正義のミカタ の商品レビュー
正義ってなんだろう?そんな哲学的な問いを投げ掛けられる物語です。自分の信じる正しさを貫くことの厳しさや大切さを感じることができました。
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一人の元いじめられっ子を中心として、話が展開してゆく。 舞台は大学。元いじめられっ子は入学当初は若干躓くものの、新しい友人のおかげでなんとかいじめられっ子を脱出。 その友人の薦めで入部したのが、”正義の味方研究部”という変わった活動をしているところ。 つまり、俗にいう正義感と...
一人の元いじめられっ子を中心として、話が展開してゆく。 舞台は大学。元いじめられっ子は入学当初は若干躓くものの、新しい友人のおかげでなんとかいじめられっ子を脱出。 その友人の薦めで入部したのが、”正義の味方研究部”という変わった活動をしているところ。 つまり、俗にいう正義感というものに合わせて、大学で起こりうる事件などの解決を図るのがこの部活の活動内容。 現実のニュースなどでも、実際に耳にする合コンでの女子学生に対する澱酔レイプや教授のセクハラ・パワハラなどが話しの中でも起こり、それを ”正義の味方研究部”のメンバーが時にはやさしく、時には暴力的に解決していくのだが、だんだんと正義ってなんなのか??っという疑問が出てくる。 小説内の大学という設定からは少し反れてしまうけども、殺人は決してしてはいけない・・・これはすべての人が共有できる感覚だと思う。 しかし、その理由はさまざま。介護疲れあれば、時にはその介護相手に「殺してくれ」っと懇願される場合もあると思う。 そういうことを考えると、”正義の味方研究部”っというものが、自分の正義という価値観を押し付けているように強く感じた。 特に印象に残ったのが最後の最後。 電車で立って乗車しているおばあさんを見かねた主人公がシルバーシートに座っている若いサラリーマンに注意をした場面。 サラリーマンは人前で恥をかかされたと重い怒り、おばあさんはそんな重苦しい席には座りたくなく、扉付近の手すりへと移動・・・。 結局、空いた席は次の駅で乗車したおじさんが座ってしまう・・・。 主人公がしした事は・・・正義なのか? 正義なのか?っと疑問に思ってしまう事が問題なのか、何が正しいのか 分からなくんってしまうシーンだった。
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本多孝好の作家としての幅が広がった小説。 普段はお洒落で、気取りすぎなくらいの文体の彼が、いじめられっ子を主人公に立てて描いた青春物。 タイトルの「ミカタ」が「味方」と「見方」をかけているのかな、という予想通り、正義とは何か、を問いかけているようだけれど、その部分は客観的視点...
本多孝好の作家としての幅が広がった小説。 普段はお洒落で、気取りすぎなくらいの文体の彼が、いじめられっ子を主人公に立てて描いた青春物。 タイトルの「ミカタ」が「味方」と「見方」をかけているのかな、という予想通り、正義とは何か、を問いかけているようだけれど、その部分は客観的視点の入門書といったレベルで、それよりも「ストーリーやキャラで読ませる」彼の一面が見れたのが面白かった。 彼の作品に飽きてきたな、と思った人にはオススメの一冊。
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「正義の味方」とはいまさらながら言い古された語句だが,最近はむしろややレトロなイメージさえ漂うこの言葉・・・・「正義の味方」と聞くとテレビの戦隊物を髣髴とさせるような単純な爽快感を感じるとともに,なんとはなくそこに青臭いまがいもののような一抹の胡散臭さも感じてしまう。 いじめ...
「正義の味方」とはいまさらながら言い古された語句だが,最近はむしろややレトロなイメージさえ漂うこの言葉・・・・「正義の味方」と聞くとテレビの戦隊物を髣髴とさせるような単純な爽快感を感じるとともに,なんとはなくそこに青臭いまがいもののような一抹の胡散臭さも感じてしまう。 いじめられっ子だった主人公が,大学に入り,自分を認めてくれる友人達を得,自分というものの存在を肯定的に実感し始めていく・・・そうした中である事件を通じて,彼はその更に先のものを見つめていく。それはまさに「正義の味方」という言葉の持つ爽快感と胡散臭さの部分なのではないかと思う。 他の感想を見ると後半が面白くないという意見が目立つ。確かに後半はやや理屈っぽくなっていく。しかし,「正義」という単純な言葉の奥にある欺瞞を正面から突き破ろうとすればこの程度の議論はどうしても避けられないものであろう。 現代の日本にはこれと似て,いくつもの「きれいごと」が跋扈し,一見けがらわしく見えて実は大切な真実を内包するようなものがどんどんと駆逐されているように感じられる。 例えば,「人一人の命は地球よりも重たい」などという言葉はまさしく奇麗事である。そういう言葉の影で「人一人の命を犠牲にしてでも守らなければならないものもある」という論は排斥されてしまう。それはどちらが正しいというのでもなく,両論が互いに存在し,それぞれが存在意義をかけて議論されあうことで,ともに存在意義が深まるものであるはずなのに,単純に正義を決めようとする立場ではそうした議論の深まりは捨象される。 奇麗事を質に取るような議論は日本のマスコミなどでは毎日のように振りかざされている。だからこそ,部長こそが一番の敵でありえるのだと思う。 この作品は単なる娯楽作品という以上に実はとても深いことを伝えようとしているのではないかと思う。 これとはやや違うが,もう何十年も前なのでうろ覚えだが,あるSF小説の中で,不審な転校生たちと戦った主人公に対して,主人公の父親が事件が終わったあとにポツリと言う台詞がある。「わたしは今度のことは良かったと思っているんだ。相手が異星人であれ,何であれ,相手は何でもいいんだ。大切なことは,一見正しいように見えて実は理不尽なものであれば,それをしっかり見抜き対峙しなければならないということを学ぶいい機会だった」・・・みたいなことを言う場面がある。 これと同じで,「正義の味方」というときのその爽快感と胡散臭さとその狭間でわれわれはいつもそれに対して憧れと敬遠とを感じ続けている。この話はまさにそれを象徴的に取り出した話のようにわたしには思えてならない。
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あの“杯”だけはご勘弁いただけないだろうか・・・。 あと、終盤の部長の振る舞いが残念だった。 多少は納得なんだけど、ちょっとやりすぎ感が。 正義ねぇ・・・やっぱりここはセンセイの名言 「なろうとした瞬間に失格なんだよ」 の出番でしょうか。違うか?
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出だしは良いが、だんだん理屈っぽくなってきて中盤から読むのがつらくなる。 どうにか最後まで読んだけど・・・。
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大好きな本多孝好さんの新作。 いじめられっ子だった主人公が、一念発起して大学に入学し、ひょんなことから「正義の味方研究部」に入部。 大学で起きる様々な事件に関わっていきながら、成長していく青春物語。 装丁を見たときに、なんか本多さんっぽくないな、と感じていたのですが、 読んで...
大好きな本多孝好さんの新作。 いじめられっ子だった主人公が、一念発起して大学に入学し、ひょんなことから「正義の味方研究部」に入部。 大学で起きる様々な事件に関わっていきながら、成長していく青春物語。 装丁を見たときに、なんか本多さんっぽくないな、と感じていたのですが、 読んでみるとやっぱり、今までの本多さんの作品とは、少し色の違う感じの作品でした。 読みやすく、それなりに面白かったのですが、なんとなく設定に入りこめない感じがありました。 「正義」という言葉を堂々と看板に掲げていること自体で、「正義の味方研究部」に少なからず違和感や嫌悪感を抱いてしまっていたからかもしれません。 畠田が改心したのも謎でした。 個人的には大学生活でのエピソードより、お父さんとの場面が一番感動しました。 間先輩、亘先輩など、スマートな感じの人に惹かれるのは相変わらず(笑)
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本多さんの作品は読み安いっていうのもあって、 大好き~!!っていう感じではないんですが見つけると手にとって読んでます。 新作があったので早速チェック。 今まで私が読んできた本多さんの作品とはちょっと違ったかも。 今までは「優しい」人が出てきて「事件」がおこるんだけど、 そこにはな...
本多さんの作品は読み安いっていうのもあって、 大好き~!!っていう感じではないんですが見つけると手にとって読んでます。 新作があったので早速チェック。 今まで私が読んできた本多さんの作品とはちょっと違ったかも。 今までは「優しい」人が出てきて「事件」がおこるんだけど、 そこにはなんだか静かな悲しさとか寂しさとか幸せが書いてあるような気がしたんですけど、今回は「静か」とは無縁…(笑) 学園ものだから余計なのかもしれないけども。 高校時代かなりのいじめられっ子だった主人公は台学デビューをはたすも、 高校時代にいじめっこだった「畠田」も同じ大学にきていて、 地獄を見るかと思ったが、ひょんなことから「正義の味方研究部」に入部することになる。 そこで初めてできた友達や仲間と、学園の正義を守るために奮闘するが・・・。という話。 「正義の味方研究部」だなんておもしろい設定だと思うし、 部活のメンバーはとっても魅力的な人たちで気持ちがいい。 のだけど、当の主人公が、なんだか情けない感じで・・・。 読んでいて「もうっ!!!」とかイライラしてしまうことしばしば。 いじめられていた過去の描写もなんだか悲しくなってしまって。 前に重松清さんの「ナイフ」を読んだ時も痛すぎて辛すぎてってなったんですが、 これはユーモアがあるにしろ、やっぱり心が痛かった…。 イライラと痛いので、とにかく「早く読んでしまおう」という心持で読んでました。 終わり方も、なんだか私はふに落ちない感じだったかなぁ…。 きっと、タイトルと表紙が明るい感じだったんだけど、ギャップがあったからふに落ちなかったのかも。わたしは「勧善懲悪の水戸黄門」みたいなものを想像してたのですが、そうおいう簡単なお話ではなかったので。読む人が読めば面白いのかも。実際最後はそこまで後味悪くないし。ってことで、ちょっと疲れた1冊でした。
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高校時代にひどいイジメに遭っていた主人公の亮太。 頑張って大学に合格したものの、 予想外なことにいじめっ子の主犯格も入学していた。 その窮地を救われたことから「正義の味方研究部」に入部し、 その信念に基づいて活動していくのだが、、、 クライマックスの展開はちょっと気に入らなか...
高校時代にひどいイジメに遭っていた主人公の亮太。 頑張って大学に合格したものの、 予想外なことにいじめっ子の主犯格も入学していた。 その窮地を救われたことから「正義の味方研究部」に入部し、 その信念に基づいて活動していくのだが、、、 クライマックスの展開はちょっと気に入らなかったけど、 亮太が到達した(しかけている?)考え方にはとても共感が持てた。 最初からなんだか不思議な違和感を覚えてたもんなー。 それは、実際にいじめられた経験がある人にしか 分からないものかもしれないけど。
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★5個に限りなく近い! いじめられっ子だった亮太が大学で正義の味方に!? でも正義って一体なんなんだ 勧善懲悪 TVや小説みたいに正義は強いのか ラスト色々考えさせられました
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