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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上巻) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2010/04/01 |
JAN | 9784101001579 |
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上巻)
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商品レビュー
4.1
307件のお客様レビュー
村上春樹氏の作品は初めて読んだのだが、淡々としていつつもどこかリズミカルで、独特な比喩に酔いしれることができた。 ファンが多いことにも納得。読んでいてクセになってくる文体だ。本の内容もさることながら、読んでいるだけで心地よい。 上下巻構成のため、上巻のレビューにはあらすじや設定な...
村上春樹氏の作品は初めて読んだのだが、淡々としていつつもどこかリズミカルで、独特な比喩に酔いしれることができた。 ファンが多いことにも納得。読んでいてクセになってくる文体だ。本の内容もさることながら、読んでいるだけで心地よい。 上下巻構成のため、上巻のレビューにはあらすじや設定などを、下巻のレビューには全編通しての感想を書こうと思う。 本作は二つの物語によって構成される小説だ。 『世界の終り』はファンタジー作品、『ハードボイルド・ワンダーランド』はSF作品を彷彿とさせる世界観。この物語たちが章を跨ぐたび交互に展開されていく、一風変わった小説となっている。 『世界の終り』は壁に囲まれた小さな街に移住してきた男性・「僕」の物語。 黄金の一角獣が街中を闊歩し、自身の影が切り離されるといった摩訶不思議な体験をしながらも、「僕」は徐々に街の生活に馴染んでいく。やがて彼に与えられた役割は「夢読み」と呼ばれる、獣の頭蓋から記憶を読み取る仕事だった。 「僕」は一体誰なのか。この街は一体なんなのか。読者も彼の視点で謎を追っていくことになる。 どうだろう。いかにも胸躍る設定ではないだろうか。 ファンタジー風の世界観ながらも派手さはなく、文章に漂う雰囲気はどこか静謐で神秘的。終盤に差し掛かる辺りで街には冬が訪れるのだが、美しくも残酷な季節の描写には感嘆のため息が出てしまう。 一方、『ハードボイルド・ワンダーランド』では計算士という職業に就く男性・「私」の目線で進む。こちらは『世界の終り』とは打って変わって、現代人としての営みや組織間の抗争などが描かれる。 特殊な訓練を積んだ人間である計算士は、脳内で数値を別の数値に変換することが可能で、研究データなどを秘匿するのに重宝される存在だ。現代で言うところの「暗号化」を行う仕事といって差し支えないだろう。 「私」は計算士を派遣する組織に所属している壮年の男性。達観しておりドライな性格なのだが、掴めないユーモアさやどことなく天然気質な部分がとても魅力的。彼がピンチになるたびにクスッと笑ってしまったのは私だけではないだろう。 二つの世界は一見交わることがないように思えるのだが、中盤に差し掛かる辺りでとある共通点が見え始め、上巻終盤では物語は思わぬ方向へ。下巻へ続くラストでは、ここで終わるの!? と思わず声を上げてしまった。時間を置かずに下巻も読み始めたい。
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「僕」と一緒にダニーボーイを 「私」と一緒にボブディランを 聴きながら幸せな読書時間 図書室で ダニーボーイの音が蘇るシーンでは 涙が出ました パラレル、SF、ホラー・・・ あらゆる要素がギュッと凝縮された 最高の一冊でした
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
僕がいる「世界の終わり」と私がいる「ハードボイルド・ワンダーランド」。この2人の主人公を軸に物語は進んでいく。世界の終わりとは、街が壁で囲まれて、壁の外に出ることができない閉鎖的な場所で、ファンタジーな世界観である。一方でハードボイルド・ワンダーランドとは、現実の世界であるが、ある人物との出会いによって、主人公である私の運命どころかこの世界の命運を左右してしまうほどの、重大な事件に巻き込まれてしまう。
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