スコーレNo.4 の商品レビュー
たとえば朝起きて飲むコップ一杯の水の中に、夕方につける玄関の電球の光の中に、ひっそりと過去が溶けている。そういうことを、私たちは知っている。 欲しいものをあれほど欲しいと思える、彼女の心に私は負けている。 ほんとうは私は待ち焦がれていた。その人にこそ、可愛いと思われたかった。他の...
たとえば朝起きて飲むコップ一杯の水の中に、夕方につける玄関の電球の光の中に、ひっそりと過去が溶けている。そういうことを、私たちは知っている。 欲しいものをあれほど欲しいと思える、彼女の心に私は負けている。 ほんとうは私は待ち焦がれていた。その人にこそ、可愛いと思われたかった。他の誰かが何を言おうとも、その人だけが私を可愛いと思ってくれればそれでよかった。 居場所をきれいに整えることは、居心地をよくしてその場所を味方につけるようなものだ。 自分の目を信じなさい。自信を持ちなさい。私たちはあなたを全面的に支持するから。 あの頑なさはなんだったんだろう。
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描写が丁寧な分、主人公の憂鬱が伝わってくるから、重いといえば重い読み心地だったけど、良かった。 共感を呼びそう
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スコーレとは“学校”のこと。中学、高校、大学、就職という4つのスコーレと出会い、成長していく少女の姿を描くお話。自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている麻子。古風な家に生まれ、同じように少女時代を過ごしながら近づいたり離れたりする姉妹の思い。出会いや恋や家族との葛藤を越...
スコーレとは“学校”のこと。中学、高校、大学、就職という4つのスコーレと出会い、成長していく少女の姿を描くお話。自由奔放な妹・七葉に比べて自分は平凡だと思っている麻子。古風な家に生まれ、同じように少女時代を過ごしながら近づいたり離れたりする姉妹の思い。出会いや恋や家族との葛藤を越えて、麻子は自分にとって大切なものを見つけていきます。
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非常にふつうの、どこにでもいる女の子のお話。 欠如した小さな部分に悩み、人から羨まれる部分を持ち、 恋をして、気の会う人に出会う。 誰もが悩んだり、とがったりして成長していく 心あたたまる話。
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前向きな気持ちにさせてくれる一冊。 夢や家族など、遠回りをしていても諦めないことで辿りつけることを教えてくれた本です。描写が丁寧で穏やかな気持ちになり、希望を与えてくれるのでお勧めです^^
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人に勧められて読みました。 間違いなく、自分では出逢えない本。 読み終わってからカバー裏の紹介を見たけど、興味をそそられる要素がまるで無かったのが逆に面白いわ。 女の子の成長に自己投影なんざできねぇと思ってたけど、自分の知ってる女の子に投影できるもんなのね。 でも、部活と青春で...
人に勧められて読みました。 間違いなく、自分では出逢えない本。 読み終わってからカバー裏の紹介を見たけど、興味をそそられる要素がまるで無かったのが逆に面白いわ。 女の子の成長に自己投影なんざできねぇと思ってたけど、自分の知ってる女の子に投影できるもんなのね。 でも、部活と青春で一杯だった頃、女子高生の気持ちだけはよぅ分からんかった…。それ以外はちゃんと女の子と向き合ってたんだなぁとひとしきり。 思い出話はこの辺で。 この本の大きな特長は、とにかく丁寧な文章。教科書に出てくるような、品があるというか、時折作者が大切にしている一文がすぅっと感じられる雰囲気。読みながら緩急をつけるというか、戻ってみたり、立ち止まってみたり、味わいがあるのよね。 特長と言えば、比喩もそのうちの一つでしょう。中々大掛かりなものも多く、使い所も検算された感覚といった感じ。 その比喩の使い所は成長の過程とも密接に絡んでいて、若い時期は比較的大掛かりで深く心に入り込むような仕掛け。大人になってからは、体感的で感覚が言葉に置き換わっている感じ。またその過程を繋ぐのが記憶という大きな感情。 丁寧によられた糸。 きれいに張られ、紡がれる縦糸と横糸。 出来上がる布が美しくないはずはないのよ。 柄や細工ではない、ものの良さが詰まった一冊だと思います。 蛇足ながら内容にも触れましょう。 一人称で書かれた小説のため、主人公の評価は自己の相対的なものしかない。するとその評価の変遷が成長になるのよね。 最後の男に、その情熱が羨ましいと言われ理解が及ばないのが、彼女の自己評価を端的に表しているのよ。 自己肯定の欠如がいつ埋まるのかと思いきや、結論は肯定ではなく逃走もしくは忘却とも呼べるもの。 もっとハッピーエンドでも良かったんじゃないかなぁ。 草食系が蔓延るこの世で、学生じぶんにもしっかり何人も彼氏がいて、外国のレストランでサラリとピアノが弾けるような男に愛されるって、どんだけよ? リアリティーの無さなのか、演出なのか? 演出だったら(であろうが)原点回帰ではない結論が欲しかったなぁ。
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決して、すごい展開があったり、 派手な主人公ではないのですが、 主人公の成長を一冊の本で読めます! いろいろな所に共感できました(^^) 衝撃的なお話ではないですが、心が温かくなりました。 私も一歩ずつでも頑張ろうと思えるお話でした。
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気持ち良い表現が並んでいた。麻子とは自分と共通点が少なかったため、あまり分かりあえなかったけれど、一人の女性が生きる人生を垣間見て、私もこれでいいんだと思う部分があった。
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ひとりの少女がだんだんと大人になっていく、四章にそれぞれの人生の季節を描いた、連作短編集。 決して派手ではなく、淡々とお話は進んでいく。すごく泣けたり、笑えたり、大どんでん返しがあったり、そんなにぎやかさや華やかさはない。 けれど、じんわりと噛めば噛むほどおもしろさが増していくよ...
ひとりの少女がだんだんと大人になっていく、四章にそれぞれの人生の季節を描いた、連作短編集。 決して派手ではなく、淡々とお話は進んでいく。すごく泣けたり、笑えたり、大どんでん返しがあったり、そんなにぎやかさや華やかさはない。 けれど、じんわりと噛めば噛むほどおもしろさが増していくような、折にふれて読み返したくなるような物語。 私は、最初に出てきた「水色」という表現がすごくいいなと思った。ここから一気に物語の世界に急降下。最後には前向きな気持ちでじーんと幸せな気持ちにひたらせてくれました。そして、積み重ねた時間の中でいろんな経験をして、変わっていくことの素晴らしさを教えてくれたような気がします。
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購入して数ヶ月放置後、1日で読んでしまいました。 個人的にはno.3~no.4が好き。 自分にとって大切なもの、大切にしたいものって歳を少しだけ重ねたほうがわかってくるのかも。 そして、こんな恋愛がしたいなあとしみじみ感じてしまいました。
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