界はちゃんと成立しているんだと思った。 周りに感謝!
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展開早くて途中間あけて読んだらわけわからんくなった。 随所随所に、ぐさっと突き刺さる言葉があって考えさせられました。
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オレオレ詐欺が真に恐ろしいのは、両親が電話の主が自分の子どもかどうかわからないことだ。両親が自分の子どもを区別できないなら、自分が自分であることを区別できる人間がどこにいるというのだろうか。オレオレ詐欺は、現代人のアイデンティティーに深刻な疑念を投げつける。 「俺俺」は、「...
オレオレ詐欺が真に恐ろしいのは、両親が電話の主が自分の子どもかどうかわからないことだ。両親が自分の子どもを区別できないなら、自分が自分であることを区別できる人間がどこにいるというのだろうか。オレオレ詐欺は、現代人のアイデンティティーに深刻な疑念を投げつける。 「俺俺」は、「俺」が増殖していくSF小説だ。実家に行くとそこには「俺」がおり、コミュニケーションの障害に悩んでいた「俺」は、「俺」との交流に満足を感じるが、やがて「俺」との間でも不協和音が生じ、無数の「俺」が出現するに至って、事態は急速に破綻へと向かっていく。 この小説を読んでいると、読んでいる方もアイデンティティーの揺らぎを感じることにならざるをえないだろう。というのも、自分の意志が明確でなく、「場」に染まりやすいとか、コンプレックスの塊であり、自己卑下的で、しかしそれとは裏腹の高いプライドも持っているとかいった「俺」の性格は、読者の「俺」のものでもあるに違いのだから。この小説は、語り手の「俺」と読者の「俺」が混線していくことも明らかに狙いとして持っている。 そのことを考え合わせると、「俺俺」が読者参加型のリレー小説というツイッター企画の素材として提供されたこともおもしろい。読者が書き手となり、「俺」となって、無数の「俺」を書き継いでいったということなのだから。ここでは、「主体の揺らぎ」についての幾重もの実験がある。 「俺」という主体の自己同一性の不確かさを小説において展開した意欲的な実験作と言えるだろう。
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一人称と三人称が、曖昧な世界。自分と彼が違わない世界は地獄の様相をみせる。アナザーワールドだと安心して読めないリアルな怖さがあるだけに、終わり方がちょっと物足りない気がしました。
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