追想五断章 の商品レビュー
話の設定といい雰囲気といい、一風変わってるかなぁと思ったのだけど、最後の結末に関しては案外凡庸。五つの断章を追うというストーリーは不思議な感じで良かったんだけど、予想の範囲内でまとまってしまった感じ。もっと意外性が欲しかった。 ただ、主人公の感じている閉塞感が、今の世相と同じです...
話の設定といい雰囲気といい、一風変わってるかなぁと思ったのだけど、最後の結末に関しては案外凡庸。五つの断章を追うというストーリーは不思議な感じで良かったんだけど、予想の範囲内でまとまってしまった感じ。もっと意外性が欲しかった。 ただ、主人公の感じている閉塞感が、今の世相と同じですごく息苦しくて胸に迫った。ただ苦しかったという芳光のどうしようもない気持ちとすごくシンクロしてしまった。
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米澤さんの作品ははじめて読んだが、実に素晴らしかった。 解決すべき謎があり、探偵があらわれて謎解きをして、話が終わる。そんな正統派のミステリーだが、このミステリーの謎は、作中人物が書いたショートショートが何のために書かれ、何のためにそこに発表され、そしてその作品を、死んだ作者の娘...
米澤さんの作品ははじめて読んだが、実に素晴らしかった。 解決すべき謎があり、探偵があらわれて謎解きをして、話が終わる。そんな正統派のミステリーだが、このミステリーの謎は、作中人物が書いたショートショートが何のために書かれ、何のためにそこに発表され、そしてその作品を、死んだ作者の娘が何故それを探しているのかが問われている。この小説それ自体も含め、大抵の小説においては、こうした作品の主題に関する答えは曖昧で、書いた本人自身にもはっきりとはわからないものだと思うが、この作中小説には、それら自身の中にさらに謎が仕組まれており、その謎が明らかになれば、上記の三つの問いの答えもわかってくるような、そんな仕掛けがこらされている。それらはショートショートの、象徴性豊かな寓話的な作品であり、その大変短い文章に込められた寓意をじっくり読み込むのも楽しい。小説の最後に与えられる解決には説得力があり、そうした解決へのために仕掛けられた伏線の構成力には舌を巻き、その解決で明かされる作中小説を書いた父と娘の思いの交錯にはしみじみとした感慨を覚えた。 "
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4.3てん いつもより一般向けに書いた作品。 作中の5作品が雰囲気があり、よかったです。 しかし結末が、ファンなら想定内かなと思った。
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内容(「BOOK」データベースより) 古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。 依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。 調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存...
内容(「BOOK」データベースより) 古書店アルバイトの大学生・菅生芳光は、報酬に惹かれてある依頼を請け負う。 依頼人・北里可南子は、亡くなった父が生前に書いた、結末の伏せられた五つの小説を探していた。 調査を続けるうち芳光は、未解決のままに終わった事件“アントワープの銃声”の存在を知る。 二十二年前のその夜何があったのか?幾重にも隠された真相は? リドルストーリーの結末を入れ替えることによって 真相がはっきりしてすっきりしたたけれど 五つの小説共に暗く後味の悪いもので、読んでいてこっちまで暗くなるくらい。 主人公の性格も生い立ちも暗いし、物語全体がとにかく暗い。
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後味悪いなぁ〜 話がつまらなかったとかぢゃなくてね 気味が悪かったです 叶黒白という作家の5つの断章がキーになんだけど その小説が気味が悪かったよ ホラーとかの気味悪さぢゃあなぃんだけどねー 最後にはってさせられたょ さすがこのミスの作家別1位ですね けどやっぱり全体的に気味...
後味悪いなぁ〜 話がつまらなかったとかぢゃなくてね 気味が悪かったです 叶黒白という作家の5つの断章がキーになんだけど その小説が気味が悪かったよ ホラーとかの気味悪さぢゃあなぃんだけどねー 最後にはってさせられたょ さすがこのミスの作家別1位ですね けどやっぱり全体的に気味が悪かったでまとめ。 登場人物とかもみんな気味が悪かったでまとめ。 好きな人は好きだよ多分。
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作中の掌編が味わいがあっていいですね。主人公のこれからの自分の人生に対する不安がストーリー全体を覆っていて、読んでいて重苦しい感じもしますが、そこが良いかと。生きる事の悲しみや苦しみが感じられる物語でした。
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大学を休学して戻る見込みもないまま、伯父の古本屋でレジと力仕事を担当している青年・芳光。 そんなところへ、ある同人誌に発表された作品を追って、若い娘・可南子が訪れます。 父親が若い頃に書いていた小説を見つけ出してくれたら、一作につき10万円出すと。 大学へ戻る足がかりになるかもと...
大学を休学して戻る見込みもないまま、伯父の古本屋でレジと力仕事を担当している青年・芳光。 そんなところへ、ある同人誌に発表された作品を追って、若い娘・可南子が訪れます。 父親が若い頃に書いていた小説を見つけ出してくれたら、一作につき10万円出すと。 大学へ戻る足がかりになるかもと引き受け、しだいに興味を抱いてはまっていくのですが… 叶黒白という妙なペンネーム。過去に起きたらしい事件の真相は… アントワープの銃弾とは? 作品には、「奇跡の娘」はルーマニア、「転生の血」はインド、というようにかって旅行した先で奇妙な話を聞いたという共通点があった。 この短編がなかなか鋭くて~民族的な暗鬱さや激情をほのめかせてユニーク。 過去に描かれた短編と、その中に含まれた謎。 ひとひねりしたミステリですね。 リドルストーリーというのは最後の一行がない、謎が解けていない形式だそう。その短編を読みつないで謎を解くのです。 年月の重みを越えて、痛切な叫びが、短編の中から響いてくるのが味わい深い。 かなり力作です。 五つ星まで行かないのはまあ微妙な読後感…
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紺屋シリーズに近しいのかと思いきや、またそれともちょっと違う別物の雰囲気を感じる。 「犬は・・」の様な毒々しさがない。陰鬱な方だけ。 嫌いではなくまた別の米澤作品を見た気がした。
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体調が悪い中、読んだので、文章が頭に入らなかったせいか、期待した割には、印象が薄い。 おぼろげには分かるのだが、一つ突き抜けたものがないというか、心に訴えるものがないというか。 また、別の機会に読みたい。
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薄暗くて、重くて、そして静寂さ感じる一冊。主人公自体暗いし、主人公を取り巻く環境も暗い。依頼人の可南子も暗い。もうとにかく暗い。でもこの陰鬱さがすごく面白い。リドルストーリー5つ、その結末が5つ。組み合わせによって真相が明らかになっていくなんて、本好きにはたまらない小説だった!!...
薄暗くて、重くて、そして静寂さ感じる一冊。主人公自体暗いし、主人公を取り巻く環境も暗い。依頼人の可南子も暗い。もうとにかく暗い。でもこの陰鬱さがすごく面白い。リドルストーリー5つ、その結末が5つ。組み合わせによって真相が明らかになっていくなんて、本好きにはたまらない小説だった!!古本屋に持ち込まれる相談っていう時点で個人的にツボなのに!しかもタイトルでもある5つのストーリー、つまり5つの作中作も幻想的で魅力的。ラスト陰鬱の中にかすかに感じる暖かさに素直に感動した。
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