図書館の神様 の商品レビュー
思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。…「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!…清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく...
思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。…「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!…清く正しくまっすぐな青春を送ってきた“私”には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。ほかに、単行本未収録の短篇「雲行き」を収録。 大人の“私”と対照的な垣内君の高校生らしからぬ落ち着きがおもしろい。 瀬尾さんらしいやわらかい文章が読みやすい。 大きな展開もないから、落ち着いて読める。 主人公の再生の物語。 でも瀬尾さん自身は教職についてちょっと勉強不足なような。 教員採用試験の辺りは、もうちょいリアリティが欲しかったかも。
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何をするにも一生懸命。勉強もスポーツも好成績。清く正しくをモットーにしていた少女が、地方の大学に進学し、海の見える田舎町で高校の講師をしているのには、ある辛い理由がありました。 その上、寂しさを紛らわせ、安らぎを得るために愛した男性には家庭があったり、学校では部員がたった1人しか...
何をするにも一生懸命。勉強もスポーツも好成績。清く正しくをモットーにしていた少女が、地方の大学に進学し、海の見える田舎町で高校の講師をしているのには、ある辛い理由がありました。 その上、寂しさを紛らわせ、安らぎを得るために愛した男性には家庭があったり、学校では部員がたった1人しかいない文芸部の顧問を任せられたり、主人公はそれなりに茨の道を歩んでいるはずなんですが、瀬尾さんらしい、軟らかい語り口が、重苦しい雰囲気をきれいさっぱり払拭しています。他人との、そして世間との距離感が、と~っても心地良いです。 ひとは皆、心に傷を負い、背中に重い荷を背負っているものです。この微妙な距離感が、生きていくうえで大切なのかもしれませんネ。 表題作のほかに「雲行き」収録。
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自分が映画監督なら、映画化したいナンバーワンです。主人公がお墓参りに帰る電車のシーンが特に印象的。そこだけでも映像化してくれないかなー。
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かなりほっこりします。 垣内君は先生が好きだったことになってます。 学校の図書室っていいですよね〜!
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大阪旅のお伴。またかって感じっすね(笑) こちらも駅の本屋さんにてお買い上げ。何かでレビューを見かけて、以前から読んでみたいなぁと思っていた作品。目に付いたので買ってしまった。 ミステリ色皆無な作品を読むことが極端に少ないので、久々に感じるこの感覚。とても優しい物語。 最後ま...
大阪旅のお伴。またかって感じっすね(笑) こちらも駅の本屋さんにてお買い上げ。何かでレビューを見かけて、以前から読んでみたいなぁと思っていた作品。目に付いたので買ってしまった。 ミステリ色皆無な作品を読むことが極端に少ないので、久々に感じるこの感覚。とても優しい物語。 最後までずっと微妙な距離感の教師と生徒が忘れられない関係を築くお話?か?な? うまく説明できなくてもどかしい。 心に傷を持ったキヨが1人きりの文学部青年と係わることで新しい一歩を踏み出して行くのだけど、誰に背中を押されたとかそういった感じではなくて、自然と物事が流れている感じが優しいなぁ切ないなぁと思ってしまった。 オススメの一冊でございます。
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すごく淡々と読んでしまったけど、読後はさわやかだった。 「思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに”私”は文芸部の顧問になった。・・「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!・・清く正しくまっすぐな青春を送ってきた”私”には、思い...
すごく淡々と読んでしまったけど、読後はさわやかだった。 「思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに”私”は文芸部の顧問になった。・・「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」!・・清く正しくまっすぐな青春を送ってきた”私”には、思いがけないことばかり。不思議な出会いから、傷ついた心を回復していく再生の物語。」背表紙より。
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主人公は講師の20代前半女性、菓子教室の先生と不倫している。 彼女の視点でストーリーは進んでいくが、これは20代の女性よりも 高校生向けかなと思いました。 全体的に淡々と話が続くので、山場はありません。 読後感は爽やかですが、設定は皆悩みやトラウマを抱えていて 一歩間違えればとて...
主人公は講師の20代前半女性、菓子教室の先生と不倫している。 彼女の視点でストーリーは進んでいくが、これは20代の女性よりも 高校生向けかなと思いました。 全体的に淡々と話が続くので、山場はありません。 読後感は爽やかですが、設定は皆悩みやトラウマを抱えていて 一歩間違えればとても暗いストーリーになりがちなのに 綺麗に昇華しているのが良かったです。 高校の時に本も読まずに図書館で過ごした時間が もったいなかったなと思いました。
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出会いが別れを呼ぶ。 別れは出会いを呼ぶ。 単純なことなのに、なぜか胸が熱くなった。 無意識のうちに過去の自分と重ねていたからかもしれない。 人のことを一生懸命考えているふりをしていた高校時代。 あの時読んでいたら、きっとあの結果は違っていたかも。 自分の当たり前はきっ...
出会いが別れを呼ぶ。 別れは出会いを呼ぶ。 単純なことなのに、なぜか胸が熱くなった。 無意識のうちに過去の自分と重ねていたからかもしれない。 人のことを一生懸命考えているふりをしていた高校時代。 あの時読んでいたら、きっとあの結果は違っていたかも。 自分の当たり前はきっと誰の当たり前でもなくて。 自分の正義を振り翳してあの人を傷つけたあの言葉も。 幼さゆえの過ちとはいえ、今もまだ消えずに残っていて。 ふとした瞬間のフラッシュバックが恐怖を引き起こす。 直接的、間接的に関わらずとも人を傷つけた経験がある人は。 同じ過ちを繰り返したくないからこそ、臆病になる。 傷ついた2人が傷を舐め合うように見えなくもないけど。 適度な距離感が描かれていてとても気持ち良かった。 過去のトラウマは今も無意識の中に深く刻み込まれているけど。 ようやく冷静に向き合える時期がきたのかもしれない。
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若い子、特に高校生に読んでほしい。 難しいと感じるかもしれないが、この年になると高校のときに読みたかった、と思う本なので。 絶対高校のときに読んだほうが面白かったと思う。
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2009年10月11日読了。 色々な断片が自分と重なる。 「今日」、新刊でもないこの本と今出会ったのも、また一つの縁。
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