ひとり暮らし の商品レビュー
詩人、として、谷川俊太郎さんの「詩」しか知らなかった。その谷川俊太郎さんのエッセイ。ただし、80年代に書かれたものや、2000年頃の日記などがまとめられたもの。 色んな表現者の、作家のエッセイを読んだことがあるわけではないので(女性作家のエッセイくらい)、一概に言えないけど、表現...
詩人、として、谷川俊太郎さんの「詩」しか知らなかった。その谷川俊太郎さんのエッセイ。ただし、80年代に書かれたものや、2000年頃の日記などがまとめられたもの。 色んな表現者の、作家のエッセイを読んだことがあるわけではないので(女性作家のエッセイくらい)、一概に言えないけど、表現することへの哲学的な考察が書かれていて、それが新鮮だった。 日常の生活、どこへ行き、誰と会った、ということを書いてるけど、そこには必ず谷川さんの考察が入る。そう、表現=芸術やから、必ずしも同じであるものはなくて、微妙な違いに感化されたり違和感を感じたり。表現というものに崇高さを感じた。今の2020年代には感じないものを私は感じられた。谷川さんの視点ゆえなのか、それとも30年前はそういう時代だったのか、それは分からないけど。抽象的な感想しか書けないが、今の時代には想像しがたいことを考えながら読むことで、私が見落としていた視点、社会、生活があることに気付くことができた。そして、古い?作品を読むことも必要だと思った。最新刊の本を追うことも楽しいが、過去の、自分の知らない時代の感覚をまとった文章を読むことが必要だと。 谷川さんの家に子どもの泥棒が入った話があった。23年ほど前の話だ。警察につき出すでもなく、親に連絡するでもない。子どもと向き合い話す姿が、平和な時代があったんだなぁと思った。今は、なんか、世知辛いなぁ。
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著者が有名な詩人であることは知っていたが、このような随筆のような文章に接したは初めてだった.言葉の出どころが普通の作家とはかなり違うと感じた.やはり詩を生み出すことは特異な才能が必要なのかもしれない.後半にある「ことばめぐり」で登場する 空、星、朝、花、生、父、母、人、嘘、私、愛...
著者が有名な詩人であることは知っていたが、このような随筆のような文章に接したは初めてだった.言葉の出どころが普通の作家とはかなり違うと感じた.やはり詩を生み出すことは特異な才能が必要なのかもしれない.後半にある「ことばめぐり」で登場する 空、星、朝、花、生、父、母、人、嘘、私、愛 で表される表現は、凡人にはまねができないと思った.
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「自分と出会う」に深くうなずき、 「葬式考」では写真にそんなふうに感じたことなかったなと思い、 「春を待つ手紙」にこれぞ「ゆきあたりばったり」で「とりとめもなく」じゃん笑いながら突っ込んだ。 若いころはちょっと頑固なところもあったんじゃないとか、意外におちゃめな面もありそうとか...
「自分と出会う」に深くうなずき、 「葬式考」では写真にそんなふうに感じたことなかったなと思い、 「春を待つ手紙」にこれぞ「ゆきあたりばったり」で「とりとめもなく」じゃん笑いながら突っ込んだ。 若いころはちょっと頑固なところもあったんじゃないとか、意外におちゃめな面もありそうとか、勝手に谷川像を膨らませる。 広角で眺めてそれぞれあちこちに枝葉を広げていくような、そんな印象ももった。 正直、詩の方はほとんどと言っていいくらい読んだことがなかったのだけれど、まずは子供向けの本からでも手に取ってみようかな。
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谷川俊太郎さん、国語の教科書に詩が載ってたのは、覚えているけど内容は忘れてしまいました。ただ私にも理解できる詩だったということだけ覚えています。 前半は、詩人さんの日常がエッセイになっていて、こんなところから詩が生まれるのかという視点がわかっておもしろかった。後半は、インテリジェ...
谷川俊太郎さん、国語の教科書に詩が載ってたのは、覚えているけど内容は忘れてしまいました。ただ私にも理解できる詩だったということだけ覚えています。 前半は、詩人さんの日常がエッセイになっていて、こんなところから詩が生まれるのかという視点がわかっておもしろかった。後半は、インテリジェンスな内容についていけなくなった。
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谷川俊太郎のエッセイ。 素敵な詩を書く人が普段どんなことを考えているのか知りたくて読んだが、こんな風に世界を見ているのか〜と不思議な気持ちに。 面白かったとかそういうのは特にない。 でも移り変わる時代に触れることができて良かった。
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詩人らしく言葉を自在に操られていて、その語彙力や表現力が小気味良い。 自分の知識が無くて(世代もあると思うが)、数多く登場する著名人やその人に纏わるエピソードがいまいちピンと来ず、ぼんやりした読後感。
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異性で年齢が離れた人の人生を覗き見できて興味深かった。普段考えないような死や老いについて語られていて、歳を重ねるとやはりそういう考えも多くなるのだなあと思った。 最後の方は少し読みにくいと感じてしまい、パラパラと読み進めた。 谷川俊太郎さんは、エッセイよりも詩が好きだと思いま...
異性で年齢が離れた人の人生を覗き見できて興味深かった。普段考えないような死や老いについて語られていて、歳を重ねるとやはりそういう考えも多くなるのだなあと思った。 最後の方は少し読みにくいと感じてしまい、パラパラと読み進めた。 谷川俊太郎さんは、エッセイよりも詩が好きだと思いました。
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中学の頃合唱コンクールで谷川さんの書いた春にを歌って、お隣のクラスは同じく谷川さんの書いた未来へを歌っていて。エネルギーとか大地とか春とか青空とか随分壮大な詩書くのねこの人、よくわからんからこの人の生活と考えてること知りたいかも、と思いながら読み始めてみた2022年最後の1冊。 ...
中学の頃合唱コンクールで谷川さんの書いた春にを歌って、お隣のクラスは同じく谷川さんの書いた未来へを歌っていて。エネルギーとか大地とか春とか青空とか随分壮大な詩書くのねこの人、よくわからんからこの人の生活と考えてること知りたいかも、と思いながら読み始めてみた2022年最後の1冊。 すごい人だしすごいスケジュールも交友関係もあるのにそれをつらーーーっと過ごしてるようなお方だったことがわかりました。笑 死に対する考えとか老いに対する考えが熱すぎなくてアグレッシブすぎなくて、生きるの延長にあるものとして考えて楽しみすらわくような文章いっぱいあって面白かったなー。ダライ・ラマ先生の講話の話と、葬式には未来がないから結婚式より気楽で良いわの話もめちゃくちゃよかった。 「ことばめぐり」に空と嘘の解釈があったのだけど 青空はその先の宇宙の虚無を隠す嘘 って書かれていて。あの明るい曲調の合唱曲の謎に包まれた感、何かすっきりしない感は大元にこれがあったからなのか、、、と変に納得した。笑 詩は詩人とは離れたフィクションとしてとらえてるから谷川さんの詩は面白いのかもしれません。 独居老人さびしいって言われるけど、灯りのついていない家は気楽でいいもんですよ、とあとがきも最高でした。 2022年最後にいい本読めたー!再読します!
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穏やかでユーモラス。矛盾もまるっと認めて、おもしろがるゆとりを感じる。こんなふうに肩ひじはらない歳のとりかたをしたい。 以下また読み返したいエッセイメモ ・古いラジオの「のすたるぢや」 ラジオへの愛情が前半の勢いに出ているようで、ついつい微笑んでしまう。夢中な心があらわれていて...
穏やかでユーモラス。矛盾もまるっと認めて、おもしろがるゆとりを感じる。こんなふうに肩ひじはらない歳のとりかたをしたい。 以下また読み返したいエッセイメモ ・古いラジオの「のすたるぢや」 ラジオへの愛情が前半の勢いに出ているようで、ついつい微笑んでしまう。夢中な心があらわれていて読んでいて楽しい。 ・単純なこと複雑なこと 死についての考え方。犬の死を通して、人間ならではの「死」との向き合い方について述べている。 ・私の死生観 のっけから死生観なんて持っても無駄だと言うのが面白い。タイトルをいきなりちぎって捨てるような勢いだ。「単純なこと複雑なこと」と同じく死について書かれているが、こちらは雰囲気が全く異なり、墓地を買ったり理想の葬式について書いたり、せっせと理想の死後について書いている。悲壮感のかけらもない。なにやら肩の力の抜けてくる。 ・1999年2月20日(土) こちらも死にまつわるエッセイ。故人について会ったり話したりできなくなってからの方が身近に感じる。のくだりに膝を打つ。生きている頃は遠慮もあるけど、死んでしまうと会いたい時に好きなだけ相手してもらえるからか。そうか、なるほど、確かに。 ※平成13年に書かれいるけど、この頃には図書館に公民館的な地域コミュニティとしての働きが期待されてることが書かれている。
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その文学性はさておき、新しい物好きだったりクルマ好きだったりする谷川さんの素顔を楽しんだ。交友関係とか。歳とって暮らすのも悪くないなあ、と思えた。
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