反哲学入門 の商品レビュー
とても有意義な読書だった。反哲学の反のニュアンスを誤解しないならきっと有益なものになると思う。特にニーチェの位置付けなどは今までになく腑に落ちるものだったように思う。自然な理解という感じ。
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平易な言葉で語られる哲学史。 タイトルの意味することは、「哲学」とは一神教を背景にしたプラトン主義の系譜であり、ニーチェがそれを批判し、新たな思想が生まれてきたということ。 読んだはずだが記憶があいまいなので、復習したくなったら『哲学マップ』かこれかを読み直すこととする。
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著者のいう「反哲学」というのはニーチェ以降の哲学のことをいうようだ。 ニーチェ・ハイデガーまでどのように哲学が進んできたのかを分かりやすく説明している。その流れはかなりわかりやすかった。 しかし,まだ「反哲学」あたりがしっかり理解できていないようなので,また別の本などでハイ...
著者のいう「反哲学」というのはニーチェ以降の哲学のことをいうようだ。 ニーチェ・ハイデガーまでどのように哲学が進んできたのかを分かりやすく説明している。その流れはかなりわかりやすかった。 しかし,まだ「反哲学」あたりがしっかり理解できていないようなので,また別の本などでハイデガーあたりの哲学について学んでみたいと思った。そのような意味で,私にとってこの著書はしっかりと「反哲学」入門の役割を果たしたように思える。
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ふわっと、分かったようなわからないような。 何もそんな理屈をこねて考えんでも、と思ってしまうが、そういう考え方は知を愛していないんだろうな。
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著者が「哲学」に違和感を感じて冷めているせいか、 ソクラテス~ヘーゲルあたりまでの「哲学」の本流の流れが かえってわかりやすく、 ニーチェ以後、それがどのように批判され見直されていったか という「反」哲学の動きも理解しやすかった。 西洋哲学史で出てくる思想や思潮は、どうしてもひと...
著者が「哲学」に違和感を感じて冷めているせいか、 ソクラテス~ヘーゲルあたりまでの「哲学」の本流の流れが かえってわかりやすく、 ニーチェ以後、それがどのように批判され見直されていったか という「反」哲学の動きも理解しやすかった。 西洋哲学史で出てくる思想や思潮は、どうしてもひとつ手前の時代への アンチという短いスパンでしかとらえられず、 ために時代が進むにつれ複雑になって整理できなくなったり、 もっと前の時代のことがぼけてしまって、 全体の流れが見えなくなってしまいがちだが、 この本ではロングショットでの俯瞰図が見えた。 それにしてもハイデガーの性格の悪さは強烈。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2010年(底本2007年)刊行。 著者は中央大学名誉教授。 ここで「反哲学」とは、プラトン以降の超自然的原理(≒一神教における唯一絶対神)の措定と、これを世界認識の基礎に据えることの二点について、否定する考えをいう。 多神教集団に馴染みやすい反哲学ではあるが、一神教の西欧圏においても、ニーチェ以降、真剣に議論されてきた問題意識だ。勿論、これまでの長きにわたる一神教の影響下にある地域性、これに絡め取られてきた哲学的思考の歴史的な営為を考えると、超克することの難しさはある。 本書は、ソクラテス以前と、プラトン以降の哲学的思惟の史的展開と内容解説を踏まえつつ、後者への懐疑が生んだ反哲学を解読していく。 読後感は、ただただ、これは凄いな、というもの。 その一は、広い意味での西洋史その他に関する驚嘆すべき博識に裏打ちされている点だ。 また、比喩が絶妙で、また難易度の高い哲学用語をかみ砕いて易しく解説する叙述の妙も見事である。 類似の話しを繰り返す点は、インタビューのテープ起こしに加筆したことによるが、門外漢にはその繰り返しが適度な復習になる。物覚えの良くない私にとっては優しい点で、マイナス要素とはならなかった。 そして、極めつけは、西欧史・西欧思想史につき、著者が貫いてみせる幹の斬新さと明快さである。 もとより、著者の主張や分析、分析のための手法が一般的に承認されたものかは知らない。しかしながら、西洋哲学に関する書で、論理の幹がこれほど掴まえやすかった書はなかなか無いのも確かである。 そしてとどめとして、これほど高度かつ意義深い書なのに、安価な文庫化がなされている事実をあげたい。 お勧めの一書である。
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ハイデガーの「存在の歴史」の発想にのっとって、西洋哲学史について解説している本です。 同じようなテーマを扱った著者の『わたしの哲学入門』(新書館)の方が、読む者を引き込まずにはおかないような気迫が感じられるのに対し、本書は語り下ろしという事情もあるのでしょうか、著者の説き方にも...
ハイデガーの「存在の歴史」の発想にのっとって、西洋哲学史について解説している本です。 同じようなテーマを扱った著者の『わたしの哲学入門』(新書館)の方が、読む者を引き込まずにはおかないような気迫が感じられるのに対し、本書は語り下ろしという事情もあるのでしょうか、著者の説き方にもどこか余裕が感じられます。 巻末の「解説」を執筆している三浦雅士は、「西田幾多郎も田辺元も和辻哲郎も出てこない、丸山だけが出てくるというのは、これはいわゆる京都学派に対するかなり辛辣な批判ではないかとも思えてくるのです」と語っています。そういえばどこかで、辻村公一を中心とする創文社の『ハイデッガー全集』の訳語体系を著者がかなり辛辣な言葉で批判していたのを読んだ覚えがあります。プラトンに始まる形而上学は西洋に特有の発想に基づいており、ニーチェやハイデガーらの「反哲学」によって復興された「生きた自然」の発想の方が日本人には理解しやすいという著者の主張は、根本のところでは京都学派の立場から大きな懸隔があるようにも思えませんが、三浦がここでどのようなことを考えていたのか、少し気になります。
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反哲学という言葉が何を意味するのかよく分からなかったのですが、この本を読んで、ニーチェ以降の哲学を指すのだとわかりました。それまでの哲学は、人間存在は神が存在するからこそ(人間に知性があるのは神の影響下にあるゆえだ)という主張にもとづいていて、このくらいは神の助けなしでもできる、...
反哲学という言葉が何を意味するのかよく分からなかったのですが、この本を読んで、ニーチェ以降の哲学を指すのだとわかりました。それまでの哲学は、人間存在は神が存在するからこそ(人間に知性があるのは神の影響下にあるゆえだ)という主張にもとづいていて、このくらいは神の助けなしでもできる、と主張するケースはあっても、神と「決別」し、その影響下から抜け出た哲学はなかったのだそうです。キリスト教と哲学がいかに深く結びついていたか、あらためて知ることができました。
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ハイデガーの立場に依拠しながら、西洋の哲学史を大づかみに相対化しつつ描き出している。編集者に語ったものを書き起こしているらしく、やや繰り返しが多いが、わかりやすい。そのあたりのところは、巻末の三浦雅士の短い解説に実にうまく紹介されている。というか、この巻末の解説は、本書の要点を短...
ハイデガーの立場に依拠しながら、西洋の哲学史を大づかみに相対化しつつ描き出している。編集者に語ったものを書き起こしているらしく、やや繰り返しが多いが、わかりやすい。そのあたりのところは、巻末の三浦雅士の短い解説に実にうまく紹介されている。というか、この巻末の解説は、本書の要点を短い言葉で的確にまとめていて、実に素晴らしい。
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古代ギリシャからハイデガーまで、西洋哲学のなんたるかを概観できる1冊。正直途中の挫折を覚悟して読み始めたのですが、なるべく噛み砕いて説明してくれて、意外にも大変おもしろくさくさくと読むことができました。ニーチェ以降が「反哲学」だなんて見方、学校では教えてくれない。読んでよかったで...
古代ギリシャからハイデガーまで、西洋哲学のなんたるかを概観できる1冊。正直途中の挫折を覚悟して読み始めたのですが、なるべく噛み砕いて説明してくれて、意外にも大変おもしろくさくさくと読むことができました。ニーチェ以降が「反哲学」だなんて見方、学校では教えてくれない。読んでよかったです。
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