小説家という職業 の商品レビュー
名前は知っていたけど、著作を読んだことがない。なのにいきなりこの本をなぜ選んだオレ…。漠然と持っていた人物像と異なり、理詰めに計算していく方だったのが楽しめた。
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小説家になるには?ではなく、小説家という職業を客観的に分析した珍しい?本。 しかも半分くらい(言い過ぎかもしれないが)が出版社に対する苦言w 面白かったです。 目次 1章 小説家になった経緯と戦略 2章 小説家になったあとの心構え 3章 出版界の問題と将来 4章 創作というビジ...
小説家になるには?ではなく、小説家という職業を客観的に分析した珍しい?本。 しかも半分くらい(言い過ぎかもしれないが)が出版社に対する苦言w 面白かったです。 目次 1章 小説家になった経緯と戦略 2章 小説家になったあとの心構え 3章 出版界の問題と将来 4章 創作というビジネスの展望 5章 小説執筆のディテール
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作家が作品を書く上で必要なのは、みんなが納得できる精神哲学ではなく、自分が納得できる精神哲学なのだということを理解させられる本。 たぶんこの本によって森氏のことを非難する人間がいるかもしれないが、そういうことを言う人に言いたいのは、森氏の哲学によって誰かが不幸になることはないとい...
作家が作品を書く上で必要なのは、みんなが納得できる精神哲学ではなく、自分が納得できる精神哲学なのだということを理解させられる本。 たぶんこの本によって森氏のことを非難する人間がいるかもしれないが、そういうことを言う人に言いたいのは、森氏の哲学によって誰かが不幸になることはないということである(ただし生涯作家であり続けるのは無理。実際、森氏は早い時期から引退を表明していた)。 いずれにしろ、森氏のような精神的主柱を手に入れるのは容易なことではない。だが逆にそれさえ手に入れることができたら、作家として大成できる可能性が上がるように思える。
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※このレビューにはネタバレを含みます
チェック項目9箇所。良い小説とは、「こうすれば書ける」では成り立たない「創作」なのである。はっきりしている真実が一つある、どんなに酷い作品でも、誰かは褒めてくれる、どんなに優れた作品でも、誰かは貶す、人間のばらつきは、それくらい広い。あなたが書いたものを読んでくれる人に、あなたが書きたかったものが理解されること、これこそが、文章の最も重要な機能である。作家が続かない理由……デビュー後のビジョンがない、「作家になりたい」一心で努力をしてきた、まさにその動機が、作家になったことで失われる、つまり、作家になること、自分が書いた作品が出版されることがゴールだったわけで、処女作が本になった時点でゴールインしてしまうため、その後の動機が見つけられなくなる、という症状らしい。出版社は自分たちが作った書籍という商品に対して、そのユーザーの意見を集める努力を熱心にはしていない、出版社(特に営業)が「お客」だと認識しているのは、「書店」であって、「読者」ではない。10万部売れる本を作ることは非常に難しい、しかし、1万部売れる本を10冊出すことなら、それよりは容易だ、5000部売れる作品を20作書くことなら、さらにずっとやりやすい。小説にテーマなんて必要ない、読んだあと、残るようなものも必要ない、それを盛り込むな、とはいわないが、わざわざ異物を盛り込んでも、小説の純粋性を失わせるだけだ。最も際立つのは、一つの文章の句点の次に何を書くのか、という選択をする瞬間だ、この一瞬に「視点」がすべてを決める、「どう描写するか」の以前に、「何を描写するか」がある。シーンを描くには、まず「場」が必要である、実際に知っているところ、見たことがある場所を使うのが手っ取り早い。
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この本は小説家を目指す人に向けたエールの本だと期待すると大半の人はその期待を裏切られると思う。私は、小説家に憧れる者ではあるが、実際に小説で金を稼ごう、食っていこうとは今のところ真剣には思っていない。ただ、小説が書いてみたい、と思っていて尻込みしてるだけの単なる一般人だ。よくいる...
この本は小説家を目指す人に向けたエールの本だと期待すると大半の人はその期待を裏切られると思う。私は、小説家に憧れる者ではあるが、実際に小説で金を稼ごう、食っていこうとは今のところ真剣には思っていない。ただ、小説が書いてみたい、と思っていて尻込みしてるだけの単なる一般人だ。よくいる読書家が冷水を飲もうとして躊躇しているだけの小市民だ。 そんな私がこの本を読んだ理由。それは森博嗣その人に興味があるからだ。この人は理科系の研究者というモノ書きからは最も遠い場所にいてどうしてあんなに面白い小説が書けるのか?非常に興味深い。 森博嗣の小説家としての在り方は、破天荒だ。 長嶋茂雄風。 来た球をカーンと打つ ぶっちゃけたことを言えば、この本にはその程度のことしか書かれていなかったと私には思えたのだが言い過ぎだろうか 森博嗣自体は 小説はビジネスとして書いている。お金を稼ぐため人に自分の作品をサービスとして書いているんだから苦労がある。楽しくない。 そう書いているが、この本の読者は本当にその言葉を文字通りに捉えたのだろうか? 私はそんな風には到底思えなかった。 森博嗣の小説家ザマ?はとても楽しそうなのだ。 こんな風な小説家にならなってみたい、と思えるものだった。 この本は小説家を目指すというよりも、正直森博嗣を目指す本なのだと思う。 そして私は小説家にはなりたくないが、森博嗣にはなってみたいと思った。 また、森博嗣のようになれれば小説家になってもいいと思う。 それが無理なら趣味の域で楽しむのがベスト。 まぁ大抵の人にとっては趣味の域で終わるのであろう。 そんな特別な能力を持った人は数多くいない。 それでも地球は回ってる。それでいいじゃないか
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私は小説家志望ではないので、特に思うところはなかったのですが、出版業界の内情の一部を垣間見たという気持ちでいっぱいです。 この人のような割り切ったというか、明確化している考え方は好きな方なのでサクサク読めました。
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ザ・理系だよねー。考え方がとても明快で読んでいてすがすがしい。 一方でなんでもお見通しで読者が手のひらで遊ばれてる感がくやしい。(笑) 人の評判に左右されている人が読めば「なるほど!そう考えればいいのか!」ってなるかも。 小説かきたくなるよー。
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森さんが小説家として成功した理由の一部は書かれているので、森さんの小説は手に取らない人にも参考になる。活字を読む習慣がある人なら、簡単に読めて、そこそこ同意できることが書かれていると思う。 強調しておいても良いこと ・小説家になる方法を記した作家の中では、売れる本を書いている人...
森さんが小説家として成功した理由の一部は書かれているので、森さんの小説は手に取らない人にも参考になる。活字を読む習慣がある人なら、簡単に読めて、そこそこ同意できることが書かれていると思う。 強調しておいても良いこと ・小説家になる方法を記した作家の中では、売れる本を書いている人 ・趣味の一つとして、小説を書いてみたら、売れちゃった人 ・専業小説家が書くものとは、少々毛色が異なる。精神論や、心構えに関しては書かれていない。 で、私はこれを読んで、感想ぐらいは人に読めるところに置いておこうと思った訳です。
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どんな仔細で大学教授が小説家になったか、その一部始終を飾り気なく淡々と綴った一冊。目からうろこの、なるほど本。
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読み始めてすぐわかったことは、「俺は小説家にはなれないなあ」ってことだった。すくなくともこの本で言われていることを鵜呑みにして、そして職業としての小説家になるならば、だ。小説を読むことが大好きな人は、憧憬の眼差しで小説家という職業を見てしまう。だがあくまで小説家というのもまたお金...
読み始めてすぐわかったことは、「俺は小説家にはなれないなあ」ってことだった。すくなくともこの本で言われていることを鵜呑みにして、そして職業としての小説家になるならば、だ。小説を読むことが大好きな人は、憧憬の眼差しで小説家という職業を見てしまう。だがあくまで小説家というのもまたお金を稼ぐビジネスをしているのだ。楽しいことばかりではないし、自分がやりたいように好き勝手やって読者がついてくるなんて、そんな夢物語はそれこそ小説のなかにしかないのだ。現実はそう甘くはない。著者がほとんど自分の職業の魅力などすべてを否定し、あくまで仕事なのだと割り切った態度が逆に好感を持てる。小説もビジネスなのだ。
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