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不幸な国の幸福論 の商品レビュー

3.8

61件のお客様レビュー

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2023/01/19

先日、鬼籍に入られた精神科医でもある作者のある意味本業とも言える内容の作品。毎年3万人の自殺者を出す日本人の一見恵まれているようで不幸な国民の為の幸福論。 自分が必要とされていると思うことが、人間を強くする。ヴィクトール・フランクル「夜の霧」を読んでこんなまとめ方をしています。...

先日、鬼籍に入られた精神科医でもある作者のある意味本業とも言える内容の作品。毎年3万人の自殺者を出す日本人の一見恵まれているようで不幸な国民の為の幸福論。 自分が必要とされていると思うことが、人間を強くする。ヴィクトール・フランクル「夜の霧」を読んでこんなまとめ方をしています。【すべての人間は全宇宙にたった一度、二つとない在り方で存在している。そしてその一回性と唯一性が他に類を見ない、人それぞれの運命をもたらす。一人ひとりの人間に備わっているかけがえのなさを意識したとたん、生きること、生き続けることに対して私たちが担っている責任の重さに気付かされる。その責任を自覚した人間は、生きることから降りられない。もし運命があなたを苦しめるのなら、その苦しみを引き受けることに、二つとない何かを成し遂げる、たった一度の可能性がある。人間が生きることには、常にどんな状況も意味がある。苦しむことにも意味があるのだ。だから、人生に期待するのをやめて、人生から自分が何を期待されているのか考えよう。】 そして、寿命があることによって逆に命の尊さと充実を感じることが出来る、例えば本人も本書執筆した2009年にはちょうど「雲の都」を創作中であり完結する前に死を迎えるだろうと書いていましたが、無事2012年全5巻完結させることができたのは何よりでした。合掌。

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2023/01/16

感想 自分の立場を客観的に見る。何か起きた時に自分を可哀想と思いすぎない。いつまでも引きずり嫉妬が心を蝕む。幸福になるために冷めた頭で考える。

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2022/06/15

幸せとは幸せだと認識できること 自己の認識を変える以外に幸せになる方法はないと思う 今の自分が不幸だと思うとき、周りの環境や人がそう思わせているのであって、それが事実ではないということを認識しなければいけない ✏自分の苦悩にばかりアンテナを向けていると、どんどん視野が狭くなり...

幸せとは幸せだと認識できること 自己の認識を変える以外に幸せになる方法はないと思う 今の自分が不幸だと思うとき、周りの環境や人がそう思わせているのであって、それが事実ではないということを認識しなければいけない ✏自分の苦悩にばかりアンテナを向けていると、どんどん視野が狭くなり、客観性も失われていく。自分が誰よりも不幸に思えてきて、周囲の人が抱えている痛みに鈍感になり、人間関係にも悪影響を及ぼしかねない。 ✏真に悩む、悩み抜くとは、自分の苦悩を材料に考え抜くということ。普段から何か問題が起きたときに、その遠因と近因を多角的、客観的に分析し、今の自分にできる対策は何かと考える習慣のある人は、自己憐憫の罠や自分の不幸を誰かのせいにしたくなる心の動きに、そう簡単に飲み込まれない。 ✏人はときどき、何が自分を幸福にするかについて間違った理論を作り上げ、それに基づいて欲望を形成した結果、ミスウォンティングをおかすことになる。 ✏確固たる「個」は、自分の頭で考え抜くと同時に、互いの意見をぶつけ合いながら人間関係を深めていったり、ときには周囲の声に抗ってでも自分の意思で選択し行動することによってしか鍛えることができない。 ✏必要なのは、変えることのできないものを受け入れる冷静さ、変えることのできるものを変える勇気、その2つを見分けるための知恵 ✏周囲の環境や運ではなく、その人が世界とどう関わっていくかという、人間の生きる姿勢が幸福を作る。

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2021/08/01

悩み抜いて自分を客観的に見ること。自分があの人と同じ立場だったら幸せに思うのか。 考え方、ものの見方を変えて誰かに貢献すること。 希望を持つこと。

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2020/12/12

東大の医学部で犯罪心理学と精神医学を学んだ経歴を持つ医師で、小説やエッセイなどを手掛ける作家としても活躍して日本の「文化功労者」にも選ばれた加賀氏による幸福論。終身雇用や年功序列という従来の「日本型システム」が崩壊し、若者が将来への希望を持つことが難しい今の日本において、その原因...

東大の医学部で犯罪心理学と精神医学を学んだ経歴を持つ医師で、小説やエッセイなどを手掛ける作家としても活躍して日本の「文化功労者」にも選ばれた加賀氏による幸福論。終身雇用や年功序列という従来の「日本型システム」が崩壊し、若者が将来への希望を持つことが難しい今の日本において、その原因が、自ら不幸の種蒔きをする日本人の国民性にあると指摘する。筆者は本書の出版から30年近くを遡る1980年に「生きるための幸福論」(講談社現代新書)という著書を出しており、物質的に豊かになった日本人が果たして「本当の幸せ」を手に入れているのか、という疑問をずっと世に投げ続けている。

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2020/05/28

著者の人生が詰まっている感じがします。 著者の御年もあり、説得力があります。 歳を取っても幸福に生きるために、読んで良い本です!

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2018/10/19

"知り合いから紹介された本。日本の現状を様々なデータも交えながら、的確に言い得ている。知り合いの方も言っていたが、著者の加賀乙彦さんとほぼ同じ風に世の中を見ていたので、ある意味痛快だった。 不幸な国とは、我が国日本。日本は社会、仕組み、共同体として不幸を生産している。そ...

"知り合いから紹介された本。日本の現状を様々なデータも交えながら、的確に言い得ている。知り合いの方も言っていたが、著者の加賀乙彦さんとほぼ同じ風に世の中を見ていたので、ある意味痛快だった。 不幸な国とは、我が国日本。日本は社会、仕組み、共同体として不幸を生産している。そんな国に生きる人間の幸福とはなんなのか?という問いかけをしているのが本書である。刺激を受けた部分をメモしておく。 第一章 幸福を阻む考え方・生き方 「見られる自分」に対する意識の強さと「悩み抜く力」の欠如 「悩み抜く力」の欠如=「考えずに受け入れる」ことが当たり前になった つまり、 ・新しい技術で生み出された文明の利器をただ享受するだけになった ・テレビ、電卓、PCなど普及し、自分の頭で考え抜くことをしなくなった そして、 ・自分にマイナスのレッテルを貼る=他者との比較でのみ自分の価値を見る(子供の自尊心) (長所、短所丸抱えで、ありのままの自分の現状を知った上で、  今の自分より成長をしたいと願い努力するのが大人の自尊心)  その原因は、過保護、過干渉で子供に過剰な期待をかける親の存在。  子供が傷つかないよう、失敗しないように世話を焼き、あるがままを受け止めず誰かとの比較で○×をつける。  社会も同様、「足の遅い子が傷つくから、平等に」などで、運動会で順位をつけるのをやめておきながら、偏差値という物差しだけで子供をはかり競争させる。 「見られる自分」に対する意識の強さ=個を育てない教育(家庭~学校) つまり、 ・幼いころから、子供の秘密を暴く親が多い(子供を異なる人格を持つ人間として認められない)  →子供の自我確立を妨げる ・そして、人目を気にする国民ができあがる。(フランスは、人と同じことで悩む) 第二章 「不幸増幅装置」ニッポンをつくったもの 経済的疲弊が自殺に直結する国は日本のみ。 GDPに占める社会保障の割合は、17.7%(OECD加盟国中23/29位) GDPに占める公共事業の割合は、1970年代初頭から最近まで先進国中トップ NY Times「日本の破産への道は公共事業によって舗装されている」1997.3.1 流されやすい国民。 1.好奇心旺盛、2.「個」を主張しにくい社会、3.「考えない」の習慣化 第三章 幸福は「しなやか」な生に宿る 1943年 ラインホールド・ニーバー牧師の言葉(マサチューセッツ州にて)  神よ、私たちにお与え下さい。  変えることのできないものを受け入れる冷静さと、  変えることのできるものを変える勇気を。  そして、2つを見分ける知恵を。 第四章 幸せに生きるための「老い」と「死」 死と向き合うことで、生を見つめ直し、老いを楽しむ。"

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2018/08/05

 秋葉原で起きた通り魔事件を引き合いに、現代日本の「不幸」を考察する。  考えない習性や幸せに対する慣れ、他者を気にする日本人の国民性もあるらしい。  高度成長期から、バブルがはじけた後も、豊かさの幻想を追い求めてしまった日本。リッチな国の不幸な国民。  介護・医療の崩壊につなが...

 秋葉原で起きた通り魔事件を引き合いに、現代日本の「不幸」を考察する。  考えない習性や幸せに対する慣れ、他者を気にする日本人の国民性もあるらしい。  高度成長期から、バブルがはじけた後も、豊かさの幻想を追い求めてしまった日本。リッチな国の不幸な国民。  介護・医療の崩壊につながる制度誕生のきっかけとなる郵政選挙。当時の庶民心理は戦前・戦中にも似るとの指摘。  幸福は身分や収入でなく、自分の考え方次第であり、高齢化の時代に、自分の生きる姿勢が幸福を作ると説く。

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2016/11/23

2016.11.21 当たり前のことが、今の気持ちにストンと落ちた。 なんとなく感じる不幸は、誰かの役に立っているという充実感がないからだ。 月始めに異動になって、何したらいいかわからない状態で、時間が過ぎることばかり考える毎日。 休みの日に出かけたり、誰かと会ってもちっとも...

2016.11.21 当たり前のことが、今の気持ちにストンと落ちた。 なんとなく感じる不幸は、誰かの役に立っているという充実感がないからだ。 月始めに異動になって、何したらいいかわからない状態で、時間が過ぎることばかり考える毎日。 休みの日に出かけたり、誰かと会ってもちっとも満足感が得られない。 そんな日々の中で、この本を読んで、 ただ嘆くだけでなくて、自分で変えていこうという気持ち、長いスパンで考える大切さなど、繰り返し言われていることだけど、改めて気付かされた。

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2014/10/05

前半は様々な統計データ等により、現代の日本がいかに病んでいるか・・また将来どんな不幸が待ち受けているか・・ということが書かれている。 後半はわりと精神論的な話だった。 この本を読み、幸福って本当に主観的にしかはかれないものだなと思った。 お金や名誉・地位などの客観的指標で幸福を...

前半は様々な統計データ等により、現代の日本がいかに病んでいるか・・また将来どんな不幸が待ち受けているか・・ということが書かれている。 後半はわりと精神論的な話だった。 この本を読み、幸福って本当に主観的にしかはかれないものだなと思った。 お金や名誉・地位などの客観的指標で幸福をはかりだしたらほとんどの人は不幸になってしまう。 問題は、そのような客観的指標を主観にしてしまってる人が多いということではないだろうか、、。 もう一つの問題として、自分の幸福を追い求める際に他人を不幸にしてないかという視点が要ると思う。 (現時点の他人に限らず、将来の他人も含め。) そして最終的には、「自分は幸福」という結論ありきで過ごすということかなと思った。

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