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闇の奥 の商品レビュー

3.8

58件のお客様レビュー

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2024/06/09

マーロウはコネでこの仕事に就いたものの、なんか嫌な予感がしてくるのだ。クルツはもと音楽家で婚約者を残して闇の奥でくたばりかけていた。ところがそこにはほかにも若い青年がいてどうやって来たのかもわからない。その青年はそこにとどまりたいという。クルツを船で運ぶ帰りにクルツは、闇での恐怖...

マーロウはコネでこの仕事に就いたものの、なんか嫌な予感がしてくるのだ。クルツはもと音楽家で婚約者を残して闇の奥でくたばりかけていた。ところがそこにはほかにも若い青年がいてどうやって来たのかもわからない。その青年はそこにとどまりたいという。クルツを船で運ぶ帰りにクルツは、闇での恐怖がよみがえり声をあげる。マーロウは婚約者の所へ善意で報告に行く。 みたいな話。マーロウの語り方がよい。たぶん象牙の運搬か何かの仕事だったんだろうけど、まったく仕事の場面はない。謎か?それとも不覚にも読み落としたのか…

Posted byブクログ

2023/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

想像してたより読みやすかった。 200ページもないしこざっぱりしているけれど、突き詰めて考えると色々と考えられる話。 クルツが話す場面はそんなにないもののひとつひとつの台詞のインパクトが強かった。 『正しく生きて、死ぬ、死ぬ……』 『私は闇の中に横たわって死を待っている』 『怖ろしい!怖ろしい!』 など。 婚約者に『彼が最期に口にした言葉は──あなたのお名前でした』と嘘をつく場面も胸にくるものがあった。

Posted byブクログ

2023/03/04

素晴らしい翻訳で熱帯のジャングルの人を寄せ付けない世界の出来事とそんな世界が生み出した人物の難解な物語を一気に読ませる。物語は夜更けのテムズ川に浮かぶ船の上で船乗り仲間にコンゴ川での経験を振り返って語るという、語りの形式で、マーロウの語りを聞いている人物が小説の中にも存在していて...

素晴らしい翻訳で熱帯のジャングルの人を寄せ付けない世界の出来事とそんな世界が生み出した人物の難解な物語を一気に読ませる。物語は夜更けのテムズ川に浮かぶ船の上で船乗り仲間にコンゴ川での経験を振り返って語るという、語りの形式で、マーロウの語りを聞いている人物が小説の中にも存在していて、語りを聞いている人物が主体となっている入れ子的な構造。ほとんどの部分はマーロウが主人公の視点となっているが、あえてそれを客観的に聞く人物を儲けることでアフリカでの出来事が幻のように遠い世界の話に聞こえる効果もある。 クルツがどのような存在なのか。これはほとんど暗示的に示されるばかりで善か悪かも判然とはしない。かつて優秀で優れた人格を持っていた人物のように見え、アフリカの奥地での生活が彼を変えたというのではあまりにも単純に感じる。クルツには人間の本来持っている可能性の極端さが表れているのかもしれない。「怖しい、怖しい」というのはそんな人間の本質への怖れなのか。というのも浅薄か。

Posted byブクログ

2022/12/03

すごい話だなあとは感じるのだ。 がしかしそれを面白く思えるかどうかは別物。 私にはこの小説のユーモアは一切感じとることはできなかった。 ただ、そこにあるのは人の愚かさと欲望と死と汚れで、それらをエサにして、完全に包み込む圧倒的な闇。 光は欠片もない、つまりはそこに神はいない。 映...

すごい話だなあとは感じるのだ。 がしかしそれを面白く思えるかどうかは別物。 私にはこの小説のユーモアは一切感じとることはできなかった。 ただ、そこにあるのは人の愚かさと欲望と死と汚れで、それらをエサにして、完全に包み込む圧倒的な闇。 光は欠片もない、つまりはそこに神はいない。 映画、地獄の黙示録の原作らしい、さもあらん。

Posted byブクログ

2022/07/19

未だにわからない 「The horror! The horror!」だけが入ってくる この作品を理解できるだけの人生はまだ自分は経験してないなぁ 余談だが解説が長すぎる!

Posted byブクログ

2022/01/08

濃密な文章で読みやすくはないが、そのおかげでアフリカの奥地の猥雑な雰囲気が伝わってくる。 文明からかけ離れた未開の地に足を踏み入れることは、想像を絶するような体験なのだろう。正気を保てず狂ってしまうほど。怖しい!

Posted byブクログ

2021/11/18

映画「地獄の黙示録」の元ネタとなった小説です。映画はあのカーツ大佐が水の中からヌーっと顔を出すシーンが印象的でしたが、よくわからなくて退屈だった思い出があり原作を読んでみました。こちらは普通に楽しめましたので、映画もまた見てみようかなと思います。?

Posted byブクログ

2021/10/24

流石に古典に点数を付けるなんて畏れ多くてできないので。勿論、地獄の黙示録経由でプライムリーディングにあったので読んでみたけど、翻訳が黒原さんでラッキー。まさにホールデン判事(実在のモデルもいるようだが)の根底にクルツ氏がいるのは間違いない。また、訳者解説にあるようにクルツ氏の振る...

流石に古典に点数を付けるなんて畏れ多くてできないので。勿論、地獄の黙示録経由でプライムリーディングにあったので読んでみたけど、翻訳が黒原さんでラッキー。まさにホールデン判事(実在のモデルもいるようだが)の根底にクルツ氏がいるのは間違いない。また、訳者解説にあるようにクルツ氏の振る舞いを通した植民地支配への批判というより、実存的な恐怖を描くものという解釈に同意。支配人や巡礼に比べ、ロシア人やクルツ氏自身が魅力的に描かれていることは明らか。だからこそ今読んでも面白がれると思う。最後に蛇足的に婚約者が出てくるところは時代かなぁ、と。

Posted byブクログ

2021/09/12

一度読んだだけではどう解釈して良いのか、私には結論を出せなかったので、再読は必須。ただ、この主人公が人種差別反対主義者であるとは感じなかった。とにかくグレー味が凄い。 終始、もやっとする。恥ずかしながらコンゴの大虐殺の件も知らなかった。これを機に関連書を読んでみたい。

Posted byブクログ

2021/04/15

19世紀末、象牙商人として英領コンゴに入った謎の男に遭遇した船乗りの1人語り。曖昧な筋道と語り口に何度も頁を閉じかけたが、なんとか読了。これが植民地支配、帝国主義糾弾のとば口となったのはまあ、そうかなとは思うが批判が甘い、いうのはなんとも幼稚な見方。「未開の地で王様気分になった挙...

19世紀末、象牙商人として英領コンゴに入った謎の男に遭遇した船乗りの1人語り。曖昧な筋道と語り口に何度も頁を閉じかけたが、なんとか読了。これが植民地支配、帝国主義糾弾のとば口となったのはまあ、そうかなとは思うが批判が甘い、いうのはなんとも幼稚な見方。「未開の地で王様気分になった挙句、魔境に取り込まれてしまう」のは既視感たっぷりだったが、『地獄の黙示録』の原案となったという解説を読んで納得。また、この小説の系譜に『蝿の王』と、そして何より伊藤計劃の『虐殺器官』を挙げた翻訳の黒原氏の解説を読んではたと膝を打つ思いだった。

Posted byブクログ