ザ・ロード の商品レビュー
終末の世界。圧倒的な情報の筆致で描かれる世界と、父と子の閉塞的な会話。そして二人の旅がどこに辿り着くか。 多分理解しきれてはないけど、ラストとかはジーンときた。 「」が無かったり句読点が無かったり、締めの文が良かったりした。
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英語版を読んでいたのですが、途中、主人公たちが路上で行き会った狂暴そうな武装集団の持ち物や集団内の階層の描写がよく分からず(「北斗の拳」の悪役風な人々のところね)、でも、そのシーンはすごく気になったので、日本語版も図書館から借りてきました。 よく分からなかったところは、もちろん私...
英語版を読んでいたのですが、途中、主人公たちが路上で行き会った狂暴そうな武装集団の持ち物や集団内の階層の描写がよく分からず(「北斗の拳」の悪役風な人々のところね)、でも、そのシーンはすごく気になったので、日本語版も図書館から借りてきました。 よく分からなかったところは、もちろん私の英語力の問題によるもので、その後も、ところどころつまみ食い的に読み比べましたが、日本語訳はいろいろと素晴らしかったです。 ウィル・スミスの映画「アイ・アム・レジェンド」を少し彷彿とさせた。 特に、廃墟となっているいくつかの家屋を捜索するときの緊張感が。 しかし、何があったんでしょうね、あの世界で。 そこは語られてはいないけれど、広範囲にわたる荒廃ぶり、焼け野原っぷり、太陽の見えなさっぷりから考えると、食べ物や建築物が都合よく残り過ぎな気はしました。 要するに、つっこみどころがあり過ぎな感。 そのあたり、元がSF作家じゃないだけに、わりと科学的根拠は適当なのかも。
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たぶん近未来のアメリカ。たぶん核戦争後の世界。数多くの動植物が滅んだ終末の世界。僅かな食糧を奪いあう残された人類 ただひたすらに南を目指して歩き続ける、ひと組の父子の物語。暴力が支配する世界で、人は善き存在であり続けることは出来るのか
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はっきりと明示はされていないがおそらく核戦争後のアメリカだった国が舞台。植物は枯れ動物は生き絶え、死が全てを覆った世界。空は灰色の厚い雲に覆われ、どんどん寒冷化が進んでいる。そんな世界で生き残った父子が南を目指して彷徨い歩く。 「北斗の拳」や「ウォーキングデッド」のような終末後...
はっきりと明示はされていないがおそらく核戦争後のアメリカだった国が舞台。植物は枯れ動物は生き絶え、死が全てを覆った世界。空は灰色の厚い雲に覆われ、どんどん寒冷化が進んでいる。そんな世界で生き残った父子が南を目指して彷徨い歩く。 「北斗の拳」や「ウォーキングデッド」のような終末後の世界を描いた作品だけど、動植物がほぼ完全に生き絶えてて食物生産ができない状況な分こっちの方がずっと条件がキツい。今ある保存食が無くなったら人間は何を食べるのか?読み進めると地獄のような答えがそこに待ち受けている。淡々とした冷静でリアリズムに徹した描写が、その地獄を現実味を帯びた説得力のあるものにしている。 地の文は主観を排した写実的な情景描写がほとんどで、「老人と海」を思い出した。乾いた質感の文体が世界観にマッチしてる。 ただし読点がほぼなく一文が長いため、ちょっと集中力が途切れると状況の把握がしにくい。映画で言うとずっとワンカットで回し撮りしているような文章。会話文もカギカッコが無くわかりづらい。また急に(世界崩壊前の)過去の話が出てきたり夢の話が出てきたりして少し混乱する。章立ても無いので、区切りがつきづらい。 総じて散文のような小説。この父子の旅を実際にワンカットのカメラで追い回しているような感覚になる。 子どもがいる身としては尚更読んでいて辛い、ページをめくる指を止めたくなることが多々ある作品だったけど、この本に出会えて良かったと思う。今後ディストピア小説を読む中でこれを超えるような衝撃作は、ちょっとなかなか出会えないんじゃないか。
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おもしろかったけど、大騒ぎするほどじゃないかなあ。 うろうろしないでじっとしておけよと思うが、それではこの小説が成り立たないものなぁ。
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終末世界を旅する父子の過酷な旅路を静かに描く。 詩的で難解な表現、読点や鍵括弧がほとんどない独特の文体で集中して読まないと目が滑るが、没入感と圧倒的な世界観に引き込まれる。 作中何回か登場する火を運ぶという表現。火は様々なものを象徴する。文化、戦争、希望、情熱… ここでは何だ...
終末世界を旅する父子の過酷な旅路を静かに描く。 詩的で難解な表現、読点や鍵括弧がほとんどない独特の文体で集中して読まないと目が滑るが、没入感と圧倒的な世界観に引き込まれる。 作中何回か登場する火を運ぶという表現。火は様々なものを象徴する。文化、戦争、希望、情熱… ここでは何だったのだろうか。それは恐らく、人類さえ絶えかけている世界で、前に進み続ける執念であり、ある意味場違いな崇高な精神なのかもしれない。 どこか諦念を感じる父と息子の対話に胸が痛い。 親子の愛や絆というより、様々な来るべき「終わり」を見据えた上で人間存在や善を根本的に問う作品だと思う。
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なんだろ、これがピューリツァー賞を獲るはっきりした理由を読み取るだけのSF的読解コードが私に欠けているのかな?色々と既視感満載で、どうしてこれが?との思いが拭えない。 黙示録もの、という括りでいけば、アトウッドの方が深くて痛い。そうではなくて、親子もの、とか、ロードノベルとして...
なんだろ、これがピューリツァー賞を獲るはっきりした理由を読み取るだけのSF的読解コードが私に欠けているのかな?色々と既視感満載で、どうしてこれが?との思いが拭えない。 黙示録もの、という括りでいけば、アトウッドの方が深くて痛い。そうではなくて、親子もの、とか、ロードノベルとして読むには、情緒のうねりもストーリーの起伏もさほどでなし。ラストの甘さも、どうなんだろう、と。 唯一、成功してるなと思えるのは、世界観と文体のマッチング。読点をほとんど打たず、セリフに「」をつけなかった訳者さんの力量に依るところが大きいんじゃないだろうか。
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災害か戦乱かわからないが、人間も動物も植物もほぼ死に絶えた世界で、南を目指して歩き続ける父と息子。道々出会う人々は簒奪者ばかりであり、過酷な旅となる。父は絶望を感じつつも息子を生かすことを最優先し、人殺しも厭わない。息子は倒れた人々に対し優しくあろうとし、食糧や衣服を与えようとす...
災害か戦乱かわからないが、人間も動物も植物もほぼ死に絶えた世界で、南を目指して歩き続ける父と息子。道々出会う人々は簒奪者ばかりであり、過酷な旅となる。父は絶望を感じつつも息子を生かすことを最優先し、人殺しも厭わない。息子は倒れた人々に対し優しくあろうとし、食糧や衣服を与えようとする。ハッピーエンドは期待できないし、その通りに終わったが、父性を強く感じる手応えのあるストーリー。でも最後には母性に救われるんだよなあ。
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空想世界ではなく現実に起きそうな未来がリアルで怖い。 食、性別、人が余裕がなくなった時がより1番怖い。 描写が想像出来てしまう。 その中で親子の絆や純真な少年がこの本の面白さ 命は平等であって平等でない 生き方、命を考えさせられる作品
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全てが美しかった。 文を噛み締めるようにじっくり読み進めた。 希望も絶望もないんだろう。ただ生きるというストーリーがここまで楽しいとは。
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