はむ・はたる の商品レビュー

西條奈加【著】

2009/10/07

　タイトル買い！！大成功！
「はむ・はたる」ですよ「はむ・はたる」！

　江戸の町で稲荷鮨売りとして生計をたてる孤児たちと、その後見のお武家様（…のふらりと帰って来た次男坊）が町の揉め事を解決していく人情時代劇捕物帳。
生意気を言いますが、語り口がちゃんと「時代もの」っぽくて、まず嬉しいです。時代考証とかじゃなくて、あまりに「らしくない」時代劇が多すぎるよ最近…。
お武家様はお武家様らしく、長屋の貧乏人はそれらしく。
　主人公の子供たちも皆たくましくて可愛い。大人にも世間にも夢なんか見てないけど、それでいて絶望もしていない自然体がいい。
それにそれぞれの子供がみんな、「他の仲間にくらべれば自分はそれほど苦労してないよ」とごく当たり前に言うんです。「我こそは可哀想な被害者です」って誰も言わないのがとても好き！