反哲学入門 の商品レビュー
タイトルから、アンチ哲学!とうたった本に勘違いされそうだが、そうではなくとても平易かつ内容の濃い哲学解説書。 この本が言わんとする反哲学とはニーチェ以降の哲学のこと。 プラトンに始まる西洋哲学は、キリスト教、神との折り合いをつけるために自然を無機的なものとして捉えてきた。ただしそ...
タイトルから、アンチ哲学!とうたった本に勘違いされそうだが、そうではなくとても平易かつ内容の濃い哲学解説書。 この本が言わんとする反哲学とはニーチェ以降の哲学のこと。 プラトンに始まる西洋哲学は、キリスト教、神との折り合いをつけるために自然を無機的なものとして捉えてきた。ただしそれにより、近代は破滅的な状況に向かってしまったため、ニーチェが自然の考え方を捉え直し、以降にハイデッガーやポストモダン、構造主義が続いて今がある、という話。 そのために、この本は主要な西洋哲学についてしっかりと書かれており、結果哲学入門といって差し支えない内容。 日本人には分かりづらい哲学や理性といった概念を分かりやすく伝えてくれる。とはいえ、後半に進むにつれて一読しただけでは僕には理解が及ばない難しい題材も多く、これから何度か読み返して勉強したい本だった。
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哲学史をなぞりながら、なぜ哲学は西欧特有の思考であるか、キリスト教をはじめとする諸宗教と哲学の関連が強いのはどうしてか、なぜニーチェ以降反哲学の潮流が起こったかを平明且つコンパクトに述べられており、非常に分かりやすかったです。
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哲学とは存在(ある)を考える学問。これには、「なる」と「つくる」の2種類がある。後者には、自然を俯瞰するメタ的な視点が必要とされる。日本はもともと「自然の一部」という感覚が強かったため、前者だったが、時代の進歩とともに後者にシフトした。欧米は早い段階で後者にシフトしたが、後者の不自然性をもとに、ニーチェ以後前者に回帰しようという流れが生まれた。
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ひゃー難しかった。 最後のニーチェあたりは比較的すんなり読めたけど、 (あくまで比較的) それ以前は寝落ちと戦いながらの読書。 なんかこう (´・ω・`)<・・・・・・ちょ、ちょっとまってもっかい 日本語話してるのに内容がするりと理解できない。 あんだけわかりやすくを意識したこの本がこのありさまなので、 哲学ってのは向き不向きがあると思います。 私はケセラセラで生きる人間だから向いてないなー。 内容は簡単に言えば「哲学史」ですが、 ニーチェ以降は「哲学」じゃない!ってのが筆者の主張ですので、 そういう意味で「反哲学」。
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西洋哲学史が分かった気になれる。 ソクラテス・プラトンからデカルトを経てニーチェ・ハイデガーまで。 「哲学」とはなんなのか?なぜ日本では生まれなかったのか?「反哲学」とは何か? ざっと流れが分かると、読みたくなる著者がたくさん出てくる(アリストテレスとかは馬鹿にしてしまうんだけど...
西洋哲学史が分かった気になれる。 ソクラテス・プラトンからデカルトを経てニーチェ・ハイデガーまで。 「哲学」とはなんなのか?なぜ日本では生まれなかったのか?「反哲学」とは何か? ざっと流れが分かると、読みたくなる著者がたくさん出てくる(アリストテレスとかは馬鹿にしてしまうんだけど)。 プラトンなんかは超自然原理を始めて提唱したことになるわけだけども、それは実際政治的な背景が大きかったわけで。 アテネがギリシャのような自然主義では都市として機能しなくなってきたという背景が、西洋哲学あるいはキリスト教を作り上げてしまったという壮大な物語になってしまう。これってすごい面白いなあと思う。実際その後もガリレオとか、物理学における発見が哲学に影響するというのも。それに加えて個人的な背景もある。父親が自殺して厭世家になった(と思われる)ショウペンハウエルから影響を受けてニーチェが反哲学を提唱する。みたいな。 この本では存在するとはどういうことか?という問いに対するスタンスを中心に哲学を分析しているので、西洋哲学史を分かった気になっていろいろな著者の著作を読む気がうせることは全然なくて、むしろどうしてこの人はこんなこと考えたのか?とか、こんなこといっちゃってる人ってどんな人生だったのか?ってすごい興味沸く。 にしても哲学史におけるアリストテレスの扱い酷すぎワロタw 内容(「BOOK」データベースより) 「形而上学」「私は考える、ゆえに私は存在する」「超越論的主観性」―。哲学のこんな用語を見せられると、われわれは初めから、とても理解できそうにもないと諦めてしまう。だが本書は、プラトンに始まる西洋哲学の流れと、それを断ち切ることによって出現してきたニーチェ以降の反哲学の動きを区別し、その本領を平明に解き明かしてみせる。現代の思想状況をも俯瞰した名著。 【目次】 第1章 哲学は欧米人だけの思考法である 第2章 古代ギリシアで起こったこと 第3章 哲学とキリスト教の深い関係 第4章 近代哲学の展開 第5章 「反哲学」の誕生 第6章 ハイデガーの二十世紀
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哲学とはプラトンから始まる西洋固有の見方であり、日本では本当のところ理解しにくい、との出発点から、西洋哲学史が流れるように語られる。大変に興味深いく読めた。個別の哲学者の著作は読んでいても、なかなか俯瞰的な視点は得られないものだからだ。ニーチェ、ハイデガーに持ってくるまでが白眉か...
哲学とはプラトンから始まる西洋固有の見方であり、日本では本当のところ理解しにくい、との出発点から、西洋哲学史が流れるように語られる。大変に興味深いく読めた。個別の哲学者の著作は読んでいても、なかなか俯瞰的な視点は得られないものだからだ。ニーチェ、ハイデガーに持ってくるまでが白眉か。仏教の縁起思想の位置づけを考える上でも参考になった。 ・つくる、うむ、なるの三つで全ての神話が整序できる。 ・丸山:つくるでなるを乗り越える。ハイデガー:なるでつくるをのりこえる。 ・ソクラテスにあるのは知りたいという欲求であって、積極的に示すことはない。 ・「書物の運命」 ・デカルトの近代的自我は神的理性の出張所。 ・神学、科学、哲学の調和の時代が17世紀の理性主義。 ・ニーチェ、ヤスパース、ハイデガーは実存主義ではない。 ・存在するものの全体を、生きておのずから生成するものと見、自分もその一部としてそこに包み込まれ、それと調和して生きる時と、その存在する者全体に<それはなんであるか>と問いかける時とでは、存在者の全体へのスタンスの取り方がまるで違います。
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ニーチェは、西洋文化形成の根底に据えられた超自然的原理の思考法が無効になったということを「神は死せり」という言葉で宣言しました。欧米人は、まだ神を信じているのだろうか
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哲学というものが「あるとは何か、存在とは何か」を問うものならそれは、古代ギリシア〜プラトン前と、プラトン〜ニーチェ前と、ニーチェ以降で捉え方が分かれていて、 プラトンに始まるのが「西洋哲学」の流れであり、それを断ち切ることで登場してきたニーチェ以降は「哲学批判」、いわば「反哲学」の流れだと。 ニヒリズムの発端になった「超自然」、その幻想をぶち壊す! ・・という第5章のニーチェ解説の流れは見事でした。 面白かったです ニーチェ、ハイデガーの「反哲学」時代にたどり着く前過程として古代ギリシャやキリスト教世界、デカルト、カント、ヘーゲル・・と、哲学史がダイジェストされていて、理論の変遷がすごく整理されていて良かった。 当たり前だけど著者の木田元氏はすーごく研究されてて、解説にも書かれてたけど、蓄積がもーーーのすごいんだな・・ かなりおすすめ・・したいところですが、第1章にあったけど、どうも哲学というものは人を招き入れてはいけないらしい。 すでに「哲学病」に罹患している自覚のある方のみ、読んでみて下さい。
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木田先生。 結構好きなので、時に読みますが、 先生のライフワークが平易な文章で味わえる 良書だと思う。
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文庫で厚みもそんなになくサラッとした体裁の本ですが、とてつもない名著だと思います。倫理の授業で習ってもイマイチよくわからなかった「イデア」「純粋形相」「神」「理性」「精神」、、、これらが何であるか。第一章でいきなり書いてあって、ガツンときました。す、すげーーー!なぜ今迄誰もおしえ...
文庫で厚みもそんなになくサラッとした体裁の本ですが、とてつもない名著だと思います。倫理の授業で習ってもイマイチよくわからなかった「イデア」「純粋形相」「神」「理性」「精神」、、、これらが何であるか。第一章でいきなり書いてあって、ガツンときました。す、すげーーー!なぜ今迄誰もおしえてくんなかったの?ってくらいの驚き。
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