闇の奥 の商品レビュー
難解だという評判もあり、実際読みやすい小説ではない。 しかし、未開のコンゴヘ出航する主人公を「闇の入り口を護」る「黒い毛糸を編む女たち」や、「警告の仕草で人差し指を立て」、「熱帯ではとにかく心を穏やかに保つこと」と言ってくる医者が見送る頃にはもう、「密林の闇」、「心臓の鼓動のよう...
難解だという評判もあり、実際読みやすい小説ではない。 しかし、未開のコンゴヘ出航する主人公を「闇の入り口を護」る「黒い毛糸を編む女たち」や、「警告の仕草で人差し指を立て」、「熱帯ではとにかく心を穏やかに保つこと」と言ってくる医者が見送る頃にはもう、「密林の闇」、「心臓の鼓動のように規則的でこもった響きの太鼓の音」、「頭に角をつけた男たち」に囲まれた魔境のジャングルクルーズに引き込まれてしまっている。 これから何が起こるのか、ぞくぞくしながら読み進めるも、肝心のクルツと何があり、何を聞かされたかははっきりしない。解説を読むに、あえて「満たされることに慣れきった感性に冷水を浴びせ」る構成の作品のようだが、もう少し考察の手がかりをくれてもいいじゃん!と思ってしまう。「地獄だ!地獄だ!」という名言があると前情報があったものの、本書の訳は「恐ろしい!恐ろしい!」だったのも肩透かし感(原文のニュアンスには「恐ろしい」のが近そうだけど)。 現代の刺激的なコンテンツにちょっと慣れすぎてしまってるのかもしれないな…。
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船乗りとなった主人公が、コンゴの奥地に消えた大金持ちを探しに現地へ向かうというお話。 植民地主義、帝国主義を糾弾する!という本だそうだが、既視感のある叙述が続き、読み切るのに体力を使った読後感。
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ポーランド生まれのイギリス人作家コンラッドの作品。自身が1890年ごろコンゴ自由国を訪問した経験に基づき書かれている。当時のヨーロッパから見たアフリカがどのような印象であったかがよくわかる。
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解説を読むと、どうやら著者はそのように仕向けているのだろうが、読者の受け取り方で評価が分かれる作品となっている。 読後、モヤモヤが残る。
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- ネタバレ
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想像してたより読みやすかった。 200ページもないしこざっぱりしているけれど、突き詰めて考えると色々と考えられる話。 クルツが話す場面はそんなにないもののひとつひとつの台詞のインパクトが強かった。 『正しく生きて、死ぬ、死ぬ……』 『私は闇の中に横たわって死を待っている』 『怖ろしい!怖ろしい!』 など。 婚約者に『彼が最期に口にした言葉は──あなたのお名前でした』と嘘をつく場面も胸にくるものがあった。
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素晴らしい翻訳で熱帯のジャングルの人を寄せ付けない世界の出来事とそんな世界が生み出した人物の難解な物語を一気に読ませる。物語は夜更けのテムズ川に浮かぶ船の上で船乗り仲間にコンゴ川での経験を振り返って語るという語りの形式で、マーロウの語りを聞いている人物が小説の中にも存在していて、...
素晴らしい翻訳で熱帯のジャングルの人を寄せ付けない世界の出来事とそんな世界が生み出した人物の難解な物語を一気に読ませる。物語は夜更けのテムズ川に浮かぶ船の上で船乗り仲間にコンゴ川での経験を振り返って語るという語りの形式で、マーロウの語りを聞いている人物が小説の中にも存在していて、語りを聞いている人物が主体となっている入れ子的な構造。ほとんどの部分はマーロウが主人公の視点となっているが、あえてそれを客観的に聞く人物を設けることでアフリカでの出来事が幻のように遠い世界の話に聞こえる効果もある。 クルツがどのような存在なのか。これはほとんど暗示的に示されるばかりで善か悪かも判然とはしない。かつて優秀で優れた人格を持っていた人物のように見え、アフリカの奥地での生活が彼を変えたというのではあまりにも単純に感じる。クルツには人間の本来持っている可能性の極端さが表れているのかもしれない。「怖しい、怖しい」というのはそんな人間の本質への怖れなのか。というのも浅薄か。
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すごい話だなあとは感じるのだ。 がしかしそれを面白く思えるかどうかは別物。 私にはこの小説のユーモアは一切感じとることはできなかった。 ただ、そこにあるのは人の愚かさと欲望と死と汚れで、それらをエサにして、完全に包み込む圧倒的な闇。 光は欠片もない、つまりはそこに神はいない。 映...
すごい話だなあとは感じるのだ。 がしかしそれを面白く思えるかどうかは別物。 私にはこの小説のユーモアは一切感じとることはできなかった。 ただ、そこにあるのは人の愚かさと欲望と死と汚れで、それらをエサにして、完全に包み込む圧倒的な闇。 光は欠片もない、つまりはそこに神はいない。 映画、地獄の黙示録の原作らしい、さもあらん。
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未だにわからない 「The horror! The horror!」だけが入ってくる この作品を理解できるだけの人生はまだ自分は経験してないなぁ 余談だが解説が長すぎる!
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濃密な文章で読みやすくはないが、そのおかげでアフリカの奥地の猥雑な雰囲気が伝わってくる。 文明からかけ離れた未開の地に足を踏み入れることは、想像を絶するような体験なのだろう。正気を保てず狂ってしまうほど。怖しい!
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映画「地獄の黙示録」の元ネタとなった小説です。映画はあのカーツ大佐が水の中からヌーっと顔を出すシーンが印象的でしたが、よくわからなくて退屈だった思い出があり原作を読んでみました。こちらは普通に楽しめましたので、映画もまた見てみようかなと思います。?
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