天国旅行 の商品レビュー

三浦しをん【著】

2015/02/23

心中をテーマにした短編集。必ずしも一緒に死ぬお話ではなくて、助けられたり、一緒に死のうと言った過去を振り返ったり、時が流れてからの後追い心中？だったり。救いようの無いもの一つ、ミステリーのようなもの一つを除けば私としては未来を感じられたので余り苦手は感じませんでした。しをんさんの表現の深さ、多彩さは作品を重ねるごとに唸るばかりです。「遺言」のラストは涙が滲みました。私も同じ事を夫に伝えたい。もう少し先になりそうですが…。

2014/12/31

「心中」をテーマにした短編集。
人が亡くなると、その人に対する感情がそのまま継続して永遠に続くような気がします。
それが、美しくもあり、恐ろしくもあるような感じがしました。

2014/12/29

死と生、この世とあの世の狭間にあって浮き彫りにされる人間の心の闇と光を描いた短編集。生はそもそも、死の反対ではなく、内包しているものなのではないだろうか？読後、そういった意味で人生観が変わるような気がする。

2014/11/30

「新しい物語を紡いでもいいのかもしれない。これからも生きのびるために。記憶を消すことができないのなら、せめて都合良く改竄してみるのもいいかもしれない。」
生きのびるために。

2015/07/06

「心中」がテーマの短編集。普通なら「重…」と思うテーマだけど、三浦しをんなのでそんなに深刻でもなく読みやすかった。ていうか、ストレートな心中のお話しでもないからか？重苦しさよりも切なさの方が胸に残るお話ばかりだった。個人的には「初盆の客」とか好きだな。「ＳＩＮＫ」は道尾秀介っぽい感じがした。

2014/08/12

巻末に「心中」を共通のテーマにした短編集と記してある。直接心中がテーマのもの、話の過程で心中が出てくるもの、心中に見せかけた殺人、心中といえば言えなくもないそんな話が7編。テーマがテーマだけに愉快な話はない。「遺言」がまだましな読後感であった。

2014/07/21

2010/05/13

「心中」がテーマの短編集。
心中の王道といえば曽根崎心中ですがー
ああいう王道っていうか、直球の心中とはまた一味違う、三浦しをんお得意の「ちょっと変わった」心中ばかり。

「遺言」
「君は夜」
が好きだな。

「君は夜」
真実はどうだったのかな・・・
心中するつもりはなかったんだろう、なー
運命のひと、って。
夜を愛しすぎて疲れ果てて・・・かなしい。

「星くずドライブ」ってタイトルがめっちゃいい。
でもちょっとかなしくてあたたかくてつめたくて
すきだとは言いがたい読後感だった。
すき、っていう感情のあやふやさ。っていうか。
アクセルを踏み込むことはできる。でも、しない。

「炎」
なんかこわい。

「森の奥」
青木君は、きっと役に立ちたかったんだと思う。陳腐な考えかな。

「初盆の客」
ふつうにいい話だよね。

「ＳＩＮＫ」
書き出しがすきだ。彼岸花に似た軌跡で散る火花。

「遺言」
だいすき。
永遠に実行されない心中。
なんて壮絶な愛の言葉！

　太陽のように白いボールは、きみから放たれた輝く矢となって、いまも深々と私の胸に刺さったままだ。
　焼いたらきっと、あの日私が目にしたままの姿で恋の矢が出てくるだろうから、お骨のあいだを探してごらん。
　砕いてきれいな首飾りにしても、夜空へ放って星を増やしても、失われたきみの歯のかわりに歯茎に埋めこんでも、好きに使ってかまわない。
　私のすべてはきみのものだ。きみとすごした長い年月も、私の生も死も、すべて。

2014/06/03

心中をテーマにした短編集。
『森の奥』青木ヶ原の樹海で首吊り自殺に失敗した中年男性と男の話。
『遺言』年老いた小説家の妻への馴れ初めから始まるラブレター。
『新盆の客』祖母の新盆に現れた祖母の孫と名乗る男の話。を語る孫娘の不思議語り。前夫と夫を等しく愛し、その縁は孫娘の縁に…☆
『君は夜』幼い時から夢の中で夫婦として男に尽くす人生を生きる女。
『炎』焼身自殺した高校の先輩の死因を、先輩の元恋人と探す凡庸な私は、彼女に使い捨ての都合のいい共犯者役にされただけたったんだろうか？
『星くずドライブ』死んでからずっと僕の側にいる彼女。会話をして一緒に暮しながら彼女には触れられない…。閉塞感。
『SINK』一家心中の生き残りの自分は、なんやかんやと心配してくれる幼馴染の友人の親切の中の哀れみや暗い偽善的満足感を感じている。あの日海に沈む車の中で、自分の足を掴んだ母親の手を振りほどいた。あの手はもし自分を押し出す為に掴まれたのだとしたら？

2014/05/22

暗い。
短編だからよかったようなものの、
全部が心中関連のお話だから、なにせ読んでて苦しかった…
三浦しをんってほんといろいろな作風があるのね。

2014/05/16

私が三浦しをん氏に求めるものではないんだよなといった感じ。
湊かなえ氏に求めている物を三浦しをん氏がかいちゃいました的な作品。
こういうのを読むと短篇集読みたくなくなる(＠_＠;)