八月の路上に捨てる の商品レビュー
芥川賞といえば、昨今は最新のテーマを大胆に取り入れた問題作が多いイメージだが、一昔前の本作などはテーマも作風も意外とオーソドックスな印象。尖ったところはないが、長く読まれる小説とはこういうものかもしれない。
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一つの文章が短くて、読みやすい。 凝りすぎでない印象的なフレーズも多い。 少し切ないラストも良かった。
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大きな出来事は起こらない、淡々とした日常だけれどじわじわ面白かったです。 3篇とも、入り込み過ぎないし離れすぎないでいて絶妙でした。初めから離れている、表題作の明日離婚する夫婦は置いといて…人と暮らすのって難しいなと思いました。「何もかも本気だったのだ」、しみじみわかります。誰か...
大きな出来事は起こらない、淡々とした日常だけれどじわじわ面白かったです。 3篇とも、入り込み過ぎないし離れすぎないでいて絶妙でした。初めから離れている、表題作の明日離婚する夫婦は置いといて…人と暮らすのって難しいなと思いました。「何もかも本気だったのだ」、しみじみわかります。誰からも理解されなくても、間違ってなかったって思っていたいあれこれ、ある。 長年連れ添ってたら乗り越えられることもあるかもしれないけれど、かといってそれまで待つ気力も体力も残ってない関係も確かにあると思うので。 解説が津村記久子さんで、なんか同じ空気を感じる作家さんがいた気が…津村さんか!となりました。解説の冒頭で、津村さんの小説があんな感じになる理由が垣間見えた気がします。淡々とじわじわ退屈しない同じ空気でも、女性作家さんと男性作家さんの描かれる心情はやっぱり違うなぁ興味深いな、となるので伊藤さんも読んでいこうと思いました。
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表題作のほか、夫婦の関係を考えさせられる3作品が収録されています。表題作では、30歳の誕生日で離婚をすることが決まっている主人公の敦は、自動販売機の缶ジュース等を補充するアルバイトをしています。同僚の水城さんはトラックに乗って補充に回る最終日で、敦と一緒に自動販売機を回ります。敦...
表題作のほか、夫婦の関係を考えさせられる3作品が収録されています。表題作では、30歳の誕生日で離婚をすることが決まっている主人公の敦は、自動販売機の缶ジュース等を補充するアルバイトをしています。同僚の水城さんはトラックに乗って補充に回る最終日で、敦と一緒に自動販売機を回ります。敦は水城さんに、自身も妻も夢が破れ狂ってしまった結婚生活の顛末を話します。 3作品とも人間関係や生活のあり方を考えさせられる作品です。
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1日のなかに濃い人間ドラマが描かれてた。 綺麗な文章だなあ。読んでる間、ストーリーの展開というより、言葉の紡ぎかたに幸せを感じました。
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”「あたしがそっくりなの。色んなものをなくしてなくして、それでも最後は勝つかもって夢見ながらやってんだもん」”
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安定期つれづれの、禁煙に励むお父さんが微笑ましい。 娘のために、生まれてくる孫のために、と思うと、一生懸命になれるんだな。禁煙や娘との会話を通して、考えが研ぎ澄まされて、自らの幸せにじわじわと気づいていく姿も印象的だ。
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2015年6月22日読了。芥川賞受賞の表題作含む3編を収録した短編集。「トラックで都内の自動販売機を回って缶を詰める仕事」という普段考えもしない仕事を描写しながら、やるせない男女の愛情・生活の変化を描く表題作は確かに受賞も納得の、引き込まれる作品。販売機に手を突っ込むとき注意しな...
2015年6月22日読了。芥川賞受賞の表題作含む3編を収録した短編集。「トラックで都内の自動販売機を回って缶を詰める仕事」という普段考えもしない仕事を描写しながら、やるせない男女の愛情・生活の変化を描く表題作は確かに受賞も納得の、引き込まれる作品。販売機に手を突っ込むとき注意しないと手を切りそう・新大久保あたりの販売機は1日2回交換しないと間に合わないといった職業あるあるネタから、「ヘルペスを移しあう」という行為を男女間の粘着的な関係にダブらせたり「母親が美容師で、その職業にはなんとなく気安さを抱く」といったいかにもありそうな人物像を挟み込んだり、短編にはもったいないほどフック的要素を盛り込んだ作品ですごい。あとの2編はどちらかというと明るめ?希望に満ちた作品で、これも面白かった。
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夫婦、父娘の関係って、いろいろあるよねってことがさらっと読める。些細なことを取り上げているのだが、それがリアルに感じられる。
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この作家さんの作品は児童書しか読んだ事がなく、この作品も読み終わって初めて芥川賞受賞作品だと気付きました。 三作からなる短編集なのですが、最後の「安定期つれづれ」が中々良かった。 私の父も、私が妊娠中にこんな事を思ってたのかしら、とニヤニヤしてしまった〜 大きな出来事やオチ...
この作家さんの作品は児童書しか読んだ事がなく、この作品も読み終わって初めて芥川賞受賞作品だと気付きました。 三作からなる短編集なのですが、最後の「安定期つれづれ」が中々良かった。 私の父も、私が妊娠中にこんな事を思ってたのかしら、とニヤニヤしてしまった〜 大きな出来事やオチはないものの、この人の文字はスーッと入ってくる感じがして心地よい。
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