六つの星星 の商品レビュー
自分が今この形になっているのが心地よい、自分の編成が話している相手によって変わる、でも変わりきれない余りがある話が好きだった。 うれぱみん。
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六つの星星 (和書)2010年06月06日 22:51 川上 未映子 文藝春秋 2010年3月25日 言葉のやりとりが興味深く感じた。 対話者もいい。 読んでみたい本が増えた。特に多和田葉子の作品は読んでいないので是非読みたい。 『ヘブン』は予約してあるから楽しみ。
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・女性性の本質は存在しない。結局それは身体性に行き着く。身体性=女性の無根拠性。これが精神分析のロジック。(斉藤環) ・生物には固定した「輪郭」がない。人間も蚊柱みたいなもの。壊れながら秩序を保つ。ミミズにも自我がある。(福岡伸一) ・「ワンダーとシンパシー」。「社会性を持った共感の言葉」を発することができない。神様の初期設定の中で人間の生が終わってしまうことに抗いたいからこそ、最高のものが見たい。(穂村弘) ・頭=理屈、身体=その他ではなく、頭以上に複雑な思考回路が身体である。形而上と形而下ではなく「形而中」、絶対にありえない場所に立ち、書くこと・読むことの不可能性を意識しながら書く。(多和田葉子) ・死刑や殺人は重いが、それが最終という点に疑問。人間がみんな生きたい、楽しく生きたいって思っている前提がなければ成り立たない理論。抽象的で超越的な罰を与えるべき?手の内を見せない神が死んでしまった現状では、手の打ちようがない。猫は人間社会に属してないから何を言ってもよい。(永井均)
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川上未映子の対談集 7年程度の前のものなので現状とは異なり(出産した?)現況の気持ちは変化したのでは?感あるが、作品創作のこと、目指すもの等が彼女なりの個性(感性」に基づいていることがよくわかる。特にひらがなの使用が目での印象によるとの指摘(音ではなく)はその感性に興味(好感?)...
川上未映子の対談集 7年程度の前のものなので現状とは異なり(出産した?)現況の気持ちは変化したのでは?感あるが、作品創作のこと、目指すもの等が彼女なりの個性(感性」に基づいていることがよくわかる。特にひらがなの使用が目での印象によるとの指摘(音ではなく)はその感性に興味(好感?)が持てた。できれば今時点での対談時との感性の異なった部分(変化した部分)を書いてほしい。
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5人の学者さん達との対談集。著者の勉強熱心さが伺える。著者の思想が垣間見えられて、初期作品のガイドブック的な役割にも位置する本。
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川上未映子さんの対談集。 すごく面白かった。 対談を読むといつも感動するのは、向かい合って(きっと)話している2人が同じ言葉を共有して通じ合っていることの不思議。 そして、いつも話しているはずの日本語なのに、私にはその言葉のほんの一部しか分かった気にもなれないということ。 それ...
川上未映子さんの対談集。 すごく面白かった。 対談を読むといつも感動するのは、向かい合って(きっと)話している2人が同じ言葉を共有して通じ合っていることの不思議。 そして、いつも話しているはずの日本語なのに、私にはその言葉のほんの一部しか分かった気にもなれないということ。 それにも関わらず、交わされる言葉にドキドキする不思議。 本当に面白いなぁと思う。 特に、福岡伸一さんと穂村弘さんとの対談が良かった。 人間は蚊柱に過ぎないという話。 神様の初期設定に抗いたいという話。 考えたこともないような新しい視点を覗けたような気がした。 残念だったのは『ヘブン』が未読だったので、永井均さんとの2つめの対談がちゃんと楽しめなかったこと。 『ヘブン』を読んでからもう一度読みたい。
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川上さんと各界の著名人の対談をまとめた本。難しくて理解できないのもあったけど、この本を読んで松浦理英子の本に興味が出てきたので読んでみたいと思います!
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著者が読んできた作品を読んでみたいとおもった、そういう連なりを辿ることができる作家は興味深い。 「ものを考える・考える」ということがキーワードなのかもしれない。
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各界の著名人と未映子さんとの対談集。 表紙とタイトル、とても良いです。シンプルだけど、それが良い。対話された方々を星に喩えて「六つの星星」ということで良いのかな。 彼女の作品に関する内容も勿論あるので、より楽しみたい方は既刊の「わたくし率~」「ヘヴン」「乳と卵」「先端で~」あたりを読んでおくと良いのかもしれない。 ちなみにわたしは上記の作品はどれも未読ですが、十分に楽しめました。 哲学的、生物学的なことはすべてを理解するのって難しいと思うけど、なんとなく指先で各分野に触れることが出来たような気持ちになる。 自身の身体に対する感情が、男女で違うかどうかなんて考えたこともなかったし、どんどん透明になってしまう男性の身体とか、男性と性器の関係性も突き詰めて考えると、他者との共存、ということになるんですかね。 それから「完璧な本」に対する未映子さんの思いだったり、死に向かって生きている矛盾の残酷さ、そこに向かう線上ではなくて「点でいたい」という欲望、言葉の持つ最大の制約と最大の自由の話、とにかくどの章も濃厚な対話で満ちていて、交わされた言葉のすべてが文学として成立している素晴らしい一冊。
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川上未映子が敬愛する様々な分野の著名人との対話集。 どれもおもしろい! こんなに分野の違う方や作風の違う作家の方々との交わりの中で見える未映子節がとてもよかった。 一番好きなのは個人的に好きでもあった福岡さんとの対話。 生命と文学。動きというものをとおしてみる世界はやはり素敵だ...
川上未映子が敬愛する様々な分野の著名人との対話集。 どれもおもしろい! こんなに分野の違う方や作風の違う作家の方々との交わりの中で見える未映子節がとてもよかった。 一番好きなのは個人的に好きでもあった福岡さんとの対話。 生命と文学。動きというものをとおしてみる世界はやはり素敵だと思った。 最後の永井さんとの哲学対話はかなり難しかった。 何回か読んだけどわかったようなわからないような…。 でも、「ヘヴン」についての熱い語りはとても面白かった。 もう一度読み返そうと思った。
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