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はむ・はたる の商品レビュー

3.9

41件のお客様レビュー

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2022/09/02

6篇から成る連作短編集。深川の長屋で暮らす親のない子の活躍。西條氏らしく、義理人情に子供らの健気さや哀しさが相まってぐっときた。はむ・はたるとは、柾様の仇討ち絡みの女性の事だとわかったが、あくまで子たちが主役でサラッと流したのが良かった。

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2022/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「烏金」の続編。江戸に残された15人が健気に生き抜く連作短編集。 15人の子どもたちの稲荷鮨商売も順調で安心しました。最後に気づかされる。烏金も本作も主役は勝平だった。だから、柾、浅吉も狂言回しか、お蘭の逸話もない。成長する彼らの独立物語を次作に期待ってところでしょうか。 「はむ・はたる」:ファム・ファタルというそうだ。聞いた瞬間、結末が見えるような気がした。運命の女。お蘭さんは、文学で言うところの「男を破滅させる女」がたどる姿に重なる。きっと、殺されるために江戸に戻った。棲み続ける先は柾しかなかったに違いない。悲しみ、空しさ、切なさを抱いて柾の心を掴んだまま、お蘭は願いを叶えた。だから、柾は罪を負う覚悟ができたんだと思う。だから、はむ・はたる。

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2022/01/18

烏金の続編 はむ・はたるとは ファム・ファタルの事で、男を惑わす女の事を言う 今回は、金貸しお吟婆さんの出番は少なく、前作で、お吟婆さんや、長谷部家の 人たちが助けた、15人の孤児達の活躍編で 6編の連作短編。 一編づつ、6人が、一人称で語っていく。 《あやめ長屋の長治》玄太...

烏金の続編 はむ・はたるとは ファム・ファタルの事で、男を惑わす女の事を言う 今回は、金貸しお吟婆さんの出番は少なく、前作で、お吟婆さんや、長谷部家の 人たちが助けた、15人の孤児達の活躍編で 6編の連作短編。 一編づつ、6人が、一人称で語っていく。 《あやめ長屋の長治》玄太12歳 《猫神さま》三治12歳 《百両の壺》天平11歳 《子持稲荷》登美11歳 《花童》伊根9歳 《はむ・はたる》勝平13歳 15人の孤児達の身元引き受け人である、長谷部家の次男坊・柾が、子供達の手助けをする。 柾は、剣術の師匠・谷内重之進の仇を討つため、6年間仇の行方を追って、旅に出ていたが、仇が、江戸に舞い戻ったという噂を聞いて、戻ってきた。 しかし、仇討免除は、持ってはいなかった。 孤児達の過去や、ひたむきさ、人を恋る心。 ほっこりする中に、ほろりとさせられる。 なかなか、良かった。

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2018/05/02

江戸時代、飢饉や親との死に別れ、はたまた売られ 孤児になってしまった子供達15人が肩寄せあい助け合う。 貧乏旗本の隠居の頑固婆が子供達の身請け人に、 読み書きの手習いもさせ、商売の援助も。 個性あふれる子供達が、交代で主人公になり一人称で 語る短編集。人情もので暖かい。 子供達の...

江戸時代、飢饉や親との死に別れ、はたまた売られ 孤児になってしまった子供達15人が肩寄せあい助け合う。 貧乏旗本の隠居の頑固婆が子供達の身請け人に、 読み書きの手習いもさせ、商売の援助も。 個性あふれる子供達が、交代で主人公になり一人称で 語る短編集。人情もので暖かい。 子供達の目を通しての江戸の暮らし、人情物語。 『三途の川〜』が面白かったので 色々と予約ししばらく西條奈加さんの本を読む予定です。 佐伯泰英のような大長編はないので、短い間で読めそうです。

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2017/12/04

背景の説明が足りない部分があり、どうも何かの続編らしいと思ったら、やっぱり「烏金」の続編(「烏金」の粗筋を見るとスピンアウト物という気もします)との事。 「烏金」を読んでなくても大丈夫と多くの人がレビューで書いています。しかし私はむしろこちらから読んだのが良かったような気もします...

背景の説明が足りない部分があり、どうも何かの続編らしいと思ったら、やっぱり「烏金」の続編(「烏金」の粗筋を見るとスピンアウト物という気もします)との事。 「烏金」を読んでなくても大丈夫と多くの人がレビューで書いています。しかし私はむしろこちらから読んだのが良かったような気もします。 確かに背景は不足しています。ただそれを想像しながら読み進めて行くうちに、そうした事がどんどん明らかになって行きます。それも今回の読書の楽しみの一つでしたから。 捨てられて無頼の生活をしていた15人の孤児たち。今は厳しく、あるいは温かく見守ってくれる大人に助けられ、まっとうな生業に就いている。彼らの周りで起きる様々な事件。頭の勝平を中心に、足らぬところは大人たちの力を借りながら解決して行く短編集。 かつての悲惨な思い出などが随所に影を落としますが、それでも前向きで暖かな物語。これぞエンターテインメント時代小説という作品です。

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2016/04/22

孤児たちの奮闘。その裏には、厳しくも優しい大人たちがいる。 柾さまがみんなのもとに戻ってきてくれることを願う。

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2015/12/01

「涅槃の雪」を読んだばっかりだったんで、あれっ高安門佑でてきた!に反応してしまったんだけど、しらべてみたら、この話は2009年に出版されてて、門佑が主人公の涅槃の雪は、2011年なんだよね。すでにこの頃から門佑の話も同時にふくらんで書いていらしたのかもなあ。作家さんてすごいね。頭...

「涅槃の雪」を読んだばっかりだったんで、あれっ高安門佑でてきた!に反応してしまったんだけど、しらべてみたら、この話は2009年に出版されてて、門佑が主人公の涅槃の雪は、2011年なんだよね。すでにこの頃から門佑の話も同時にふくらんで書いていらしたのかもなあ。作家さんてすごいね。頭のなかに江戸の街ができあがって、あちこちで生み出したキャラクターが動き始めるんだろうなあ。 なにはともあれ、これは、ほぼイッキ読みした。短編に分かれてはいるけど、ひとつのつながった物語。 あやめ長屋の長治/猫神さま/百両の壺/子持稲荷/花童/はむ・はたる 表題になっている話がいちばん、メインではあるんだろうけれど、この1冊に冠するタイトルとしては、ちょっと そこ?ってかんじはするけど。。そもそもお蘭が主役ではないし。いちばん中心にいるのは勝平なんだろうけど、語り部の視点がすこしずつ変わるのもまたよかった。不幸な身の上のこどもたちが寄り集まってたくましく生きているさまは、無条件に応援してしまう。これ続編ないのかなあ。シリーズにしてほしいけどなあ。実写はむずかしそうだけど。 (と、おもったら、「烏金」というのが1作めでこれが続編らしい!要チェックだ!) 西條さんいまんとこハズレなしだなあ、好みの作家さんにまた出会えてよかった。こどもが嫌いでなければ、オススメします、この1冊、読みごたえアリ。

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2015/03/18

ハチと花が語る続編をぜひ読みたい。 前作に続き,「涅槃の雪」の高安門佑が脇だけどよい役で出てます。

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2015/02/22

孤児たちが力強く生きていくお話。 みんな大人なんだけど どこか子供な面も残っていて、でもしっかりもので力強い。 すごいなぁ。 そんな子供達を微笑ましく見守ってる貧乏武士の柾さんは ずっと仇を追ってる。 最後は敵討ちするんだけど、なんだか切ない終わり方。

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2014/05/12

「烏金」の続編。浅吉のおかげで商いによって自立できた子供たちが主役。それぞれに辛く悲しい過去をもつ子供達を支える大人達は子供達を一人前の人として信頼し、対等に付き合っているのが凄く良い。お薦めの作品。

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