ザ・ロード の商品レビュー
物語の世界観にはまると一気に読んでしまう。荒廃した世の中が舞台だが、その中で父親と息子の相互愛が一筋の光のように見え、美しく感じられた。
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某ミュージシャンの影響で手にとってみた。圧倒された。 まず、世界観に文体があってる。荒廃した灰色の大地が文章からも想起される。かさついてざらついた、どんより滲む空が延々と続く世界。 暗い澱んだ世界を、ひたすら進む父と息子。息子の存在が、父にとっては「絶望の中にある一筋の希望の光」...
某ミュージシャンの影響で手にとってみた。圧倒された。 まず、世界観に文体があってる。荒廃した灰色の大地が文章からも想起される。かさついてざらついた、どんより滲む空が延々と続く世界。 暗い澱んだ世界を、ひたすら進む父と息子。息子の存在が、父にとっては「絶望の中にある一筋の希望の光」なのだろうなあ。淡々とした会話が、詩のように挟まれるのが印象的。 好みは分かれるだろうし、読むのに気力が必要だけれど、私はとても好きだ。
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あとがきにあるとおりマッドマックス2、北斗の拳のような世界観からするとSFである。 しかし、犯罪が犯罪と定義されないぐらいに荒れ果てた状況下での育てる為に親子関係を描いたストーリー。非常に文学的。 何か爽快な感じはないがズシリと来る作品
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最後の方に差し掛かって帰着駅に着いた僕は駅のベンチに座り込み最後迄読まずに居られんかった。家まで待てなかった。 父親は強風の中、掻き消えそうなろうそくの火のような善という価値観を守り切ったのだと思う。
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天災地変か戦争か、全てが失われて 奪われていく死に絶えた灰色の世界、 息子にヒトとしての良心、理性や、 消え行く神の理想や、善き者の側にとどまろうという 希望を重ね、育み、生きていく父親。 なによりも、生きていくという希望を棄てず。 「渚にて」とは違った形で淡々と重ねられる会話で...
天災地変か戦争か、全てが失われて 奪われていく死に絶えた灰色の世界、 息子にヒトとしての良心、理性や、 消え行く神の理想や、善き者の側にとどまろうという 希望を重ね、育み、生きていく父親。 なによりも、生きていくという希望を棄てず。 「渚にて」とは違った形で淡々と重ねられる会話で 歩んで来た道のり、時間とともに少年の成長が感じられる。 もしかすると新しいものは人以外生み出すことがない世界で 息子は父の姿を追い、善き者として生きていくことができるのか 父の希望や理想は、人の理性は生き延びられるのか。 火を運び続けることができるのだろうか。 火とは何なのだろう。人間性?希望?理性? 私にとって、貴方にとって、それは違うものなのかもしれない。 映画も見てみたい。
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「火を運ぶ者」何度か出てくるこのフレーズに惹かれた。 何かが起きてすべてが灰を被って太陽すら姿を見せないそんな凍えた世界で、父と幼い男の子は温もりを求め、南の海を目指してひたすら歩き続ける。そのシチュエーションだけでも読み手は泣くしかないと思うんだけど。そんな世界でこの親子は「火...
「火を運ぶ者」何度か出てくるこのフレーズに惹かれた。 何かが起きてすべてが灰を被って太陽すら姿を見せないそんな凍えた世界で、父と幼い男の子は温もりを求め、南の海を目指してひたすら歩き続ける。そのシチュエーションだけでも読み手は泣くしかないと思うんだけど。そんな世界でこの親子は「火を運ぶ者たち」と名乗る。少年は「火」がなんなのかはわからないけど自分達は「善い者」だと信じて父と旅を続ける。 「火」っていうのは暖かいもので、輝くもので。人肉食が普通にある世界で、決してこの親子は人は食べず、廃屋で見つけた(誰かが遺した)缶詰を食べて生きるんだけど、少年はそれにさえも疑問を持つ。「ぼくたちがもらってもいいの?」 「火」は父にとって息子だったのかもしれないって思う。ありきたりやけど。少年は父にとってどこまでも純粋な存在で、凍えそうになる心を温める唯一の存在。空を飛べない人間はただひたすらに「道」を歩くしかない。歩き続けた先に何があるのかは誰にもわからないけれど。 いつかまた読み直そう。
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NHKのブックレビューで散々な評価であったが、文庫本で再読(初読は図書館)してみた。 いわゆるロードムービー
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近未来の荒廃した土地をひたすら南に向かう父と少年のロードノベルです。恐ろしい場面が多くて読むのが辛いのですが、父と子の会話が詞のようで美しいです。子連れ狼のSF版です。
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