ハイドラ の商品レビュー
読み終わった時、金原ひとみが新しくなったって思った。 モロすぎる表現が売りな所があったけど、ハイドラは前のような分かりやすい表現は少ないものの心に何か重いものがのしかかって来て金原作品では初めて感じる感覚だった。 でも金原ひとみが書く主人公っていつも真っ直ぐ純粋だから故に歪んでい...
読み終わった時、金原ひとみが新しくなったって思った。 モロすぎる表現が売りな所があったけど、ハイドラは前のような分かりやすい表現は少ないものの心に何か重いものがのしかかって来て金原作品では初めて感じる感覚だった。 でも金原ひとみが書く主人公っていつも真っ直ぐ純粋だから故に歪んでいってしまって、見てるこっちの心が痛くなる。 それが癖になってつい手に取ってしまうのが不思議。
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前作?のAMEBICに設定がにすぎている…が、最後は金原ひとみらしく、綺麗にハッピーエンドにならなかったんでそこはよし。
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良い本を読んだ。としか言えない。今まで、純文学、ジャンル小説から離れた作品は精神論や観念に尽きるものだと思っていたが、この作品によって覆された。 やはり女性の内面を百ページ超書き続けるのだが、この作品はその内面と彼女を取り巻く外からのさまざまな影響がうまく絡み合って、お互いをぼこ...
良い本を読んだ。としか言えない。今まで、純文学、ジャンル小説から離れた作品は精神論や観念に尽きるものだと思っていたが、この作品によって覆された。 やはり女性の内面を百ページ超書き続けるのだが、この作品はその内面と彼女を取り巻く外からのさまざまな影響がうまく絡み合って、お互いをぼこぼこと変形させていく様子が読んでいて爽快だった。主人公のグロテスクな隠しごと、彼女が自分に分かりやすいよう周囲の人間をラべリングしていくがとらえきれていなかったところなど、人間が面白いとおもえる小説は久々だった。 なんといってもラストの見開きページは圧巻。 一人称視点だが、必ずしも主人公が正義だと感じられなくなるというのは、凄い技術と才能だと思った。
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約4分の1日で読み終わってしまった。短さだけがその理由ではない。会話のテンポの良さだけがその理由ではない。いろんな要素が絡み合って、ページをめくる僕の手を急かすんだと思う。 「痛い恋愛小説」これが僕の一言感想。主人公の女性モデルは写真家と同棲していて、物を噛んでは吐き戻すとい...
約4分の1日で読み終わってしまった。短さだけがその理由ではない。会話のテンポの良さだけがその理由ではない。いろんな要素が絡み合って、ページをめくる僕の手を急かすんだと思う。 「痛い恋愛小説」これが僕の一言感想。主人公の女性モデルは写真家と同棲していて、物を噛んでは吐き戻すという行為を止められない。異常に低い体重を維持するためだ。ある時、彼女は自由奔放なバンドマンと出会い、彼に惹かれていく…。決して突飛なストーリーじゃない。でも、どんどん読んでしまう。主人公の衝動的で反理性的な行動に、何故かちょっと共感してしまう。共感する僕はちょっとアウトローな人!?
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自立と隷属、自由と拘束、妄想と現実。 人の心は常にこれらの間で揺れ動いている。だからこの小説にも終わりはない。ラストシーンはまさにそれを象徴している。 素晴らしい作品だった。
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ハイドラというのは首がたくさんあるヘビの怪物のことであろうか? デビュー作の「蛇にピアス」よりはるかにパワーアップしているぜ でもうーん、内容的にはあんまり違わないかな ただ主人公が大人の女になった分、読んだ感じがさっぱりしてていい
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
感情移入ができなかったという点では難しい。こういうのが分かる人もいるのか、という感じ。(私が常人であるという前提のもと)常人の捉えられない感性をもつのが作家の仕事だと考えられる。
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ぐいぐい読める。 『蛇にピアス』もそうだったが、恋愛をしている女性がいつのまにか隷属的になってしまっている、そんな女性を描いているし、金原さんもそんな人に共感をしてしまうんだろうと思う。 最後、急展開が否めないが、面白かった。 瀬戸内寂聴氏は激賞。もはや解説ではなく、ファンレター...
ぐいぐい読める。 『蛇にピアス』もそうだったが、恋愛をしている女性がいつのまにか隷属的になってしまっている、そんな女性を描いているし、金原さんもそんな人に共感をしてしまうんだろうと思う。 最後、急展開が否めないが、面白かった。 瀬戸内寂聴氏は激賞。もはや解説ではなく、ファンレターのようなものを書いているが、それも面白い。
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どう読むのがいいのかな?小説としては読みやすいけど、物語としてはやや退屈かもしれない。 つまらないとは思わないけど、何か物足りないと思ってしまう。
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金原ひとみの著書は、たまに無性に読みたくなる時がある。文庫本が出たら買うようにしているのだが、今まで読んできた本とは違うストレートさを感じる、そういう彼女の書き方が割りと好きだ。 『ハイドラ』は今までのストレートな性表現などが少なく、しかしながらどこか違う人間を描いている。人に依...
金原ひとみの著書は、たまに無性に読みたくなる時がある。文庫本が出たら買うようにしているのだが、今まで読んできた本とは違うストレートさを感じる、そういう彼女の書き方が割りと好きだ。 『ハイドラ』は今までのストレートな性表現などが少なく、しかしながらどこか違う人間を描いている。人に依存すると言うことは、自立するために通らなければならない道であると思うが、そこにある恐れや虚無感について考えさせられた。 1,2時間で読める作品。
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