フリー の商品レビュー
===引用ここから== 二一世紀の無料(フリー)は二〇世紀のそれとは違う。アトム(原子)からビット(情報)に移行するどこかで、私たちが理解していたはずの現象も変質したのだ。「フリー」は言葉の意味そのままに「無料で自由」であることとなった。 ===引用ここまで=== 「アトム(原...
===引用ここから== 二一世紀の無料(フリー)は二〇世紀のそれとは違う。アトム(原子)からビット(情報)に移行するどこかで、私たちが理解していたはずの現象も変質したのだ。「フリー」は言葉の意味そのままに「無料で自由」であることとなった。 ===引用ここまで=== 「アトム(原子)からビット(情報)に移行」。このくだりが大好きなのです。 本著では、IT技術の飛躍的な革新により、モノの価値を図る概念の変化が起きた結果、経済活動(”稀少な資源をめぐる選択“と呼べる)の在り方を変える必要性を説きます。 巻末付録では、フリービジネスを以下の3つに大別し、50個の例を挙げています。 フリーその1。直接的内部相互補助(例えば、製品は無料・サービスは有料。その逆も然り。サンプル配布、駐車無料など) フリーその2。三者間市場あるいは市場の“二面性”(ある顧客グループが別の顧客グループの費用を補う) フリーその3。フリーミアム(一部の有料顧客が他の顧客の無料分を負担する) また「無料のルール」として、以下10個の原則にまとめています。 1. デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる 2. アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない 3. フリーは止まらない 4. フリーからもお金儲けはできる 5. 市場を再評価する 6. ゼロにする 7. 遅かれ早かれフリーと競いあうことになる 8. ムダを受け入れよう 9. フリーは別のものの価値を高める 10. 稀少なものではなく、潤沢なものを管理しよう 顧客からお金や時間を確保するために、古典的な広告収入やキックバック、無料サンプル、アイテム課金などあらゆるビジネススキームが開発され、我々の生活に浸透している事実を再認識しました。 一つ一つのビジネスがどう成り立っているか図式化すると、なるほどこんな方法で儲けることができるのか、と驚くものが多くあります。柔軟で、目先のキャッシュにとらわれない思考が求められますね。豊富な資源によりリスクが低下されている現実を再認識し、まず挑戦してみて早めに失敗してみることが重要ですね。
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1.ガソリンスタンドの無料空気入れは補完的商品 2.情報処理能力と記憶容量、通信帯域幅がはやくなり、性能が上がり、安くなる三重の相乗効果をオンラインは享受している。 3.コンピューターで解放された人間の価値を再提供できるかが社会の役目。 4.価値の変遷をとらえ、利用する。 5.ムーアの法則。 ゼノンのパラドックスは原始の反発作用が原因。ニュートンは微積分で解決。 6.コモディティ化した情報は無料に、カスタマイズされた情報は高価になる。 コモディティとは、競合の中で機能、ブランド力の差異がなくなり、低価格化し、普及すること。 7.ダンバー数である150人以上になると、集産主義が緩む。 8.フランスの経済学者、セーの法則。供給はそれに等しい需要をつくる。なにかを作れば、世界がその使い道をみつける。アップル、ジョブズ→これが欲しいんだろ。 9.ハッカーはMiTの鉄道模型クラブの回路作成チームからうまれた。潤沢な情報は無料に、稀少な情報は高価になる。パラドックスと矛盾はちがう。前者は常に前進し、他方を捕まえれば他方の背中を捕まえる。パブも電話も内容は関係ない。ただ方法と場を提供した。 10.好きなだけ遠くにいけるが、好きなだけスピードはだせない。 11.ほぼ0の限界効用をしらない。私たちはフリーの世代。情報タダは当たり前。 12.替え刃、ネットゲーム、プリンターのインク、それらは本体を買って終わり、から、継続収益確保のビジネスモデルとして成功した。 無料のルール 1デジタルのものはいずれただになる アトムも無料になりたがるが、ゆっくりである フリーは止まらず、利益を出せる。 市場を再評価する。その周辺で儲けよ。 コストが0に向かうならいずれ無料になる。であれば、早く無料にして注目を集めよ。 あなたが出している商品もいずれ誰かが、フリーにする。100%無料は強い。あなたも無料 にして別のものをうるか、価格の違いを埋めるだけの差別化をはかるしかない。 「容量がない」は希少さに基づくビジネスをしている今際の声。 無料にするとモノやサービスは高次のレイヤーに向かう。 デジタルを使ってビジネスをすると母艦が沈むことを恐れずに、早めに失敗しろ、という企業文化に代わる フリーのタイプは時間制限、機能制限、人数制限、顧客タイプによる制限の4つ。 時間制限は、実行しやすいが、低価格競争で共倒れのリスクが小さい。本気の客がすくない。 機能制限は最大のユーザーをえることができる。有料版に移るときは忠実なユーザーとなっている。 無料ユーザーの価値 従来の試供品とは違うフリーミアムを説明している。従来は95パーセントを売るために5%を無料。しかし、今は逆。これがなぜ成り立つか、それはデジタルの限界費用が限りなく0に近いため、95%の製品を作るコストが少なく、大きな市場にアクセスするためのコストを容認できるからである。オンラインゲームは有料ユーザーが5~10%いれば破綻せず 利益も出せる。ペニーギャップと格闘する会社は3~5%が有料ユーザー。有料ユーザー10%がどれだけ無料にして潜顧客をつかまえるか、のポイント。 3つのビジネスモデル フリーのビジネスモデルは大きく分けて3つ。直接的内部相互補助(マックのタダのコーヒーや携帯端末タダ。アマゾンのいくら以上で送料無料など)二つ目は市場の二面性。例えば子供は無料、大人は有料、コンテンツは無料、広告主から掲載料をとる。三つめはフリーミアム。顧客のだれか別の顧客の負担をする。例えば、雑誌や本などの印刷物は有料、デジタルは無料、 デモ版は無料、完全版は有料。など。
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-シェアハウスの本棚にあったので読んでみた。 -古くはレシピを無料にしてゼラチンを売った「ジェロ」、カミソリ本体を無料にしての替え刃を売った「ジレット」の話とかはやっぱりインパクトある。要はこういうフリーを使ったビジネスモデルを生み出せるか。 -何気に残ったのは「アンカー」の考え...
-シェアハウスの本棚にあったので読んでみた。 -古くはレシピを無料にしてゼラチンを売った「ジェロ」、カミソリ本体を無料にしての替え刃を売った「ジレット」の話とかはやっぱりインパクトある。要はこういうフリーを使ったビジネスモデルを生み出せるか。 -何気に残ったのは「アンカー」の考え方。「朗読を聞く」という行為に「何ドルなら払うか」と聞くのと「何ドルもらえるなら我慢して聞いてもいいか」と聞くのでは全く違った答えが返ってくるという話。facebookのシェアとか、amazonのレビューとか、タスクのようであって人が喜んでやっていることっていうのは、そもそも前提として人は金を払ってでもやりたいことになりうるのかもしれないと思った。 -ペニーギャップの話も面白かった。人は無料の状態だと思考停止して「とりあえず」もらったり、登録したりする。ただそこに1セントでも料金が発生すると、選択をするというコストが発生する為、一気に心理的ハードルが高くなる。「売上を五ドルから五〇〇〇ドルに増やすのは、ベンチャー事業にとってもっとも難しい仕事ではありません。ユーザーになにがしかのお金を払わせることがもっともむずかしいのです。」 -タダのものは大切にしない。グーグルの無料スナック菓子はみんな残すし、慈善活動で無料であげたバスの乗車パスもバンバンなくす。ただそこに1ドルでも課金すると人は大切にしてなくさないようになる。フリーというのも本当に使いようなんだなというストーリー。 -この考え方には色々なビジネスチャンスが隠れていると思う。「あるもののコストがゼロに向かっているならば、フリーは可能性ではなく、いつそうなるかという時間の問題だ。それなら真っ先に無料にすればいい。それは注目を集めるし、注目をお金に変える方法は常に存在する。」 -「私のアドバイスは、ユーザー全体に対する有料ユーザーの割合は五パーセントを損益分岐点にすることだが、望ましい割合は一〇パーセントだ。それ以上の有料ユーザーがいる場合は、無料版の性能を絞り込み過ぎていて最大数の潜在顧客をつかまえていない可能性がある。一方、割合が一〇パーセント未満のときは、無料ユーザーを支えるコストが高すぎて利益をあげられない恐れがある。」 -「企業が創業まもないときの買い手は、数年後の買い手よりも価値が高い。」
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無料からお金を生み出す新戦略として、いろいろな無料で儲けてる事例などを挙げながらこれからの経済取引を考える本。 これまではアトム経済、物質のやり取りが中心だったが、これからはビット経済、情報のやり取りが中心だ。情報は費用ゼロで取引先を増やせるから必ず”無料”と戦わなければならな...
無料からお金を生み出す新戦略として、いろいろな無料で儲けてる事例などを挙げながらこれからの経済取引を考える本。 これまではアトム経済、物質のやり取りが中心だったが、これからはビット経済、情報のやり取りが中心だ。情報は費用ゼロで取引先を増やせるから必ず”無料”と戦わなければならない。といった始まり方をするのだけれど、内容はアトム経済ビット経済の区分けがそれほどはっきりとしてるわけでもなく、きちんとまとめられた考え方とは言い難い内容。 様々な事例をもとにいろいろと書いてあるが、「費用」と「利益」が直接つながらなくなっているという話に集約できると思う。 今後ますますこの”フリーミアム”が深化してき経済活動が複雑化していくのは避けられないと考えたほうが良いと思わされる一冊ではあった。
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すべてがF(ree)になる。 とは別に言ってるわけではないんだけど笑 無料についてこんなに考えたことはなかったので、ゆっくり考えることができる骨太の一冊。 タイミング的には自分がいま関わっている部分もあり、メモしながら読んだ。 無料とは向き合わ合いといけない。 どう無料を使い...
すべてがF(ree)になる。 とは別に言ってるわけではないんだけど笑 無料についてこんなに考えたことはなかったので、ゆっくり考えることができる骨太の一冊。 タイミング的には自分がいま関わっている部分もあり、メモしながら読んだ。 無料とは向き合わ合いといけない。 どう無料を使いこなし、創造性を持たせるか。が大事なんですよね。
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物質の時代からデータの時代へ変わっていく現在の世界での価値観とその対価に対する新たな考え方が示されている。 自分には新鮮で面白かった。
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「潤沢な情報は無料になりたがる。希少な情報は高価になりたがる」「フリーの周辺でお金を稼ぐことが、ビジネスの未来になる」 ①直接的内部相互補助(無料と有料の抱き合わせ)②三社間市場(スポンサー)③フリーミアム(無料版+有料版)④非貨幣市場
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無料の商品(サービス)を提供し、それを起点にして、ほかのもので稼ぐ 無料は潤沢なものが望ましい。コスト0に近いやつ。 ビット経済によりコスト0で無限湧きするものが増えた 従来のアトム経済はコスト0無限湧きしない。 パターンは4つ。 ほかの商品を売る スポンサー狙い フリーミアム...
無料の商品(サービス)を提供し、それを起点にして、ほかのもので稼ぐ 無料は潤沢なものが望ましい。コスト0に近いやつ。 ビット経済によりコスト0で無限湧きするものが増えた 従来のアトム経済はコスト0無限湧きしない。 パターンは4つ。 ほかの商品を売る スポンサー狙い フリーミアム 非貨幣市場の評価(コミュニティ協力、承認欲求、注意経済など) フリーミアムのパターンは4つ。 時間制限:30日無料など 機能制限:アップグレード 人数制限:ライセンス 顧客タイプ制限:企業規模、法人個人などの違い。Unityとか
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グーグル、ユーチューブ、種々のフリーペーパー等の収入獲得方法を知っていれば、本書の記述内容はそれほど新奇ではない(アマゾンの分析もないし)。スポンサーがどこかに居るか、ある種のダンピングの一方法か。それより、①製造業・農業等何かから何かの物産を生み出すケースは射程外、②ある種のソフト開発が本当に個人だけの力によるのか。個人の力でない場合、それを適正に評価して利益の配分ができるか。利益や開発に対する寄与度が正しく確定できるのか。結局、労働時間×時給以上の方法はないのでは?等多くの疑問が湧く書であった。 さらには、無料化は限界費用が限りなくゼロに近づくことでも実現できるというが、それは労働者が取得できる利益を剥奪して実現していないか。あるいは③介護・医療・対人サービス産業も限界費用がゼロであるはずはないが、記述の射程外。本書の所与の前提の幾つかが何の疑問もなく正しいと言えるかに疑義。2009年刊行。情報流通の限界費用の逓減化は首肯するにしても、多様な情報の流通媒体を握る者が、流通情報の選別をしないか。流通情報の埋没による無意味化の懸念も(ただし現代のネット環境に功もある点は否定しない)。
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大盛り無料も同じ理屈だろうか? ちょっと違うきがするのだが・・・・ オーダーの時に「無料で大盛りにできますが」と言われると、つい「お願いします」と言ってしまうが、大盛り無料を期待して店を選んでいるわけではない
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