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楽園(下) の商品レビュー

3.8

243件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    118

  3. 3つ

    61

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

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2024/06/04

よくある[衝撃の結末]では無いが、各々の心情と、それを含んだ人間関係が細部に渡って伝わる。上巻合わせて800ページにも及ぶ長編を考えると、やや物足りなさを感じる結末。

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2024/05/09

模倣犯から数年後のスピンオフ物語。 宮部みゆきらしい詳細な設定、丁寧な心象描写。 家族、親子を主題とした、哀しくも優しい物語。

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2023/09/19

子供が不良‥ 事件起こしてしまう親として本当 辛い‥。手にかけてしまったけど これも仕方ない‥犯罪であっても

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2023/09/06

事故で亡くなった萩谷等の描いたスケッチブックに、コウモリの家の床下にあった死体を暗示するものがあった。実際にコウモリの飾りがあった土井崎家の焼け跡からは、長女のものと見られる死体が見つかり、記者前畑滋子は土井崎家の次女と対面する。土井咲家には、まだ秘密が隠されているのではないか…...

事故で亡くなった萩谷等の描いたスケッチブックに、コウモリの家の床下にあった死体を暗示するものがあった。実際にコウモリの飾りがあった土井崎家の焼け跡からは、長女のものと見られる死体が見つかり、記者前畑滋子は土井崎家の次女と対面する。土井咲家には、まだ秘密が隠されているのではないか…。 多数巻を並行に読むシリーズだが、上巻を読んでから大分経っての下巻でも、宮部みゆきだから大丈夫だろうと高をくくっていたのが甘かった。下巻の冒頭から次女誠子、元旦那の達夫、萩谷敏子、前畑滋子の旦那の昭二らが、部屋で会話という、ただでさえ厳しい動きのないシチュエーションに、色々事情もあるのだが、名字を省略した状態で続くもんだから、結構意味がわからなかった。 話の方は、25分できっかり50ページ読めるレベルで、密度の安定感は相変わらず。しかし、一進一退の退がないようなわりと平坦な進み具合で、ちょっと長いなと感じたのは事実。 また、どこかで前畑滋子がなにかを見出してしまうのだがそれがどこだったかという印象もなく、どこで気づいたんだろう?という切り札をスバっと切ることで進行するという内容である。 全体に読者そっちのけで滋子のひらめきと、何をひらめいたのかをぼかすように「ひょっとしてまだ…」と歯切れの悪い展開が多かったのは残念。終盤であれよあれよと事件が急展開して解決に向かっていくんだけど、結局その要素は残していくんだ、という印象であった。 また、もう一つ重要な内容があったはずなのに、結局それには触れなかったのにはなんか意図があったのだろうか。 長編でも読ませる実力のあるのは事実だし、元となった『模倣犯』のときの、無理やり世相を入れ込んで、話と全く絡まない論文帳の部分があまり気にならなかったのは良い。ただ、『模倣犯』同様、そういうあっさりした幕切れでいいんかね。今回のは少々禁じ手も使っている印象でもある。

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2023/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いわゆる『模倣犯』の後続作品となります。 ・・・ 私は『模倣犯』も未読、そして宮部さんの作品もこちらで2作目となる、言わば宮部初心者。 結論からすれば非常に楽しめました! これはですね、先が読めない2時間ものの邦画を集中して視聴したかのような読後感でした。 ・・・ とある奇妙な依頼『うちの子が本当に超能力を持っていたのかどうか確認してほしい』という話から始まる、本作。 ここから、一見脈絡がないような出来事が散らばるように描写されます。 萩谷等が幻視した殺人事件の現場。殺人事件の当事者たる土井崎夫婦の独白、姉を殺された誠子の悲しさ、誠子と中の良かった地元の友達達、土井崎家を守ろうとする高橋弁護士、殺された土井崎茜の交流、萩谷等がほかにも幻視していた学校の先生方の隠蔽したいプライベート、滋子をサポートする『模倣犯』時代の秋津警部との連携等々。 読中は別個に与えられるピースが徐々に連結していくところに、読者は納得のため息と快感を得ることができると思います。 ・・・ 下巻では、土井崎家の事情、何を彼らは防ごうとしていたのか、土井崎父・土井崎母との対話、また親戚たる木村夫妻との会話から、土井崎家を巡る問題が立体的になってきます。同時に萩谷等がかかわっていた団体「あおぞら会」と土井崎家との関連が徐々に明らかになってきます。 こうしてジグソーパズルが出来上がっているかのような感覚、是非楽しんでいただきたいと思います。 ・・・ 最後に。 12歳で亡くなった萩谷等君。結局かれは超能力を持っていたのか。名言はしませんが、ストーリの書きぶりでは「Yes」ですよね。 また事故死であった彼は実は自殺したという噂。これも一部には「Yes」やもしれませんよね。見え過ぎる、分かり過ぎるというのは時としてつらい物であります。そうしたもの悲しさもドラマとしての深みを与えてくれる作品であったと思います。

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2023/08/23

すごいパワーで一気読み。 火車、ソロモンの偽証を読んだ時を思い出した。 やっぱり宮部みゆきはすごい 自分の子どもがどうしようもないロクデナシだったら?どこの家族にも多かれ少なかれ問題はあるだろうけど、それが本当に救いようもない場合、どうするのが正解なんだろう。 自分が将来親にな...

すごいパワーで一気読み。 火車、ソロモンの偽証を読んだ時を思い出した。 やっぱり宮部みゆきはすごい 自分の子どもがどうしようもないロクデナシだったら?どこの家族にも多かれ少なかれ問題はあるだろうけど、それが本当に救いようもない場合、どうするのが正解なんだろう。 自分が将来親になったことを思うと、胸が痛い。

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2024/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下の子を妬む気持ちは私もよくわかる。自分がうまくいかないことを全て環境、親のせいにしたい気持ちもよくわかる。どうしようもない人間が身内で生まれた時、どうすれば良いのか、手に負えない子供を親が殺すという事件は今も昔も起こっている。そしてネット上ではその親を責任を果たしたと賞賛する声も多い。30.40代の人間が罪を犯したときも、その親、家庭環境は批判のもとに晒される。家族である、親である限り、この社会で縁は一生切れない。親はいつまで子供の責任を取ればいいのか、どこまでが親の責任なのだろうか、、、

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2023/07/10

途中、超能力の調査はどこいった?ってくらい別の方向に進んでいって、ちゃんと終わるのかなと思った。逆に結末が気になって、どんどん読み進められた。 全員が幸せな終わりではないけど、最後の最後、救われる終わりだった。

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2023/06/14

喪にふくす、とはどういう事か。 真剣に死を見つめ、向かい合い、ゆっくりと受け入れていくこと。 ミステリーであるのと同時に、登場人物たちの喪にふくす様を書いた小説。

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2023/05/25

宮部みゆきの長編ミステリー。 レビューをわけていなかったので、全体通しての感想。 〜以下、作品紹介引用〜 未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳...

宮部みゆきの長編ミステリー。 レビューをわけていなかったので、全体通しての感想。 〜以下、作品紹介引用〜 未曾有の連続誘拐殺人事件(「模倣犯」事件)から9年。取材者として肉薄した前畑滋子は、未だ事件のダメージから立ち直れずにいた。そこに舞い込んだ、女性からの奇妙な依頼。12歳で亡くした息子、等が〝超能力〟を有していたのか、真実を知りたい、というのだ。かくして滋子の眼前に、16年前の少女殺人事件の光景が立ち現れた。16年前、土井崎夫妻はなぜ娘を手にかけねばならなかったのか。等はなぜその光景を、絵に残したのか? 滋子は二組の親子の愛と増、鎮魂の情をたぐっていく。その果てにたどり着いた、驚愕の結末。それは人が求めた「楽園」だったのだろうか――。  今作で僕が残念に思う点が、人生で最高傑作だと思っている「模倣犯」とあまりにもギャップがありすぎる点だ。  前畑滋子の活躍は是非読みたいし、何なら短編の様な形で日常を描写するだけでも楽しめたはずだ。キャラクターも魅力的だし、掘り下げも上手くいっているからだ。しかし、ファンタジー要素を導入した事により世界観がギクシャクしてしまった印象だ。何故「模倣犯」の世界観にファンタジーを入れてしまうのか。それが今作の僕にとっての難点だった。  家族、子供と親の関係を描いた作品であり、親が子供を殺害し隠した事件を、12歳で亡くなった息子の絵が予言している事をしった敏子が前畑に依頼し・・・という内容で、この設定や世界観、全体を通しての暗さの様な部分とち敏子と等の関係や、前畑の人生の対比部分はとても面白い。  

Posted byブクログ