悪人(上) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
出会い系サイトを使って数々の男性と会う女性が殺されてしまう。2009年の本にしてはかなり内容が、現代的だなと感じた。しかしこの平成の雰囲気はとても好みである。上は、少々ミステリーの準備のために、スローペースで我慢が必要だが、終盤真相に近づいていき、タイトルの意味や犯人などまだまだ謎は多く、後半が楽しみである。
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シンプルなミステリー小説という感じですが文章力が高くて読み応えがあります、各登場人物の描写が丁寧でそれでいてダラダラしている感がないので良書と思います。
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映画の広告などで殺人犯と逃亡する女性の話だと先入観があったので、逃亡生活のスリルがメインの展開かと思っていたが、全くそんな様子もなく上巻が終了。 文章はスムーズで読みやすく、展開もスピーディ。すぐに続きが読みたくなる。
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殺人はいかなる状況であっても正当化されるものではない。つまり殺人を犯した人は悪人であるか?矛盾するようだけどそれは違うのかも知れない。 仮に悪人だとして、その悪人を愛してしまった人は、その感情を持つことは罪なのか?それは誰が判断できるのか。 行ったこともない九州佐賀の片田舎に流...
殺人はいかなる状況であっても正当化されるものではない。つまり殺人を犯した人は悪人であるか?矛盾するようだけどそれは違うのかも知れない。 仮に悪人だとして、その悪人を愛してしまった人は、その感情を持つことは罪なのか?それは誰が判断できるのか。 行ったこともない九州佐賀の片田舎に流れる少し寂しい灰色の空気感が脳裏に再現された。 「パークライフ」しか読んだことなかったけど、それとはまったく違う書き方。扱ってるテーマもだいぶ離れているから当然と言えば当然。でもこの人の文章が好きだなと改めて思った。 事件を取り巻く様々な人の視点で描かれ、それらのカットが短めのスパンでとめどなく切り替わる。その中にはインタビュー形式で事件のことを振り返る視点もあり、その構成が面白い。 意味深な章タイトルも、読み終えてから見るとグッとくるものがある。 事件が起こって、発覚してニュースになって、被害者の知り合いに伝わって、警察が動き出して、親族に伝わって……という流れ、広がっていく波紋みたいなのがすごく感じられた。実際に起こった事件の経過を見ているよう。 普段僕が見る殺人事件はニュースやネットの記事の中のもので、フィクションとまでは言わないにしても正直現実味が薄い出来事。その現場ではこんなふうに人々が動いているんだ、というのを見た感じ。その緊迫感に夢中になって没頭した。 ※上下巻あわせての感想
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保険レディの石橋佳乃が殺されて峠で死体が発見された事から物語が大きく進み出す 殺したのは誰なのか?何故殺されたのか? また、事件を取りまく関係者の様々な声や出来事を色んな角度から語られ、映画の様なカットで物語が進み、また場面転換して違う角度で語られるので飽きずにどんどん読み進めて...
保険レディの石橋佳乃が殺されて峠で死体が発見された事から物語が大きく進み出す 殺したのは誰なのか?何故殺されたのか? また、事件を取りまく関係者の様々な声や出来事を色んな角度から語られ、映画の様なカットで物語が進み、また場面転換して違う角度で語られるので飽きずにどんどん読み進めてしまう 基本的に重苦しい雰囲気でBGMなども無いようなシーンで進む 上巻の最後でようやく第1容疑者の増尾くん登場で下巻へ続く 内容的にはまだ全然進んでいないので下巻に期待! それにしても20歳過ぎたら自己責任かも知れないが、子供は何歳になっても子供なので、真実を知って娘を信じていたお父さんがかわいそう
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映画化されたときの妻夫木聡と深津絵里を覚えていたので、いったいこの二人は誰の役なのかを考えながら読んでいった。 それにしても佳乃の危なっかしいこと。 殺されてしまうのはかわいそうだけど、こんなな生活してたらいずれ痛い目にあうよ。 映画での配役が気になるが、下巻を読み終わるまでは調...
映画化されたときの妻夫木聡と深津絵里を覚えていたので、いったいこの二人は誰の役なのかを考えながら読んでいった。 それにしても佳乃の危なっかしいこと。 殺されてしまうのはかわいそうだけど、こんなな生活してたらいずれ痛い目にあうよ。 映画での配役が気になるが、下巻を読み終わるまでは調べない!と我慢して読んだ。 続きが気になる。
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祐一が犯人なのかな?と思いながら読んでいて、最後にあれ?と分からなくなりました。 まだタイトルの悪人らしい人物は出ていないような… 誰でも悪人の部分はあるということなのか? 下巻が楽しみです♪
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峠道で発見されたOLの遺体を巡るお話 冒頭で土木作業員が逮捕されていて それが清水祐一であるように描写されているけど、殺人を犯したのが疑わしい この手の物語に散々やられてきた身としては、ミスリードの可能性を2割くらい疑いながら読み進める あと、大学生の増尾も行方不明 こっちも...
峠道で発見されたOLの遺体を巡るお話 冒頭で土木作業員が逮捕されていて それが清水祐一であるように描写されているけど、殺人を犯したのが疑わしい この手の物語に散々やられてきた身としては、ミスリードの可能性を2割くらい疑いながら読み進める あと、大学生の増尾も行方不明 こっちもこっちで怪しそうではあるけど、それもまた二重のミスリードの可能性があるからなぁ 上巻の最期に「実はこっち?」と思わせて、一周回ってというパターンもよくある なので、どちらも犯人の可能性もあるし、第三者の存在も視野に入れてという感じでしょうか それにしても、登場人物のほとんどが何かしらの不快感というか、障るところがある人達ですね
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【2024年32冊目】 九州地方で珍しく雪が降った夜、一人の女性が殺害された。加害者と思われる男性は、事件の前から行方不明とされており、警察が行方を追うものの、なかなかその足取りは掴めない。一方、同夜に彼女とあっていた土木作業員の清水祐一は誰にも言えない秘密を抱えていた――。 ...
【2024年32冊目】 九州地方で珍しく雪が降った夜、一人の女性が殺害された。加害者と思われる男性は、事件の前から行方不明とされており、警察が行方を追うものの、なかなかその足取りは掴めない。一方、同夜に彼女とあっていた土木作業員の清水祐一は誰にも言えない秘密を抱えていた――。 映画化もされた今作、誰が悪人なのかは上巻を読んだだけでは全く判断ができません。登場人物全員怪しく思えるし、被害者もただ被害者ではないところが、事件を更に複雑化させています。上巻の最後の方で一歩真相に近づいた気がしつつ、どう転ぶかわからない展開であり、帯に書いてある「感動のベストセラー」の「感動」の部分がどう描かれるのか、下巻も楽しみになりました。
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吉田修一の長篇小説『悪人〈上〉〈下〉』を読みました。 『日曜日たち』、『横道世之介』に続き、吉田修一の作品です。 -----story------------- 本当の悪人は誰なのか――。不朽の名作、登場! 福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の...
吉田修一の長篇小説『悪人〈上〉〈下〉』を読みました。 『日曜日たち』、『横道世之介』に続き、吉田修一の作品です。 -----story------------- 本当の悪人は誰なのか――。不朽の名作、登場! 福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の土木作業員に殺害された。 二人が本当に会いたかった相手は誰だったのか? 佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、出会い系サイトへアクセスする。 そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。 彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か? その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。 誰がいったい悪人なのか? 事件の果てに明かされる殺意の奥にあるものは? 毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の最高傑作、待望の文庫化。 ----------------------- 2006年(平成18年)3月24日から2007年(平成19年)1月29日まで『朝日新聞』に連載され、2007年(平成19年)に刊行された刊行された作品…… 2010年(平成22年)に妻夫木聡と深津絵里の主演で映画化もされています。 ■第一章 彼女は誰に会いたかったか? ■第二章 彼は誰に会いたかったか? ■第三章 彼女は誰に出会ったか? ■第四章 彼は誰に出会ったか? ■最終章 私が出会った悪人 九州地方に珍しく雪が降った夜、土木作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう…… 母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られ、ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明け暮れる日々、そんな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か―。 馬込光代は双子の妹と佐賀市内のアパートに住んでいた…… 携帯サイトで出会った清水祐一と男女の関係になり、殺人を告白される、、、 彼女は自首しようとする祐一を止め、一緒にいたいと強く願う…… 光代を駆り立てるものは何か? 毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した傑作長編。 犯罪や事件を通して人間の心理や社会の闇を描いたヒューマンミステリ作品でしたね…… 保険外交員の石橋佳乃が殺害された事件をきっかけに、加害者・清水祐一と被害者、それぞれの家族や関係者の境遇、心情を詳らかにしながら、人間模様が多角的に描かれており、その中で徐々に事件の全容か等が紐解かれていく展開、、、 ルポルタージュを読んでいるようなリアリティがありましたねー 祐一を殺人に駆り立てたものは何だったのか、佳乃はなぜ殺されなければならなかったのか…… それぞれが多かれ少なかれ抱えている心の隙間へと掘り下げ、やがてはそれらを含めてひとつの事件として浮かび上がらせていく手腕は圧巻でした。 読みながら、気持ちが物語の中に没入してしまい、登場人物たちの善と悪、愛と憎しみ、罪と罰が交錯する物語に強い衝撃と感動を覚えながら、登場人物たちの視点で事件を疑似体験しているような感覚に陥っていく感じでしたね…… 加害者と被害者、その家族や友人、一体誰が悪人なのか!? 人間の複雑さや理不尽さを深く掘り下げた作品でもありましたね…… 何でか理由は説明できないのですが、読後に涙が出そうになりました、そんな素晴らしい作品でした。
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