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きみ去りしのち の商品レビュー

3.8

96件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2014/03/13

1歳の誕生日を迎えたばかりの息子の突然死により、自身を責め続ける夫婦。妻はふたりで過ごす時間が辛いと言う。 夫は休職届けを出し、巡礼の旅に出る。 そこに前妻との間に出来た娘 明日香が加わり、ふたりのぎこちない旅が始まる。 前妻であり明日香の母親でもある美恵子も癌で余命宣告され...

1歳の誕生日を迎えたばかりの息子の突然死により、自身を責め続ける夫婦。妻はふたりで過ごす時間が辛いと言う。 夫は休職届けを出し、巡礼の旅に出る。 そこに前妻との間に出来た娘 明日香が加わり、ふたりのぎこちない旅が始まる。 前妻であり明日香の母親でもある美恵子も癌で余命宣告されている。 恐山、奥尻島、知床、阿蘇、京都、奈良、琴ヶ浜、出雲、与那国島、島原・・・ 大切な人を失い、行き場をなくした想いに寄り添う風景と語り。 2013年の本作の文庫化(文春)にあたり、(初版は2010年、東日本大震災より前に刊行された)単行本から主人公の独白部分が削除されるなど、重松氏の中でも変化があったようだ。 重く訴えかけるような文章はひとつひとつ、絞り出すように紡がれているように思う。 あの日から3年。3.11に読み終えた本です。 阪神大震災を経験し、これを超える規模の地震は生涯ないだろうと思っていたのに、東日本大震災が起きてしまった。全てを失ってしまった人がたくさんいる。 幸い、私の大切な人達は誰ひとり欠けることなく、今も元気でいてくれるけど、この先失うことはあるかもしれない。 なんでもない日常のありがたさを噛み締めるとともに、今も悲しみから抜け出せずにいる人々が少しでも明るい方を向けるように。祈るような気持ちで読み終えました。

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2014/03/05

2014.3.4 時間をかけて読んでしまって最初のあたりが・・・でも読み終わって少し経ってから思い出してくる不思議。 中盤から清々しい・・・とは違うかもしれないけど、静かに清らかになってきて読み込んでしまった。 重松さんは2冊目ですが、軽~いのもあるのかな?

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2014/01/03

息子を失ったセキネさんと母が余命わずかなセキネの娘明日香との旅の話。失った人をどう自分の中で弔うのかを考えさせられる。各地のステキな風景を見てみたいなぁ。でも、今ではなく、大切な人を失い、でもなお生きなきゃいけないような時でないと。

Posted byブクログ

2013/11/04

息子を1歳で亡くしてしまい、ある理由で夫が旅に出る話。一人で行くはずがまさかの付き添い人の登場で。。。旅を重ね様々な問題を抱えた人との出会いで人と巡り会えた運命の大切さがわかった気がしました。しかし、内容がまあ重く「重松さんらしいなあー」、と思いました風景の話が多いです。

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2013/08/20

満1歳になってすぐ亡くなった子どもの父親42歳のセキネが主人公。別れた妻のところに残してきた娘、明日香とともに旅をしていく物語。 読了後、時間が経過してるが、凄く印象深く残ってる本でもある。 「いのち」の重さだろう。『その日のまえに』でも涙したが、今回も読み始めよりいきなり、幼子...

満1歳になってすぐ亡くなった子どもの父親42歳のセキネが主人公。別れた妻のところに残してきた娘、明日香とともに旅をしていく物語。 読了後、時間が経過してるが、凄く印象深く残ってる本でもある。 「いのち」の重さだろう。『その日のまえに』でも涙したが、今回も読み始めよりいきなり、幼子の死から始まり・・・重くってしんどくって、それでも読み進める中で、恐山・奥尻島・知床・阿蘇・吉野・出雲・与那国島・島原と一緒に旅してるような描写。 オホーツク海「ドーン」と流氷の音が、今でも胸に響いてる。 そんな自然にセキネも明日香も救われていく姿に涙した。

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2013/05/31

重松さんの作品は「死」をテーマにしたものが多いけれど どれもズンとした重さではなく それでいて、胸にグッとくるような深さがあって 本当に素晴らしい作家さんだといつも思う。 大切な人を亡くした悲しみ。 大切な人が、亡くなってしまう恐怖。 そしてその辛さが薄れてい...

重松さんの作品は「死」をテーマにしたものが多いけれど どれもズンとした重さではなく それでいて、胸にグッとくるような深さがあって 本当に素晴らしい作家さんだといつも思う。 大切な人を亡くした悲しみ。 大切な人が、亡くなってしまう恐怖。 そしてその辛さが薄れていく罪悪感。 それらを色んな方向から表現し、ふんわりと答えを出してくれる そんな一冊です。 自分自身にも、同じような経験があるからなのか すごく感情移入しつつ、色んな事を考えさせられました。 その中で一番心に残った箇所は 「忘れることと、思い出さなくなることは違う」 というところ。 大切な人を失い、悲しくて悲しくて仕方ないけれど 人は永遠に泣き続ける事はできなくて、 少しずつ思い出す時間が少なくなってくる。 悲しみが癒える事は嬉しいはずなのに その事が、逆に苦しみを生みだすこともある。 私も「絶対に忘れない」と思いながらも 毎日の生活の中で、思い出さない日が増えていくことに 罪悪感を覚えた事があります。 けれど、この本を読んで、思い出さない日が増えたとしても それはその人の事を忘れたこととは違うんだと思えて 少し心が軽くなりました。 もし、大切な人を亡くして、辛い思いをしている人がいるなら 是非読んで欲しい1冊です。

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2013/05/28

子供を持つ親として、なんとも言えず悲しいストーリーです。中盤あたりまでは、電車の中で読むのはやめたほうがよいでしょう。 でも終盤はある意味、再生の物語なのかもしれません。

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2013/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

満1歳の誕生日を祝った数日後、幼子は亡くなってしまった。 息子の異変に気づくことなくすぐそばで寝ていた両親は、 息子を死なせてしまったのは自分(たち)だと責め続け、 また息子がいない現実を受け入れられないでいる。 そんな中、父親だった男はひとりで「旅をしている」。 旅の行き先は、悲しい死にまつわる場所が多い。 行く先々で、死者に手をあわせ、息子にそっと話しかける。 旅を重ねるうちに、いつしか前妻の娘も行動をともにするようになる。 自分の父親を「お父さん」とは言わず、苗字で呼びかけるこの娘も 抱えきれない孤独と悲しみを背負っていた。 男の選ぶ行く先は「死」にまつわる場所だからか、 そこで出会う人たちはみな、身近な人の死を経験し、 みなそれぞれ、悲しみを胸にかかえて生きている。 その悲しみとともに生きている人もいれば、 まだ受け入れることが出来ていない人もいたり、 悲しみを怒りに変えている人もいたりする。 「悲しみ」との付き合い方は人それぞれなのだ。 『笑わないでいることで、なにかをずっと支えて』生きていくという方法もある。 だとしたら、笑おう。 無理をしてでも笑おう。 私たちが元気でいるということを、もうここには存在しない、大切な人に知ってもらうんだ。 そしていつか、笑顔で再会しよう。

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2013/04/02

この物語をきちんと掴んで味わうには、経験が足りていないかな。経験というのはかなしい気持ちのことであまり経験したくないし、しないで済む人もいるかもしれないけど。 かなしさを育てて優しさになる、というのはひとつの救いなんだろうけど、 それを救いと捉えるには自己を客観的に見ることができ...

この物語をきちんと掴んで味わうには、経験が足りていないかな。経験というのはかなしい気持ちのことであまり経験したくないし、しないで済む人もいるかもしれないけど。 かなしさを育てて優しさになる、というのはひとつの救いなんだろうけど、 それを救いと捉えるには自己を客観的に見ることができないといけないかなと思って、 優しさになった後、それを救いと思えるには、まだまだ時間が必要なのかもしれない。 ぐだぐだな感想…

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2013/03/24

突然死で子供を失った父親、母親の苦悩が切実に伝わってくる。そして旅先で出会う様々な人たちの苦しみを知ることで、折り合いを付けていく姿は、本当につらく悲しいこと。でもその中で前妻との子供がとてもいい味を出している。

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