空色ヒッチハイカー の商品レビュー

橋本紡【著】

2012/07/18

特別気負うことなく東大合格、あっさり財務省に就職を決める兄。何をしても完璧な兄の背中を必死で追って、東大B判定まで結果を出した彰二。

ところが、彼は貴重な18才の夏休みに受験勉強を放り出し、兄の残した空色のキャデラックで旅に出た。偽の運転免許を携え、次々とヒッチハイカーを拾いながら西へと向かう彰二の7日間。助手席にはスタイル抜群の美人を乗せて。

夏の空に空色のキャデラック、爽やかな外装そのまま、メロンソーダのように弾ける青臭くて透明な瑞々しいお話だった。
馬鹿馬鹿しいイチゴ飛ばし競技に大事な約束を賭けて挑むシーンがいい。

お兄ちゃん、欲しいなぁ。

2012/07/10

何か足りないような、話に落とし前がついていないような…と思った後で解説を読むと少し納得するかも。ただ主人公は女の子に対して欲目を向けすぎというか、そんな目でばかり見てるのかよという感じであまり好きではなかった。男の子ってこんなものなんだろうか？

2012/07/07

盛り上がりどころがあまりなく、私的にはそんなに引き込まれることはありませんでした。でも終わり方はよくて最終的には読んでよかったです。ただ一度読めば十分な気がしちゃってちょっと残念。

2012/06/01

読みやすいので、なんとなく読み進めていける。だから恋とか、キラキラした青春とかそういう作品かと思った。でも実は、人生のもっと深い部分について、核心をついている。表面はさらっとしていて読みやすいのに、奥深い作品でした。

2012/05/13

高校3年生の夏、受験前の夏期講習を棒に振って彰二は西を目指す。旅の相棒は兄の残したスカイブルーのキャデラックと、ヒッチハイカー杏子。旅の終わりにふたりを待っていたものは・・・。

うん、面白い。作中でも重要な位置づけになってるから、意識して書いてるんだろうけど、昔のアメリカの青春映画みたいなノリ。
道中のドタバタやラストのバカバカしさもそれっぽくてGOOD。彰二と杏子の関係もいかにもって感じ。
そこに兄や友達のエピソードを小出しに挟むことで、アメリカ映画にはないコクが出てるし、リアリティも出てる。日本人向けのいい仕掛けだと思う。
ただ、杏子の旅立ちのエピソードはちょっとありがちな感じ。とはいえ作品として不自然にならずに、かつ物語のベクトルをずらさないためにはあれしかないのかなって気もする。

夏の初めごろに読むとすごく楽しい気持ちになれそうな一冊。

2012/04/29

一人一人の描写をあまり掘り下げずに話が進んでいるからか、杏子ちゃんがはひたすら自分勝手でわがままに感じられたし、さらには主人公彰二もぼんやりとしたヘタレイメージしか掴めなかったから、彼女がなぜ彰二を好きになったかがわからなかった。たくさん出てきた登場人物の誰にも魅力を感じなかったなあ。

2012/04/01

橋本紡は、やわらかい文章なのに、ちゃんと男の子なときもあって、
でも基本的にはロマンチックで、そういうギャップがよいです。

ただのブラコンといえばまぁそうなんだけど、
こんなにロマンのあるブラコン卒業への道はあんまりない。
無免でヒッチハイカーを乗せて神奈川から佐賀までなんて、かっこいいじゃん。

ラストのふたりがすきです。

2012/03/21

旅がしたくなる。
今就活中だからっていうのもあるけど、色んなこと忘れて旅したいなぁ…そんな度胸はないけど(笑)

杏子ちゃんの素性が最後まで明かされないからそこだけモヤモヤ(;´д｀)

2012/02/03

読んだ後に、爽やかさが残る一作。

絶対に越えられない兄をコンプレックスに持つ弟の気持ちは、
自分にもよく分かった。

唐津までの旅はなにかとリアリティがあって、
読んでいてとても楽しかった。

2012/01/26

しまった。やられた。てっきりそうなんだと思ったのに。
杏子ちゃんの取った行動はたぶんおそらく間違いなく、正しい。

お兄ちゃん依存症の僕、彰二。

すごいおにいちゃんなのはわかったし、その背中を目標にしてたのもわかったけど、ちょっと、それは、依存しすぎじゃないかね～。

「流星ワゴン」のような重さはなくひたすらカラリとドライブ。
でも、「ふたり」のようにコンプレックスを抱えた下の子は、ムダな苦労と折り合いをつけて、多分、おそらく、成長していくのだろう。