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六つの星星 の商品レビュー

3.6

34件のお客様レビュー

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2011/10/30

「からだ・ことば・はざま」と題された、多和田葉子との対談が面白い。漢字の「以」を初めて見たときに、ものすごい力の間に何かが浮かんでいるイメージ、たまらなく運動中みたいな感じがあって、この字を好きになった、というところや、「身体と頭のふたつに分けたくない気持ち、形而上、形而下と分け...

「からだ・ことば・はざま」と題された、多和田葉子との対談が面白い。漢字の「以」を初めて見たときに、ものすごい力の間に何かが浮かんでいるイメージ、たまらなく運動中みたいな感じがあって、この字を好きになった、というところや、「身体と頭のふたつに分けたくない気持ち、形而上、形而下と分けるのではなく、その真ん中の混ぜ混ぜになった形而中を私たちはどうやっても生きているんじゃないかという思いがあるんですね」というところ。言葉、文字、読み、リズム、意味、いろいろなものを組み合わせて、あれこれ実験しているようなところが、川上未映子の書くものの魅力。

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2011/10/10

学校の下手な授業を聞くよりもこの対談読んだ方が為になる気がしてきた(笑)その位高レベルの話をしている。六人の対談のどの話も面白かったけど、一番齋藤環さんとの対談が良かった。自分の体に「他者性」を感じるのは女性だけなんだ~とか、勉強になる部分、共感できる部分がすごく多かったな。 一...

学校の下手な授業を聞くよりもこの対談読んだ方が為になる気がしてきた(笑)その位高レベルの話をしている。六人の対談のどの話も面白かったけど、一番齋藤環さんとの対談が良かった。自分の体に「他者性」を感じるのは女性だけなんだ~とか、勉強になる部分、共感できる部分がすごく多かったな。 一昨年くらいから川上さんの作品にハマって、出版された作品はほぼ読んできたけど、この人の作品を読んで世界の見え方とか物の感じ方とか、明らかに変わりました。(今までどれだけ貧困な感性しか持ち合わせてなかったのか…笑) またこういった対談集出して欲しいです!

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2011/09/01

川上未映子氏と、ジャンルを問わない六人の著名な方の対談集。医学、科学、文学、哲学…と、様々なジャンルの人との対談が収められています。 川上氏本人が完全にインタビュアーになっているものと、逆に多くを語っているものとがあり、立場をわきまえながらも飽くなき探究心を持っている人なんだなと...

川上未映子氏と、ジャンルを問わない六人の著名な方の対談集。医学、科学、文学、哲学…と、様々なジャンルの人との対談が収められています。 川上氏本人が完全にインタビュアーになっているものと、逆に多くを語っているものとがあり、立場をわきまえながらも飽くなき探究心を持っている人なんだなと感じさせられる対談集でした。 哲学についてはわたしは知識が浅いのでちょっと勉強したくなりました。

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2011/07/19

難しかった。 特に、多和田さんと永井さんとの対談は、自分の知識・知能の低さをまざまざと感じさせられた。 そんな私でも、福岡さんとの生物話や、他のところどころでやっぱり川上未映子と近い部分があって、そういうフレーズにはぐっときた。

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2011/08/29

この人面白いなあと思ったきっかけとなる本。 理屈を頭の中で巡らせるのが好きな人なのだろうか?あとドラえもん好きのエピソードがいい。

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2011/05/23

「書くことが思考することになり、それを読むことが思考することになる数少ない作家の1人だと僕が思っている川上未映子」の対談集。相手は、斎藤環、福岡伸一、松浦理英子、穂村弘、多和田葉子、永井均、とキラキラしていて豪華。もともと(たまたま)、彼らの著作を愛読していた僕にとっての目新しい...

「書くことが思考することになり、それを読むことが思考することになる数少ない作家の1人だと僕が思っている川上未映子」の対談集。相手は、斎藤環、福岡伸一、松浦理英子、穂村弘、多和田葉子、永井均、とキラキラしていて豪華。もともと(たまたま)、彼らの著作を愛読していた僕にとっての目新しい展開はなかったけれど、そうはいっても「人とこんな話しが出来るなんて羨ましい」と思わせる踏み込んだ意識の交換になっていて、丁寧な校正により、各氏が抱える命題のダイジェストとしてもよくまとまっている。ハイティーンだった僕に読書の楽しさを教えてくれたのは永井均と野矢茂樹の本で、ホールデン・コールフィールドの言う「作者に電話をかけたくなるような気分」だったこと、穂村弘の短歌集をガールフレンドと夢中で分け合った7月の相鉄線などを思い出しつつ読んだ。今の僕は、多和田葉子の項に最も惹かれた。

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2011/05/09

不遜だと思われるかもしれないが、川上未映子の書くこと、あるいはそれに追随する書くことについて考えること、その向き合いかたというか扱い方が、自分と同じような匂いに包まれている。考えること、感じること、世界に感じる疑問符。そういうことへの手がかりになる一冊。永井先生やっぱり素敵。未映...

不遜だと思われるかもしれないが、川上未映子の書くこと、あるいはそれに追随する書くことについて考えること、その向き合いかたというか扱い方が、自分と同じような匂いに包まれている。考えること、感じること、世界に感じる疑問符。そういうことへの手がかりになる一冊。永井先生やっぱり素敵。未映子さん、やっぱり変な人。

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2011/03/21

「雪は溶け、水になった。それはわかろ。しかし雪の白さはどこへ行ってしまったのだろう」 十代のころ、たしかシェイクスピアだったと思うんだけど、そんなような一文を読んだときに、おお、そうだ、とても怖くて、とても全部で、とてもとても知りたいことはきっとその白さについてなんだ、とはっきり...

「雪は溶け、水になった。それはわかろ。しかし雪の白さはどこへ行ってしまったのだろう」 十代のころ、たしかシェイクスピアだったと思うんだけど、そんなような一文を読んだときに、おお、そうだ、とても怖くて、とても全部で、とてもとても知りたいことはきっとその白さについてなんだ、とはっきり感じたことを覚えています。

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2011/03/08

頭を使う非常に難しい内容。 川上さんと、生物学者、哲学者、精神科医、作家、歌人。。などの方々との対談。 「生物と無生物のあいだ」で有名な福岡先生とのコラボが面白かったです。 人間という生命体を蚊柱に見立てて全て納得のいく説明ができることにちょっと感動を覚えました。 哲学関係...

頭を使う非常に難しい内容。 川上さんと、生物学者、哲学者、精神科医、作家、歌人。。などの方々との対談。 「生物と無生物のあいだ」で有名な福岡先生とのコラボが面白かったです。 人間という生命体を蚊柱に見立てて全て納得のいく説明ができることにちょっと感動を覚えました。 哲学関係はまったくわかりませんでした。アガペー?ニーチェ?カント?さっぱりw とにかく川上さんの病的な言葉へのこだわりには脱帽!! 「ヘヴン」をどう読むか、も興味深かった、読み直そうかな。

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2011/03/05

この対談集には私の知りたいこと、興味のあること、ことばであらわして欲しいと思っていたことがものの見事に収められており、もしその欲求が埋まったことの無い凹とするのなら、この対談集はそれを埋めるための凸であり、重なりあって結合することにより「口」となったような錯覚を抱かされる。そうい...

この対談集には私の知りたいこと、興味のあること、ことばであらわして欲しいと思っていたことがものの見事に収められており、もしその欲求が埋まったことの無い凹とするのなら、この対談集はそれを埋めるための凸であり、重なりあって結合することにより「口」となったような錯覚を抱かされる。そういうピンポイントについてくる本って早々ないわけで、自分にとっては素晴らしい良書なのだと思った。哲学、生物学、文学、ことば、精神分析。それらに突き刺す川上未映子の思考が鋭角にて痛快。

Posted byブクログ