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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上巻) の商品レビュー

4.1

307件のお客様レビュー

  1. 5つ

    96

  2. 4つ

    113

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

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2024/11/14

村上春樹氏の作品は初めて読んだのだが、淡々としていつつもどこかリズミカルで、独特な比喩に酔いしれることができた。 ファンが多いことにも納得。読んでいてクセになってくる文体だ。本の内容もさることながら、読んでいるだけで心地よい。 上下巻構成のため、上巻のレビューにはあらすじや設定な...

村上春樹氏の作品は初めて読んだのだが、淡々としていつつもどこかリズミカルで、独特な比喩に酔いしれることができた。 ファンが多いことにも納得。読んでいてクセになってくる文体だ。本の内容もさることながら、読んでいるだけで心地よい。 上下巻構成のため、上巻のレビューにはあらすじや設定などを、下巻のレビューには全編通しての感想を書こうと思う。 本作は二つの物語によって構成される小説だ。 『世界の終り』はファンタジー作品、『ハードボイルド・ワンダーランド』はSF作品を彷彿とさせる世界観。この物語たちが章を跨ぐたび交互に展開されていく、一風変わった小説となっている。 『世界の終り』は壁に囲まれた小さな街に移住してきた男性・「僕」の物語。 黄金の一角獣が街中を闊歩し、自身の影が切り離されるといった摩訶不思議な体験をしながらも、「僕」は徐々に街の生活に馴染んでいく。やがて彼に与えられた役割は「夢読み」と呼ばれる、獣の頭蓋から記憶を読み取る仕事だった。 「僕」は一体誰なのか。この街は一体なんなのか。読者も彼の視点で謎を追っていくことになる。 どうだろう。いかにも胸躍る設定ではないだろうか。 ファンタジー風の世界観ながらも派手さはなく、文章に漂う雰囲気はどこか静謐で神秘的。終盤に差し掛かる辺りで街には冬が訪れるのだが、美しくも残酷な季節の描写には感嘆のため息が出てしまう。 一方、『ハードボイルド・ワンダーランド』では計算士という職業に就く男性・「私」の目線で進む。こちらは『世界の終り』とは打って変わって、現代人としての営みや組織間の抗争などが描かれる。 特殊な訓練を積んだ人間である計算士は、脳内で数値を別の数値に変換することが可能で、研究データなどを秘匿するのに重宝される存在だ。現代で言うところの「暗号化」を行う仕事といって差し支えないだろう。 「私」は計算士を派遣する組織に所属している壮年の男性。達観しておりドライな性格なのだが、掴めないユーモアさやどことなく天然気質な部分がとても魅力的。彼がピンチになるたびにクスッと笑ってしまったのは私だけではないだろう。 二つの世界は一見交わることがないように思えるのだが、中盤に差し掛かる辺りでとある共通点が見え始め、上巻終盤では物語は思わぬ方向へ。下巻へ続くラストでは、ここで終わるの!? と思わず声を上げてしまった。時間を置かずに下巻も読み始めたい。

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2024/10/07

「僕」と一緒にダニーボーイを 「私」と一緒にボブディランを 聴きながら幸せな読書時間 図書室で ダニーボーイの音が蘇るシーンでは 涙が出ました パラレル、SF、ホラー・・・ あらゆる要素がギュッと凝縮された 最高の一冊でした

Posted byブクログ

2024/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 僕がいる「世界の終わり」と私がいる「ハードボイルド・ワンダーランド」。この2人の主人公を軸に物語は進んでいく。世界の終わりとは、街が壁で囲まれて、壁の外に出ることができない閉鎖的な場所で、ファンタジーな世界観である。一方でハードボイルド・ワンダーランドとは、現実の世界であるが、ある人物との出会いによって、主人公である私の運命どころかこの世界の命運を左右してしまうほどの、重大な事件に巻き込まれてしまう。

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2024/09/30

ザ村上春樹ワールド。 今まで村上春樹さんの作品は何作か読んできたけれど、"?"と思うものもあって、この作品はどうかなーと思って読み進めたら、予想以上に面白かったです。 いいところで終わって、これは下巻を読むしかない!と思わせてくれます。 「ハードボイルド」と「...

ザ村上春樹ワールド。 今まで村上春樹さんの作品は何作か読んできたけれど、"?"と思うものもあって、この作品はどうかなーと思って読み進めたら、予想以上に面白かったです。 いいところで終わって、これは下巻を読むしかない!と思わせてくれます。 「ハードボイルド」と「世界の終わり」が繋がっているのか、いないのか、繋がっているならどう繋がっているのか、続きがとても気になります。

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2024/09/23

著者の新作を読むにあたって、本書との関連があるとのことだったので読み返してみる。 昔その独特の言葉遣いが苦手だった作者の作品だけに、全く記憶に残っていないから新鮮。ファンタジー世界っぽい現実の世界と完全な虚構世界が交互に描かれてバラード+ディック的な印象。認識から意識、心の関係を...

著者の新作を読むにあたって、本書との関連があるとのことだったので読み返してみる。 昔その独特の言葉遣いが苦手だった作者の作品だけに、全く記憶に残っていないから新鮮。ファンタジー世界っぽい現実の世界と完全な虚構世界が交互に描かれてバラード+ディック的な印象。認識から意識、心の関係を題材にした作品で全身ピンクの太った美人など何かを象徴しているようないないような印象的な素材が緻密に書き込まれていてシュール・リアリズムの絵画のよう。こういうの好き(いまさら?!)

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2024/09/07

読んでみるとあっという間だった。今回の話は話の構造はうまく理解しながら追っていけたと思う。登場人物の関係図や二つの世界がどう関係しているのかなどを考えながら読み進めるのは面白かった。相変わらずクスッと笑える比喩表現は良い ラストは意外ではあったが、後々思い返してみるとなるべくして...

読んでみるとあっという間だった。今回の話は話の構造はうまく理解しながら追っていけたと思う。登場人物の関係図や二つの世界がどう関係しているのかなどを考えながら読み進めるのは面白かった。相変わらずクスッと笑える比喩表現は良い ラストは意外ではあったが、後々思い返してみるとなるべくしてなった結果だと思う

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2024/08/31

ファンタジックな世界観になかなか入り込めなくて前半は四苦八苦したけれど、世界観に慣れると面白い作品でした。 二つの世界の話が交互に語られていて、後半はテンポよくストーリーが進むので、曖昧で分かりづらい設定のわりに引き込まれた感じはあった。 下巻の展開に期待。

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2024/10/13

ファンタジーだけれど静寂感が漂っている不思議な物語。比較的現代に近いと思われる世界“ハードボイルドワンダーランド”と、空想なのか現実なのか見分けがつかないもう一つの世界“世界の終り”の間を行き来する形で展開される。予想できないストーリーの中で徐々に交わる二つの世界の行方がとても気...

ファンタジーだけれど静寂感が漂っている不思議な物語。比較的現代に近いと思われる世界“ハードボイルドワンダーランド”と、空想なのか現実なのか見分けがつかないもう一つの世界“世界の終り”の間を行き来する形で展開される。予想できないストーリーの中で徐々に交わる二つの世界の行方がとても気になる。

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2024/08/11

久々に読み返した。 私が村上ワールドの沼に足を踏み入れる きっかけとなった本。 高校生の頃読んだ「色彩を持たない〜」が 私にとっての初村上春樹作品だったのですが、 当時は刺さらずというか内容が大人すぎて ハマらなかったので苦手意識を持っていました。 引っ越しする前に先輩から 「現...

久々に読み返した。 私が村上ワールドの沼に足を踏み入れる きっかけとなった本。 高校生の頃読んだ「色彩を持たない〜」が 私にとっての初村上春樹作品だったのですが、 当時は刺さらずというか内容が大人すぎて ハマらなかったので苦手意識を持っていました。 引っ越しする前に先輩から 「現実逃避したくなったら読んで」 と上下巻を頂いて読んだのが2年前。 社会人になり数年経ってあの頃よりは 人生経験を積んだからなのか、 ハマった。すごく面白い。 なんていうか、 村上ワールドは現実世界と異世界の境界線 みたいなところに位置していると思っていて、 先輩の言う通り現実逃避にちょうど良い。 部屋がめちゃくちゃに荒らされた上に 身に危険が迫っていても、 ウィスキー片手に本が読めるくらい 冷静に物事を判断する主人公が好きです。笑 今回は部屋を荒らしに来たちびに対しての いじりに笑ってしまった。

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2024/06/23

「街とその~」を読み終えてからのこちら。世界観はそのままですが、壁も街も全く同じではないのかもしれない。地下や暗闇はこちらも不安になる程の描写でした。

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