小説家という職業 の商品レビュー
シンプルな本である。 ①まず面白がって最後まで書きなさい②他人の目線になって読み直してみなさい そして小説はできあがる。 心構えとして「お金がほしい」というのは実にはっきりとして、そして純粋な動機だと思った。 我々はなんで、したいことをやらないのか。 たぶん、したいだけで、ほし...
シンプルな本である。 ①まず面白がって最後まで書きなさい②他人の目線になって読み直してみなさい そして小説はできあがる。 心構えとして「お金がほしい」というのは実にはっきりとして、そして純粋な動機だと思った。 我々はなんで、したいことをやらないのか。 たぶん、したいだけで、ほしくないからだ。 なっていたらいいなと思うだけで、なるも思わないからだ。 そして、実は自分の妄想で充足できる程度の願望だったりするのだ。 もし、あなたがスタジアム一杯を満たす人々の拍手がほしかったら 数千万円の印税がほしがっているのなら 手に入れにいくために、身体を動かそうということだろう。 いや、スケールの問題ではなく おそらくは、乾いた欲望と、他人の関係なさと、他人がいることの絶対性を知っていることが 何よりも重要なのであろう。
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作家といえば創作が好きでやっているものという印象があるが、森博嗣さんは完全にビジネスと割り切っていて新しい視点だった。たしかに作家という職業だし、仕事である以上経済活動を行うビジネスであることは間違いない。人によっては夢がないと言われるかもしれないが、現代社会で生きている以上、金...
作家といえば創作が好きでやっているものという印象があるが、森博嗣さんは完全にビジネスと割り切っていて新しい視点だった。たしかに作家という職業だし、仕事である以上経済活動を行うビジネスであることは間違いない。人によっては夢がないと言われるかもしれないが、現代社会で生きている以上、金銭を得るのは当然のことだ。それにしても、なろうと思ってもなかなかなれない作家に、ロジックでなってしまい売れるのは本当にすごいと思う。
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・小説家になりたいなら、今すぐに小説を書け。 ・うまい文章を書けないなら、書けるようになるまで書け。 ・創作で学んだ経験は経験ではない。(映画や小説は作られたものであってリアルではない) ・問題の根本を解決せずに、ただ謝れば良いというような態度が出版社、しいては文系人間に蔓延して...
・小説家になりたいなら、今すぐに小説を書け。 ・うまい文章を書けないなら、書けるようになるまで書け。 ・創作で学んだ経験は経験ではない。(映画や小説は作られたものであってリアルではない) ・問題の根本を解決せずに、ただ謝れば良いというような態度が出版社、しいては文系人間に蔓延しており、問題。 この辺が特に気にいった。 ただ作者自身も言っている通り、あくまでもこれは作者のスタイルであり、他の人間が同じようにしたとて、成功するとは限らない(というより、多分成功しないだろう)。結局、自分のスタイルを見つけることが何より大切で、それは本を読んでも得られない。つまるところ、まずはやってみろ。
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著者の思想が色濃く書かれた1冊。小説を書くこと以外にも活かせそうなアドバイスがいくつかあり、勉強になった。
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森博嗣さんの小説論。元大学教授から趣味の為にビジネスとして割り切った上で作家になったと言う異色の経歴を持つ方です。 所謂、現代文で崇められる文芸から遠い距離にあった事が森さんの成功に繋がったんでしょうね。 何せ、"小説家になりたかったら小説を読むな"ですから...
森博嗣さんの小説論。元大学教授から趣味の為にビジネスとして割り切った上で作家になったと言う異色の経歴を持つ方です。 所謂、現代文で崇められる文芸から遠い距離にあった事が森さんの成功に繋がったんでしょうね。 何せ、"小説家になりたかったら小説を読むな"ですから。 第四章までが実用的だけど、本書のキモは森さんと言う作家の創作論から本人が見える第五章でしょう。抽象的だけど森さん御本人に興味がある人には一読の価値があると思います。
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小説家が小説家について書く、多くの人はこのことを聞くとあぁこの人なりの小説家としてのやりがいや楽しさについて書かれているのだろうなと思うかもしれない。私もそんな読者の一人であった。しかしながら、この本はビジネス書といっても過言でないくらいに小説家という職業についての売れ方や戦略性...
小説家が小説家について書く、多くの人はこのことを聞くとあぁこの人なりの小説家としてのやりがいや楽しさについて書かれているのだろうなと思うかもしれない。私もそんな読者の一人であった。しかしながら、この本はビジネス書といっても過言でないくらいに小説家という職業についての売れ方や戦略性などいかに本を売るのかということについての著者の考えが所狭しと書かれている。本の中で、著者は何度も小説を書くのは趣味ではない仕事である。と断言しているのだ。果てはある種小説を商品とすることを嫌う出版業界に関する苦言さえ書かれており、小説を書くのが元々好きでなかった著者だからこそ書くことのできる、非常に切り口の鋭い一冊だった。小説は売り物であり、読み手を意識するというのは当たり前ではあるがここまでビジネスとして小説家という職業について考えたことのなかった私には目からうろこであり、非常に面白い一冊となった。また、ある種非人間的ともいえる著者の冷徹な考えが心地よく、物事を合理的に考えることの価値を教えてくれる一冊だと感じる。小説を書いてみたい人でなくとも創作物を作りたいと考えている人全員にお勧めすることのできる一冊だ。
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著者のエッセイをよく読んでいるが、これもそのひとつ。 小説家は元手がかからない職業で、彼もアルバイトとして小説を書き始める。 ミリオンセラーを出すとか、有名になるなど余計なことを考えずに書くことが大事。長く小さいヒットを狙って書くのが彼のスタイル。小説は、それほど人気のジャンル...
著者のエッセイをよく読んでいるが、これもそのひとつ。 小説家は元手がかからない職業で、彼もアルバイトとして小説を書き始める。 ミリオンセラーを出すとか、有名になるなど余計なことを考えずに書くことが大事。長く小さいヒットを狙って書くのが彼のスタイル。小説は、それほど人気のジャンルではないので、地道にコツコツと出して少ないファンを守ること。それが小説を職業とするための秘訣。 売るためには、マーケティングの考え方も必要だし出版社とうまく付き合うことも必要。 読者との関係も大事にすること。 でも出版社には言いたい事がある。 出版社は古い体質で昔ながらの営業であり、不手際があっても頭を下げるだけで、改善していくという考え方がないのが不満。 著者は理系なので全てロジカルに物事を進める。 人間関係はドライで、ビジネスと割り切っている。色々な小説家の裏話があって、大変面白かった。 これも小説家として成功してるから言えるのだろう。
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いわゆる都合のいいノウハウとか読み心地のいい話は全く書いてない、だからこそのこの安心感というか信頼感。笑 グダグダ言ってる間にはよ書きなさいよ、と言う感じ。仰る通りです。笑
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『自由論』、『工作論』、『小説論』3部作の最終作。 この3冊の言いたいことは共通していて、森ファンからすれば、すでにエッセイや日記シリーズで書かれていたことばかりだけれど、こうやって3冊に纏められたことは、とても意味のあることだと思う。
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小説はビジネスだと言い切って、厳しい印象を受けたが、論理的に書かれている内容に共感できて、何事も最後までやり倒して形にすることが重要だと思った。
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