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ハイドラ の商品レビュー

3.6

51件のお客様レビュー

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  2. 4つ

    16

  3. 3つ

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2024/06/06

早希は囚われてとても苦しそうだったけど 生きている、という感じがした。 渦中は苦しいけれど、もがき、翻弄され、傷つき、 傷つけられている様は人間としての生を感じる。 そして寂聴さんの圧倒的安定感。この世の全てを見てきたかのような言葉の重み。 且つ新しいものに触れようとする姿勢...

早希は囚われてとても苦しそうだったけど 生きている、という感じがした。 渦中は苦しいけれど、もがき、翻弄され、傷つき、 傷つけられている様は人間としての生を感じる。 そして寂聴さんの圧倒的安定感。この世の全てを見てきたかのような言葉の重み。 且つ新しいものに触れようとする姿勢。 見習いたい。

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2024/05/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夢中で読み切ってしまった。 主人公の早希はきっと美人で独特な雰囲気がある異端な女性なのに、自信がなくて悲観に美徳を感じてしまうような不安定さがある。イケイケなバンドマンじゃなくて不完全な自分に肯定も否定もしないカメラマンを選ぶ...。1+1=2にならない感性。 バンドマンと結ばれて欲しかったけど分かり合えない溝があるんだろうな。 解説の瀬戸内寂聴さんの重みったらありゃしない。 「ハイドラ」ってなに?

Posted byブクログ

2024/05/06

短い作品だったが、物語への没頭は半端なかった。没頭というか侵食といった方が良いか。恋愛小説というか偏愛小説と呼ぶに相応しく、またそのジャンルで言う傑作でないだろうか。文庫版あとがきの瀬戸内寂聴氏の解説に泣けた。

Posted byブクログ

2023/06/25

人は一日に35,000回の選択をしているというのを何かの本で読んだけれど、この本を読んでそれを思い出した。 それくらい主人公の描写が細かい。 恋愛ともなれば尚更そうなのかも。

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2021/11/14

【2021年目32冊目】 最初から最後まで主人公の早希に引っ張られる作品でした。一人の人間の、女の心理がこれでもかというほど書かれていて、痛々しさを感じながらも世界に惹き込まれたま読了しました。最後の選択だけわからなかったけれど、きっとそうせざるを得なかったんでしょう。 すごか...

【2021年目32冊目】 最初から最後まで主人公の早希に引っ張られる作品でした。一人の人間の、女の心理がこれでもかというほど書かれていて、痛々しさを感じながらも世界に惹き込まれたま読了しました。最後の選択だけわからなかったけれど、きっとそうせざるを得なかったんでしょう。 すごかったです。

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2021/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これはジョイスの『ユリシーズ』じゃないか? いえ勿論、似てもなければ、書かれた動機もまったく違うのは明らかなのだけれども、同じ不倫もの、「元ザヤ文学」にカテゴライズされ得る小説として、そう考えながら読むと案外楽しい。 主人公「早希」の、メランコリックな人物造形を担う、不穏で気がかりな文章が、癖になる味わい。著者は、実はこの種の文章を書き連ねることが主目的なのではないか?と思わされる加熱具合。ここら辺は好みが分かれそう。 著者の長編作品も読んでみたいと思う。

Posted byブクログ

2015/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

苦手な金原ひとみに挑戦。恋愛に対する思考が早希に似てるせいか、感情移入しやすかったのもあり、共感する部分が多数あった。新崎さんと早希は共依存なんだろうなと感じながら読了。

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2015/02/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オススメされて2。 なんでこんな良いものが、あまり受けないのか、理由は分かるけど、、、、でももっと受けてもいいんじゃないか!!!と思う。 早希の目線から語られる、外側の世界と、内側の世界。現代は共感の出来る人も多いはず。依存と執着は、ある意味で干渉しないことと同様の意味合いを持つんじゃないかと思わされた。 何よりも早希の内側の世界に、のめり込んでしまった人は、きっとどこか早希と同じ性質を持ってる。そして私もその一人だった。 彼女の異様なまでに新垣さんへ執着する態度は、愛情と憎悪、不安、解放、その他たくさんの感情がある。無機質な彼が持っている逃げ道が、彼女にとって救いであり、縛りでもあり。 人間は誰しも、自分と正反対の性質を持った人間に惹かれる。だけどそれは逆に自分を苦しめて、同じ性質を持った人間の方が何倍も楽なことに気付くこともある。 松木さんの魅力は、あの強さの裏側にある弱さだ。だからこそ、簡単に傷をつけられてしまう早希は怖くなった。 でも、あの最後の展開はちょっともやっとするものが残ったかも。 というか、これを読んで自分の執着を感じずにはいられなかったな。私が彼に対してしていたことは、早希と変わらない。いつもそこにあるものは、自分を弱くして甘やかされる。いや、甘えてるのは私の方か。 まあ極論をいうと、そういう一切合切を全部断ち切れた自分は、まだ強くなれるってことだろうな。 もっと色んな人に読んでほしい小説だけど、この内容にみんながみんな共感してしまったら、この世界は歪んでしまうようにも思う。

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2015/01/19

【金原ひとみの魅力】 すごく好きだ。自分に移し替えてしまう。僕も結局は僕のままを愛してくれる人の所へ帰る、いやそこでしか息ができないみたいに。映像化を望みます。きっと、駄作に違いないけど。

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2014/09/19

【本の内容】 出会った瞬間から少しずつ、日々確実に、発狂してきた―。 有名カメラマン新崎の専属モデルを務める早希は、私生活でも密かに彼と同棲している。 付き合って三年を過ぎ、セックスの時以外は体に触れてこない新崎。 不均衡な関係に深い倦怠感を覚えるなか、ずっと早希のファンだ...

【本の内容】 出会った瞬間から少しずつ、日々確実に、発狂してきた―。 有名カメラマン新崎の専属モデルを務める早希は、私生活でも密かに彼と同棲している。 付き合って三年を過ぎ、セックスの時以外は体に触れてこない新崎。 不均衡な関係に深い倦怠感を覚えるなか、ずっと早希のファンだったというバンドマンの松木と出会う。 ひずみのない愛を求めては傷つく女性の心理に迫る、傑作恋愛小説。 [ 目次 ] [ POP ] 有名カメラマン新崎に見いだされ、専属モデルとして活躍していた早希。 2人は公私にわたるパートナーだったが、関係は冷めていき、早希は次第に精神のバランスも崩していく。 そんな中、彼女はミュージシャンの松木と出会う。 好意を隠さない松木と、もはや自分を利用しているとしか思えない新崎。 2人の間で揺れながら彼女が選びとった結論は……。 愛とエゴを描く恋愛小説。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ]

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