地虫鳴く の商品レビュー
前作「青嵐」のあとに読了。弱さや情けなさを抱えながらも、何かを掴み生きようとした人々の姿が胸に迫る。泥臭く歩んだ人々の物語。
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前作「幕末の青嵐」と比べるとトーンダウンした感じです。どちらかと言えばマイナーな隊士を主人公にして、どう料理するのか期待していただけに残念です。
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阿部十郎や谷三十郎の鬱屈した気分にあてられて鬱々とした気分になってくるので読みすすめづらかった。飄々とした山崎丞はなかなかいい味。阿部と浅野の別れが切ない。後半の深みを増した斎藤がいい。2012.1
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同著者の「新選組 幕末の青嵐」と表裏を成す一冊。 こちらは裏。 伊東甲子太郎を中心に据え、阿部十郎、篠原泰之進、三木三郎、尾形俊太郎といった、新選組の中の名の知られぬ隊士たちの視点から、物語が書かれています。 大志に向けて盲目的なまでに邁進する伊東や上層部に対し、さした...
同著者の「新選組 幕末の青嵐」と表裏を成す一冊。 こちらは裏。 伊東甲子太郎を中心に据え、阿部十郎、篠原泰之進、三木三郎、尾形俊太郎といった、新選組の中の名の知られぬ隊士たちの視点から、物語が書かれています。 大志に向けて盲目的なまでに邁進する伊東や上層部に対し、さしたる意志も力も持たない彼らの劣等感や、中心からやや距離を置いて当時のものごとを観た、どこか冷めた感じが今までになく珍しく、とても面白かったです。 伊東と三木の兄弟関係や阿部と浅野薫の友情、尾形と山崎のやりとりなどが印象に残ります。 そして、山崎がこってこての大阪弁で常に飄々と冗談飛ばします。すごくわたしの理想の山崎でした。 ボリューム、内外の描写、ちょっとした仕草まで、訴えかけるものがある文章は、新選組ファンならずともオススメです。 ただ、伊東を中心に持ってきたなら、油小路の変ですっぱりと切った方が良かったかもしれません。 最後の3人も好きなのですが、そこへ持って行くまでにちょっと糸が緩んだようになって、取って付けたような風に感じられました。
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今まで読んだ新撰組小説の中で一番好きです。 伊東さんが好きなので興味を持ったというのもあるのですがとても良かった。 彼を支える篠原さん、阿部さん、そして弟の三木三郎から見た伊東さんの姿がただただ儚くて切ない。 そして木内さんの書かれる斎藤さんがかっこよくて大好きです!
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木内さんの「幕末の青嵐」とあわせて読みましたが、また違う視点から新撰組が描かれてて、一気に読んでしまいました!頭が良いのにどこかとぼけて憎めない尾形俊太郎とスパイ役の飄々としてる山崎の掛け合いが笑えた。ずっと救われない阿部を何かと気にかけてる斎藤一も良かった。大きな戦の前にも関わ...
木内さんの「幕末の青嵐」とあわせて読みましたが、また違う視点から新撰組が描かれてて、一気に読んでしまいました!頭が良いのにどこかとぼけて憎めない尾形俊太郎とスパイ役の飄々としてる山崎の掛け合いが笑えた。ずっと救われない阿部を何かと気にかけてる斎藤一も良かった。大きな戦の前にも関わらず、永倉と原田が相撲を始め、それをニヤニヤしながら離れて見る斎藤、それを更に遠くから眺めてる土方、尾形、山崎の図がまさにそれぞれの個性や人間関係を表していて、微笑ましかったです。
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『幕末の青嵐』のあとに読みました。 裏表録と言うだけあって、『幕末の青嵐』は表、『地虫鳴く』は裏の物語。 青嵐と同じように章ごとに視点がかわり、それぞれの人物を見れる。 阿部の人間臭さが愛おしい。 あと山崎烝のしゃべり。 尾形と関西弁でペラペラしゃべってる。 山崎ファン必見です。
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新選組主要メンバーから外れた陰の隊士達にスポットをあてた話し。 彼ら自身の生き様、また彼らから見た土方や近藤像や、伊東像などが描かれていて、非常に面白かった。 読んでいておもしろおかしい訳でもないし、どちらかというと屈折してるわ、思い詰めてるわ・・・・こちらまで気鬱になりそうな...
新選組主要メンバーから外れた陰の隊士達にスポットをあてた話し。 彼ら自身の生き様、また彼らから見た土方や近藤像や、伊東像などが描かれていて、非常に面白かった。 読んでいておもしろおかしい訳でもないし、どちらかというと屈折してるわ、思い詰めてるわ・・・・こちらまで気鬱になりそうなところも多々なのに、読後感は存外に爽やか。 飄々と大阪弁をまくしたてる山崎さんが素敵だったわ♪ ほんで、初めて伊東甲子太郎の死に切ないものを感じた・・・
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尾形俊太郎、阿部十郎、篠原泰之進が主人公。激動の幕末にありながら「人に動かされる側」の彼らの目から見た、新選組と歴史の行方。 主人公がマニアックなだけに色物系かと思いきや、なかなか骨太で正統派の小説でした。派閥の中心に属さない人の目線、っていうのが生きてたと思う。阿部の夢も希望...
尾形俊太郎、阿部十郎、篠原泰之進が主人公。激動の幕末にありながら「人に動かされる側」の彼らの目から見た、新選組と歴史の行方。 主人公がマニアックなだけに色物系かと思いきや、なかなか骨太で正統派の小説でした。派閥の中心に属さない人の目線、っていうのが生きてたと思う。阿部の夢も希望も無いただただ卑屈な行動は読んでいるこっちまで滅入ってしまったけど、それも含めて生々しい人間というものを見せてもらった、という感じ。 伊東甲子太郎の生き様が特に格好良く描かれているので、御陵衛士好きに、また逆に試衛館派にもお薦めしたい。
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安部十郎、尾形俊太郎、篠原泰之進らの視線から、激動の時代を流され、或いは駆け抜ける周囲の人々を描く。 脇を固める山崎と斎藤が印象深い。 近藤の為に新選組を組織した土方さんと、土方さんに対抗心を燃やす三木三郎。 三木三郎というと伊藤の実弟というだけで取り柄のない人物像が焼き付いているが、ここではそれを覆す人物像で描かれている。
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