ゲイルズバーグの春を愛す の商品レビュー
大人のための、といっ…
大人のための、といったらわざとらしいが、少なくとも子供向けではないファンタジー短編集。表題作のタイトルは 「…そして焼けつく夏の日々を、また秋を、街路につらなる並木の黒い枝々に雪の降りつもる冬を、私は愛する」と続く。要するにゲイルズバーグという町を愛しているということ。 変わりゆ...
大人のための、といったらわざとらしいが、少なくとも子供向けではないファンタジー短編集。表題作のタイトルは 「…そして焼けつく夏の日々を、また秋を、街路につらなる並木の黒い枝々に雪の降りつもる冬を、私は愛する」と続く。要するにゲイルズバーグという町を愛しているということ。 変わりゆく街とそれを拒む不思議な存在について。京都あたりが百回読んで何事かを学び取るべき寓話かも。ファンタジーといっても、現実から数センチずれた世界をさらりと描いているので読み手が身構える必要も無く、読後感
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名手ジャック・フィニ…
名手ジャック・フィニイのファンタジイ短編集の名作。おススメはヴィクトリア朝時代の少女と現代の青年の叶わぬ恋を描く「愛の手紙」。切なく、ほろ苦い。時空を越えたロマンスにはいつも泣いてしまう。
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ほっこり感が強く新しさもないので私には物足りなかったが、あまり感情を強く揺さぶられすぎないファンタジーを探している人にはいいと思う。
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<再登録>古き良き時代への愛情に満ちた短編集。 懐かしくて愛おしくなるのは戻れない時間だったり、変わってしまった街並みだったり。ビクトリア時代の少女との恋を描いた「愛の手紙」が最高。
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愛の手紙はなにも知らない2人の時空を超えた文通からの恋愛で結ばれないけれど読後すっきりした気持ちになってよかった。コイン・コレクションはなんて不誠実な男なんだと思ったけどこの状況を楽しめる胆力がすごいなと思った。悪の魔力はフリーダのほうが一枚上手で、ありがちな不思議道具もそれを手...
愛の手紙はなにも知らない2人の時空を超えた文通からの恋愛で結ばれないけれど読後すっきりした気持ちになってよかった。コイン・コレクションはなんて不誠実な男なんだと思ったけどこの状況を楽しめる胆力がすごいなと思った。悪の魔力はフリーダのほうが一枚上手で、ありがちな不思議道具もそれを手にしたときの人物の行動が分かりやすくておもしろかった。 表題のゲイルズバーグの春を愛すを筆頭に郷愁や存在していなかった過去へのノスタルジーと憧憬が感じられて国も違う自分まで懐かしいような気持ちになれた。
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ファンタジーのようにもちょっとホラーのようにも読める短編集です。 古き良き麗しのゲイルズバーグの街に押し寄せる近代化に、過去の遺物たちが声なき抗議をしている表題作がノスタルジックで好きです。「愛の手紙」も、SFめいていますが、時間を飛び超えて交わされる愛が切ないです。
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所謂星新一ショートショートのような、SF(?)短編集。 どれもゲイルズバーグの街を舞台にしたストーリーで、テーマはいずれも過去(とりわけ19世紀末〜20世紀初頭)への憧憬。 結末まで含め、読んでいて爽やかな、かつ、温かい気分になるものが多かった。
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ロマンティックファンタジーの短編集というところかな。古き良き時代を懐古するような、ノスタルジー漂う作品が多い。 最後の「愛の手紙」が一番好きだな。
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ド派手なSF感も、強烈なサスペンスも無いけど「不思議な話」の家庭料理を味わっているような感じ。 近代化の波がよせる町に起こる過去からの不思議な力、モノや場所に宿る不思議な現象を描いた物語たち。 2篇読み、味わい方を理解してどの作品も楽しめた。最後の「愛の手紙」の余韻が良い。
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祝・文庫化。何十年かぶりに読みました。瑣末は忘れていても全体を流れる雰囲気は覚えていた通り。愛しさが優しい。
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