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天国旅行 の商品レビュー

3.6

254件のお客様レビュー

  1. 5つ

    25

  2. 4つ

    94

  3. 3つ

    95

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

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2014/05/05

心中がテーマの短編集。 話は全部で7つですが、一番最初の「森の奥」と一番最後の「SINK」が好き。 「森の奥」 ちょっとしたきっかけで生きるのがイヤになっちゃった中年男の明男。 樹海までいって首を吊ったのにヒモがゆるんでそれも敵わず。 その失敗をたまたま通りがかった自衛隊の演...

心中がテーマの短編集。 話は全部で7つですが、一番最初の「森の奥」と一番最後の「SINK」が好き。 「森の奥」 ちょっとしたきっかけで生きるのがイヤになっちゃった中年男の明男。 樹海までいって首を吊ったのにヒモがゆるんでそれも敵わず。 その失敗をたまたま通りがかった自衛隊の演習中の男に見られて・・・  ⇒自殺しにきたわりにけっこううろたえるし、冷静だし・・・   自衛官だといいながらどこか不審な男に怯えてる明男がなんか面白いです。 「SINK」 一家心中の生き残り、重森悦也。 悦也が幼い頃に両親と弟と一緒に車で海にダイブして・・・海に落ちた車の中で生きることを諦めた父は運転席でボンヤリし、弟は母親にしがみついていて、 悦也も母にしがみつこうとしたときに、いきなり母につきとばされます。 母は窓を必死に叩き始め、割れたガラスから外へと泳ぎ出た悦也。 冷たい手で足首をつかまれたことも鮮明に覚えていて・・・ この記憶が頭から離れず、30を過ぎても誰とも恋愛することができないまま生きてきた悦也ですが・・・  ⇒ラスト2ページ読んで号泣した。   真実は誰にもわからないのですが・・・きっと、   きっとそうにちがいないと思いたい。 三浦さんの著書にはたまにこういうテイストの作品がある。 「光」が大好きな私にとって「SINK」はまさにツボ(笑) 昏い話なんですが、救いがあるようなような感じがいいのかな?

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2014/04/30

いろいろな形の「心中」がある。 樹海で自殺しようとする中年男、駆け落ち同然で連れ添った夫婦、老女の初盆に現れた不思議な客、前世の記憶と現世が曖昧な女、いつの間にか幽霊になっていた彼女、一家心中の生き残り。 「遺言」と「星くずドライブ」が好きでした。 死に瀕したとき、人は取り繕...

いろいろな形の「心中」がある。 樹海で自殺しようとする中年男、駆け落ち同然で連れ添った夫婦、老女の初盆に現れた不思議な客、前世の記憶と現世が曖昧な女、いつの間にか幽霊になっていた彼女、一家心中の生き残り。 「遺言」と「星くずドライブ」が好きでした。 死に瀕したとき、人は取り繕わない素の自分に戻るというけれど、やっぱりその瞬間は怖いのかな。

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2014/03/22

『心中』をテーマに書かれた作品集。 三浦しをんに悲しみを含む物語を書かせたら、右に出る者はいないんではないか、と思うくらい、作者の文章のタッチが好きだ。 『遺言』と『初盆の客』の自分語りの口調の作品は、どうも読みにくい。が、他の作品はとても良かった。みんな、みんな生きろ。

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2018/12/14
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死にまつわる短編集。 「君が夜」にひきつけられた。 【2015.4再読】 「遺書」が良い。 前回読んだのは約1年前。この1年間は1日1冊本を読んだ。 好みが変わったかな。 今回は「君が夜」は、まぁまぁ。 【2018.12再読】 「遺書」と「SINK」が良い。 前回読んでからずっと本を読み続けているし、自分でも短い話を書くようになった。 言葉の抽出が素敵。

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2013/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心中をテーマにした7つの短編。 自殺するために行った青木ヶ原樹海で出会った青年と、心中のつもりが救われてしまったとき。 あのとき死んでおけばよかったと、大恋愛の末に結婚した妻にことあるごとに言われる夫の本音の遺言。 ウメおばあさんの初盆でやってきた男の正体と運命。 現実と夢の区別があやふやになり、二つの世界は必ずつながりがあると信じた結果。 優秀だった先輩が焼身自殺をし、彼女であった初音と真実を突き止めようとしたのか、利用されたのか曖昧になってしまった何もかものあと。 轢き逃げされ遺体なく亡くなってしまい幽霊になってあらわれた恋人とずっと一緒の日々。 一家心中の生き残りが自分のこれからの人生にわずかな希望を見出したとき。 全部おもしれ〜! 著者の本は楽しいね。 樹海で出会った男はどこにいってしまったんだろう。まほろ駅前便利屋にでてきそうなキャラだった。 どの話も思わず続きが気になったり想像が膨らんでしまったり 心中といっても生きながらにしての心中とか、いろんな意味があるね)^o^(

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2013/11/05

☆3.6 「天国旅行」っていうなんか明るそうなタイトルから、勝手にいつもみたいなおバカなエッセイなんだろうなと思っていたら「心中」をテーマにした短編集でした。色んな形の心中があるのね。共に死ぬということ。心が一緒、体が一緒、望んだり望まなかったり、いつの間にかそうなったり。 私は...

☆3.6 「天国旅行」っていうなんか明るそうなタイトルから、勝手にいつもみたいなおバカなエッセイなんだろうなと思っていたら「心中」をテーマにした短編集でした。色んな形の心中があるのね。共に死ぬということ。心が一緒、体が一緒、望んだり望まなかったり、いつの間にかそうなったり。 私は誰かと心中したい。 あなたは誰かと心中したい?

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2013/10/15

本屋で一話目を立ち読みして面白かったので続きを読んでみた。どれも面白かった。死に臨む人の感じる生はどこか闇のようでもあり光のようでもある。繊細で魅惑的な物語でした。 あの時途絶えてしまっていた人生と、なんとなしに生き続けている人生と、どちらが幸福だったのだろう。

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2013/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心中をテーマにした、7つの短編集。 ・森の奥 自殺志望の中年男、富山明男は、死ぬ気で樹海に入り、ロープで首をくくるが、失敗する。そこへ現れた不思議な青年とは? ・遺言 長年連れ添った妻の「あの時死んでおけばよかった」という言葉。妻の言う「あの時」とは、いつのことなのか?夫には思い当たる「あの時」が3つあった。 ・初盆の客 ウメおばあさんの初盆にやってきた、不思議なお客さんの話。 ・君は夜 理紗は、幼いころからよく不思議な夢を見ていた。夢の中ではお吉と呼ばれ、小平という男と暮らしていた。貧しいが幸せだったが、貧しさゆえに一緒に死のうとするところで目が覚める。 ・炎 毎朝同じバスに乗っている同じ学校の先輩に、密かにあこがれていたが、先輩は同じクラスの美人と付き合っていた。夏休みの最後の日、先輩は焼身自殺をしてしまう。 ・星屑ドライブ いつものようにアパートへやってきた彼女の香那。しかし香那はこのときすでに亡くなっていたことに僕はしばらく気がつかなかった。僕には見えていたから。 ・SINK 子供のころ、家族が無理心中をした。僕はそのたった一人の生き残りだった。殺されかけた僕の記憶。それは真実なのか?あの時の母の手の意味は?

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2014/06/23

そこへ行けば、救われるのか。富士の樹海に現れた男の導き、死んだ彼女と暮らす若者の迷い、命懸けで結ばれた相手への遺言、前世を信じる女の黒い夢、一家心中で生き残った男の記憶…光と望みを探る七つの傑作短篇。 「BOOK」データベース より ◆短編集それぞれを一行で表現すると… 言い訳...

そこへ行けば、救われるのか。富士の樹海に現れた男の導き、死んだ彼女と暮らす若者の迷い、命懸けで結ばれた相手への遺言、前世を信じる女の黒い夢、一家心中で生き残った男の記憶…光と望みを探る七つの傑作短篇。 「BOOK」データベース より ◆短編集それぞれを一行で表現すると… 言い訳できる人は、死なないものだ. 変わる心と変わらない心、分かれ道はどこにあるのだろう. 深い情と死者がつなぐ恋. 妄想の恋、身の破滅. 真実は闇の中.黒なのか白なのか. 残る想い、一緒にいるがゆえのやるせない想い. 消したい記憶、向き合う心.

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2013/09/23

「心中」がテーマの短編集。 生と死の境目があやふやに描かれている印象。それ故に読後にジワジワと現実感が迫ってくる。 2013.9.23読了

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