ゲイルズバーグの春を愛す の商品レビュー
これはどこの古本屋で買ったか?昭和五十五年発行の初版。表紙の絵が内田善美。随分昔に絵筆を取らなくなった漫画家。本屋で平積みされているとそこだけが浮き出して見えるような気がする。ずっと描き続けて欲しかったけれど… 一般書店で唯一手に入る内田善美の関わった本ではないだろうか… 本を...
これはどこの古本屋で買ったか?昭和五十五年発行の初版。表紙の絵が内田善美。随分昔に絵筆を取らなくなった漫画家。本屋で平積みされているとそこだけが浮き出して見えるような気がする。ずっと描き続けて欲しかったけれど… 一般書店で唯一手に入る内田善美の関わった本ではないだろうか… 本を読んでいると、栞が挟まっていた、天牛書店、そうだった。340円。 SFの短編を集めたもので、その多くは、過去との繋がりがテーマになっている。この原書はアメリカで1960年に発行されているが、既に50年も前の時代の本が古きよきアメリカに対するノスタルジーにあふれているということに凄く不思議な感じがする。 そして、日本では昭和55年(1980年)に発行されている。初めて日本で翻訳されたときにもある種ノスタルジーの相乗効果的な部分はあったのだろうと思う。でも、これを私が読んでいるのは2011年で、幾重にも重なった過去との連鎖にはなんだか少し目眩を覚えるほど。本は時間を越えていくということを実感させられる。 (内容的には、SF小ネタ集的なところもあるけれど、情景描写は素晴らしい。)
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読むとなんともいえないあたたかく切ない感覚に、じんわりとつつまれる。 ペシミスティック・ロマンティック・ファンタジィ。先がどうなるか気になって仕方がないスリル感もありながら、懐古的、退廃的な空気が漂う。ふしぎとそれがとても魅力的。
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『悪の魔力』おどろおどろしい話かと思いきや 原題Love, Your Magic Spell is Everywhereで 同名曲を聴きながらだと、なんだかさらにコミカル? 『独房ファンタジア』は、正直最初 典獄さんの懸念と同様、チョッと騙されたが 清々しい気持ちで読み終える ...
『悪の魔力』おどろおどろしい話かと思いきや 原題Love, Your Magic Spell is Everywhereで 同名曲を聴きながらだと、なんだかさらにコミカル? 『独房ファンタジア』は、正直最初 典獄さんの懸念と同様、チョッと騙されたが 清々しい気持ちで読み終える しかし、なぜ彼は運命に従いかけたのか? 『大胆不敵な気球乗り』 小さな大冒険?高いところは苦手だが しばし夢の空中散歩に 『コイン・コレクション』 新鮮さを失わない秘訣?全く、おとこってやつぁ? 『愛の手紙』 会うことが叶わないだろう相手との 限られた手段と回数の交流を永遠に留める 甘~い物語。最後のヒトコトの余韻が切ない。
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「愛の手紙」が一番好きなくせに、その話のタイトルが表題だと思ってしまう。何度読んでも一瞬間違う。でもいい話。好きな話。
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しみじみと美しいファンタジーです。しっぽりします。でもタイミング的に、この前にブラッドベリを2作ほど読んでたので比べちゃってダメですね…。
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短編集。以前、新聞の書評で「愛の手紙」が勧められていたのに興味を持ち購入。 ノスタルジックなな気持ちにさせてくれる表題作「ゲイルズバーグの春を愛す」、、静謐な雰囲気を持ち、じんわり心に迫る「愛の手紙」が好きです。
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good old daysへの回帰願望、センチメンタルなお話の数々…書店のSFフェアで平積みされてたけれどもこれはファンタジーだ 1960年代の主人公は1890年代に戻りたがり、2000年代にすむ私は1960年代にあこがれる
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ブクブクナイトで紹介。 日本作家のように、雰囲気で情景を伝えるのが上手。 ガツッとした話を好む人にはまるで引っかからない本だと思うけれど、じんわりとその場の空気を味わえる、静かな良作。
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魔法とか大規模なファンタジーではなく、日常を題材にした小さなファンタジーを集めたもの。 『愛の手紙』が一番すき。 珠玉の短編集だと思われます。
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「愛の手紙」が切ないよ〜! 時空を越えた、はかない純愛です。 たった一つの本物の恋は、長い人生を生き抜く礎になってくれるのかなあ。
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