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孤宿の人(下) の商品レビュー

4.3

196件のお客様レビュー

  1. 5つ

    91

  2. 4つ

    65

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2018/12/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

呆から方、そして宝 読まなきゃ意味の分からない「ほう」繫がり。 悪鬼だ、慚愧だのオドロオドロしいホラータッチの前半から、人の醜い本性が生み出す邪鬼がそのすべてと後半は愚かな人間模様に変わっていく。 長らくお待たせしました、宮部ワールド! 長い長い前置きが一気に編み上げられたモチーフ網みのように整然と畳み込んでくる。 ラストの文面が薄っすら溜まった涙で滲んでしまいます。 続けて読みたくないのは、この感動が続くと慣れてしまうから。 また宮部さんはしばらく休閑だな。

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2018/12/17

読み終わった後も、何度も色んな場面を思い起こせる程に登場人物達が印象的で、各シーンの描写が丁寧な作品でした。 丸海の世界に入り込んでしまい、上下巻あってもあっという間でした。

Posted byブクログ

2018/10/14

宮部さんの時代物をお勧めされて手に取った一冊。 何かを隠れ蓑にして自分の醜い部分を隠そうとしたり、他人の不幸を心から悲しめない人間のどろっとした面と、一方で純粋に、心から相手を信じることができる人間の面と。相反する面が描かれているが、それがまた人間臭い。 ほうもこられから成長...

宮部さんの時代物をお勧めされて手に取った一冊。 何かを隠れ蓑にして自分の醜い部分を隠そうとしたり、他人の不幸を心から悲しめない人間のどろっとした面と、一方で純粋に、心から相手を信じることができる人間の面と。相反する面が描かれているが、それがまた人間臭い。 ほうもこられから成長する中でどろっとした人間の一面も出てくるのだろうが、まさに加賀様が見出した、宝のような純粋な人間の面をいつまでも持ち続けて欲しいと願うばかりである。

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2018/05/21

江戸から代参で金毘羅参りに来て付き添いの女中に捨てられた、9歳の「阿呆のほう」四国の丸海でなんとか生きて行く彼女と、女の引き手見習い(江戸でいう下っ引き見習い)の宇佐との出会い、藩の匙家での変死やら、江戸から流されて来た罪人の加賀様の噂。 さまざまな噂や事件が同時進行して、不穏な...

江戸から代参で金毘羅参りに来て付き添いの女中に捨てられた、9歳の「阿呆のほう」四国の丸海でなんとか生きて行く彼女と、女の引き手見習い(江戸でいう下っ引き見習い)の宇佐との出会い、藩の匙家での変死やら、江戸から流されて来た罪人の加賀様の噂。 さまざまな噂や事件が同時進行して、不穏な空気が濃くなってゆく。たくさん人が死にます、善人も悪人も。 最後まで読んで泣いてしまった。 読書で泣くのは久しぶりだった。

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2018/05/16

再読。前回読んだときの印象は、とにかく位だけの辛気くさい印象で途中で読むのをやめたぐらいだが、今回は全く印象が変わった。 ストーリーはともかく、ほう、宇佐、加賀殿など登場人物が皆心温まる人々で、土着の風習や庶民の生活を背景に描く宮部みゆきの世界にはめられた。

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2018/03/22

人の心は弱い。やるせなくて涙が出る。 でもね、不安と動乱の連鎖の中、立ち上がる人々の心の強さにも泣けてくる話です。 加賀殿と ほう は、支え合っていたのでしょう。 強く優しい人たちの心を惹きつけ、自分なりに前向きな気持ちを持ち続けて生きる ほう が、ちょっと羨ましくなりました。...

人の心は弱い。やるせなくて涙が出る。 でもね、不安と動乱の連鎖の中、立ち上がる人々の心の強さにも泣けてくる話です。 加賀殿と ほう は、支え合っていたのでしょう。 強く優しい人たちの心を惹きつけ、自分なりに前向きな気持ちを持ち続けて生きる ほう が、ちょっと羨ましくなりました。 宮部さん、ありがとう。

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2018/03/15

人は見たい物を見る、聞きたいことが聞こえてくる。空気感というものは怖ろしいものです。綺麗な丸海の風光、怖ろしい出来事、そして登場人物の純粋さ。これらがお互いを引き立て素敵な物語でした。でも、宮部さん、宇佐には生きてて欲しかったなぁ。最後の、ほうは「宝」。やられました。

Posted byブクログ

2017/12/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評価は1. 内容(BOOKデーターベース) 加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。妻子と側近を惨殺した咎で涸滝の屋敷に幽閉された加賀殿の祟りを領民は恐れていた。井上家を出たほうは、引手見習いの宇佐と姉妹のように暮らしていた。やがて、涸滝に下女として入ったほうは、頑なに心を閉ざす加賀殿といつしか気持ちを通わせていく。水面下では、藩の存亡を賭した秘策が粛々と進んでいた。著者の時代小説最高峰、感涙の傑作。

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2017/11/10

穏やかな瀬戸内に面した丸海藩。そこにやって来た悪霊。町人、役人、そして幕府…それぞれの思惑が絡み衝撃のラストへ…

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2017/10/09

全編を通して轟く雷鳴の音が印象深い。 よく神社などにお参りすると祀られている神様の謂われなどが書いてある。 まるで神話かおとぎ話のように今まで読み流していたが、そういう伝説の背景には加賀様と丸海藩のような物語が隠されているのかもしれないと思った。 2017/10

Posted byブクログ