がらくた の商品レビュー
愛するってなんだろうと考えさせられた。 愛し合っていてもお互い他の身体を求めてしまう夫婦。 「彼らが納得していればそれでいい」という言葉では済まされない悲しさを感じた。 その人の全てを受け入れられるくらい好きになるってどういう感覚なんだろう。私なら苦しくて耐えられないと思った。 ...
愛するってなんだろうと考えさせられた。 愛し合っていてもお互い他の身体を求めてしまう夫婦。 「彼らが納得していればそれでいい」という言葉では済まされない悲しさを感じた。 その人の全てを受け入れられるくらい好きになるってどういう感覚なんだろう。私なら苦しくて耐えられないと思った。 美海ちゃんの境遇も悲しかった。
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美海があまりに大人びてるけど、時折見せる孤独を感じる様子は共感できる。 原さんの何もかもを受け入れることができる柊子は超越してるな。もちろん悲しいと思ってるけど、その悲しさを原さんにぶつけないあたり。
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高校生の、人を見下すような、それでいて自分を守るようなそんな心情は非常によくわかる。人は脆いもので誰かとの関係に怯えたり苛立ったり面倒くさいけど出会った縁ってものは大事にしないとなあ。
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静かで美しい狂気 読み終わった直後は???でいっぱい けどじわじわ感情がついてくる感じ 人間はまじで矛盾だらけだし言葉で説明できないものだらけ
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非現実的な人柄や関係性(セレブにはよくいる/あるとも聞くけれど)なのに、人間ってほんと不条理で不合理でままならなくてわけわかんないよな、それでこそ面白いんだよな…と、妙に納得させられてしまった。 わかりにくいことをわかりやすく(でもわかりやすすぎず)書いているというか、そんな感じ...
非現実的な人柄や関係性(セレブにはよくいる/あるとも聞くけれど)なのに、人間ってほんと不条理で不合理でままならなくてわけわかんないよな、それでこそ面白いんだよな…と、妙に納得させられてしまった。 わかりにくいことをわかりやすく(でもわかりやすすぎず)書いているというか、そんな感じ。 作者の主張とか思想とかが透けて見える小説がすごく苦手だから、この本にはほとんどそれがなくて、そのあたりも肌に合った理由かもしれない。 ただ、ラスト部分はもう今の時代にはそぐわないとされて、そのうち淘汰されていくのだろうとも思った。今話題の作家はもうこうは書かないのだろうな。 でもこれ以外にある??というラストだったから、ここを否定したらテーマが破綻する気がする。 この本自体が古い価値観ということになってしまうのかな。複雑な気持ち。
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綺麗な小説でした。江國香織さんの作品を読むのははじめてだったので、表現によってこんなに美しい小説になるのだなと感動しました。表現が直接的でないため、どんなシーンでも美しく綺麗に感じます。 また、柊子視点の時からミミのことがとても気になっていたので、視点が変わりながら物語が進んでい...
綺麗な小説でした。江國香織さんの作品を読むのははじめてだったので、表現によってこんなに美しい小説になるのだなと感動しました。表現が直接的でないため、どんなシーンでも美しく綺麗に感じます。 また、柊子視点の時からミミのことがとても気になっていたので、視点が変わりながら物語が進んでいって嬉しかったです。はじめ柊子視点で感情移入して辛い気持ちになりましたが、最終的にはミミに感情移入する形となり、物語の主人公はミミだった気がしています。 柊子とミミは、それぞれの年齢や立場だからこそのキャラクターであり、「言えない/言わない」と「言う」の両極端の存在です。現時点でミミと年齢の近い自分は柊子のことを「言いたいことは言えばいいのに、辛そうだな、きっついなあ」と思ってしまいましたが、同時にミミくらい素直に生きたいな、とも思いました。自分が歳を重ねていくうちに言いたいことを言えなくなってしまうこともあるのかもしれない、年齢を重ねてからまた読み返したい作品です。
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柊子さんと原さんの関係は現実的で不健康だ。求め合うばかりの関係は脆くて危うい。 大人の世界との隔たりを感じる美海ちゃんの語りべに10年前の感情が少し蘇った。
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「がらくた」。「要らないもの」と「有るべきもの」の間のもの。柊子にとっての原、根岸は?ミミにとっての亘は、原は? 人間としてなのか、肉体としてなのか、あるいは大人になるための手段としてなのか? 江國香織の文章は、ひらがなのやわらかな土台の上に、明け透けな醜さが散りばめられていて、本当に美しいと思う。今作も没入させられた。
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よく分からなかった、が素直な感想。 他人には理解できないがらくたのようなものでも、当人にとったらとても大切なもの…といった感じ、? よくわからなかったけど、世界観には浸れてやっぱり好きだと思った。
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*私は彼のすべてを望んだ、その存在も、不在による空虚さも――。45歳の翻訳家・柊子と15歳の美しい少女・美海。そして、大胆で不穏な夫。彼は天性の魅力で女性を誘惑する。妻以外のガールフレンドたちや、無防備で大人びた美海の心を。柊子はそのすべてを受け容れる、彼を所有するために。知性と官能が絡み合い、恋愛の隙間からこぼれ出す愉悦ともどかしさを描く傑作長編小説* 多感で自由人の夫を愛し過ぎて、敢えて離れる時間を設けたり、浮気を黙認したり、とのっけから切ない展開。 十分に愛されてはいるけど、自分のものだけにならない夫、ってある意味拷問だな…。 モラルよりも自分の感情に素直で自由を愛する男と、そんな男を心底好きだからこそ、その自由を認めなければと笑顔をつくる女。そんな不安定な夫婦の間に分け入ってくる若い煌めきが眩しい。 滑稽なような、哀しいような、わかるような、わからないような、答えのない男女の機微がちりばめられた一冊。
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