1,800円以上の注文で送料無料

通天閣 の商品レビュー

3.6

139件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    49

  3. 3つ

    46

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2022/02/03

さすがの西加奈子ワールド。 ちっとも幸せな話じゃないのに、それぞれのキャラクターに共感したり、同情したり、読了感が良かった。

Posted byブクログ

2021/12/08

今まで読んだ西加奈子さんの「さくら」「サラバ!」は人生の回想のような感覚で読んでいたけれど、こちらはむしろ今現在ちょっとずつ生きているイメージ。クライマックスの通天閣での掛け合いは疾走感があった。

Posted byブクログ

2021/05/25

通天閣の近くのアパートに住み、100円ショップで売られるライトのパッケージ詰めをして生活する40すぎの男。一方で、同棲していた恋人がニューヨークに旅立ってしまい、日銭を稼ぐためにキャバクラのようなスナックの黒服で生活する女。それぞれが毎日を同じ様に過ごしているのだが…。 それぞ...

通天閣の近くのアパートに住み、100円ショップで売られるライトのパッケージ詰めをして生活する40すぎの男。一方で、同棲していた恋人がニューヨークに旅立ってしまい、日銭を稼ぐためにキャバクラのようなスナックの黒服で生活する女。それぞれが毎日を同じ様に過ごしているのだが…。 それぞれの何のこともない日々、具体的な景色が浮かぶような生々しい日常は、何があるわけでもないのだが読ませる。二人の視点を交互に切り替えてストーリーは進んでいき、いつか出会うのか…。 この手のストーリーで、書き手として悩むところである、固有名詞については、早々にシーフードヌードルやUFOなんていう言葉をどんどん押し付けてくるので、個人的には安心して読むことができた。これがぼんやりした架空の商品名であれば、この作品は生きない。固有名詞は物語の深みを出すだけでなく、具体的な主人公や街の形を描き出すことに繋がる。 平坦で生きているのか日々を乗り切っているだけなのかわからない男と、現実は見えているのに見えないふりをしてなんとか乗り切っている女。妻が妊娠中というどもりの同僚、何を喋っているか聞こえないスナックのママ、まともに接客できないコンビニの名前の読めない店員。なにもないのにスリリングに感じるのは、大阪という土地がベースにあるからなのか。 一方で、以前に読んだ西加奈子作品にもあった、なんだかよくわからない別のストーリー(夢日記?)のようなものが挟み込まれるのは、個人的には大きくマイナスである。いずれかの作品で、編集者が「こういうのいいね」とか言ってしまったんだろうか?メインのストーリーが面白いだけに、本作ではまともに読む人はいないだろう。 変なストーリーを挟むのが西加奈子スタイルです、というのかな?別に本筋に影響が出るわけでもないし、何がしたかったんだろうね。

Posted byブクログ

2021/02/08

通天閣の麓に住む、2人の主人公(夢を追った恋人を想いながら場末のスナックで「チーフ」として働く私と、淡々とサービス残業もこなしながら「リーダー」として働く俺)。 それぞれの何気ない日常の隙間から、匂いや温度が伝わってくるようなピリリとした西加奈子節が続く。 男性の主人公のイメージ...

通天閣の麓に住む、2人の主人公(夢を追った恋人を想いながら場末のスナックで「チーフ」として働く私と、淡々とサービス残業もこなしながら「リーダー」として働く俺)。 それぞれの何気ない日常の隙間から、匂いや温度が伝わってくるようなピリリとした西加奈子節が続く。 男性の主人公のイメージは寺島進さん。 次に大阪に行くことがあれば、通天閣、登ってみてもいいかもしれない。

Posted byブクログ

2021/01/20

どうしようもない人々が醸し出す、得体の知れないエネルギーが溢れている大阪ミナミ。社会の底辺でうごめく人々の愚かなる振る舞いや、おかしな言動が町を彩っている。主人公は、夢を失いつつ町工場で働く中年男と恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女。八方ふさがりに見える二人は、...

どうしようもない人々が醸し出す、得体の知れないエネルギーが溢れている大阪ミナミ。社会の底辺でうごめく人々の愚かなる振る舞いや、おかしな言動が町を彩っている。主人公は、夢を失いつつ町工場で働く中年男と恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女。八方ふさがりに見える二人は、周りの喧噪をよそに、さらに追い込まれていく。ところが、冬のある夜、通天閣を舞台に起こった大騒動が二人の運命を変えることに…。

Posted byブクログ

2020/12/26

一つ一つがテンポ良くササッと読めた。所々あははっと笑えて西加奈子は面白いよなーホントってなったけど、ストーリーとしてはイマイチ…。決して新しい本ではないので、こんなストーリー構成のこんな相関図が作れるような話どっかで読んだ気がするよねっていう。既視感がある。

Posted byブクログ

2020/10/09

中年男と若い女、2人の地味な暮らしからいろんな感情を切り取って、読者にいろんな感情を沸き起こす。そして一人一人にそれぞれのドラマと想いがあるよねということを思い出させる。 主人公2人は基本的に暗い性格だけど、こういう人沢山いるよね。人物描写と、その人を取り巻く固有名詞達が妙にリ...

中年男と若い女、2人の地味な暮らしからいろんな感情を切り取って、読者にいろんな感情を沸き起こす。そして一人一人にそれぞれのドラマと想いがあるよねということを思い出させる。 主人公2人は基本的に暗い性格だけど、こういう人沢山いるよね。人物描写と、その人を取り巻く固有名詞達が妙にリアルです。コンビニ行ったら稲荷と蕎麦のセットが気になってしまいそうです。

Posted byブクログ

2022/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大阪ぽさというか、この小説に出てくる人物はとても面白かった。普通に声を出して笑った。 その中でも、バイトの新人の出産、マメに振られること、オタク風男の自殺未遂など、嬉しさ、悲しさ、むなしさなどの感情が揺さぶられた。最後のわずかな希望を残す感じもとても良かった。 個人的に「疲れたら自転車降りて歩こうな。」という言葉を素敵だと思った。

Posted byブクログ

2020/05/31

西加奈子さんの大阪のおばちゃん感がたまらなく好きで、西さんの描く大阪が知りたくなった。 結論は、やっぱり、西さんの描く大阪は好きだった。 大阪。通天閣は、大阪の外の人からすると、観光名所で、ひょうきんな街としてのイメージが強いのかもしれないけど、新世界や西成は、人間のどうしょうも...

西加奈子さんの大阪のおばちゃん感がたまらなく好きで、西さんの描く大阪が知りたくなった。 結論は、やっぱり、西さんの描く大阪は好きだった。 大阪。通天閣は、大阪の外の人からすると、観光名所で、ひょうきんな街としてのイメージが強いのかもしれないけど、新世界や西成は、人間のどうしょうもなさと、嘘のない姿が魅力だと思っている。 人間はどこまでいっても愚かな生き物だと思うので、品行方正には嘘があると思っている。 なので、素直であるがままな姿で生きている街だと感じる。 そんな街を舞台に愛してもらうことばかり求めて、自分の輪郭を忘れてる女と、人を信用できずに人との交わりを消す男。 2人とも、とてつもなく愚かで素直で まさに通天閣のふもとで生きていそうだと感じた。 西さんは、愛らしい登場人物をいつも描くけど、今回も、本を閉じめても思い出すくらい好きな登場人物だった

Posted byブクログ

2020/04/20

4月-10。3.0点。 通天閣のそばに住む、二人の主人公。 一人は工場で働く中年男性。一人はスナックの品だしをする女性。女性は彼氏が渡米し、遠距離恋愛中。 場面を変えながら、軽快な関西弁で進む物語。 ラスト30頁で一気に変わる。うん。まあまあ面白かった。

Posted byブクログ