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薄闇シルエット の商品レビュー

3.5

90件のお客様レビュー

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2024/08/20

結婚はつまんない事もあるけど、良いこともあって、それをどっちに感じるかは自分と相手のお互いを思う気持ちや態度に寄ってだと思う。 勿論、独身だって、つまんない事もあるし、良い事も合って、自分が選んだ方で、楽しめば良いのではと思った。 ハナは自分のやりたくない事はやらない感じがした...

結婚はつまんない事もあるけど、良いこともあって、それをどっちに感じるかは自分と相手のお互いを思う気持ちや態度に寄ってだと思う。 勿論、独身だって、つまんない事もあるし、良い事も合って、自分が選んだ方で、楽しめば良いのではと思った。 ハナは自分のやりたくない事はやらない感じがした。自分に素直過ぎるのかな。 人の生き方はそれぞれだから、ハナが良ければそれで良いけど。 でも、時々は人と合わせる事も必要だと思う。 そこから、何か見つかるかもしれないから。

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2024/07/06

2006年の作品 主人公ハナ、37歳 友人と立ち上げたこだわりの古着屋の共同経営者 知人達の結婚に焦燥感がある 共同経営者の新たな事業に疎外感を持つ 家族との関わりに悔恨も感じる 長い付き合いの「責任を取る」的プロポーズに納得できず、退屈しのぎの恋愛が長引く事もない 周囲の変...

2006年の作品 主人公ハナ、37歳 友人と立ち上げたこだわりの古着屋の共同経営者 知人達の結婚に焦燥感がある 共同経営者の新たな事業に疎外感を持つ 家族との関わりに悔恨も感じる 長い付き合いの「責任を取る」的プロポーズに納得できず、退屈しのぎの恋愛が長引く事もない 周囲の変化に揺らぐ女性の心情が痛々しい程伝わります これが昭和に書かれたら27歳だったかもしれない そして、令和の女子達はもっとしなやかに生きているのかもしれない 人生勝ち負けだけで判断できない 当事者が自分で守る物を自分で決めていくしかないと いろいろ過ぎてからは思う その時々の人生の社会的平均値に固執していたような気がする 薄闇に浮かぶシルエットは立ち去る彼のものだけでなく、行く先に迷う彼女自身でもある

Posted byブクログ

2024/06/10

わたしはまだハナより一回り若いけど、「結婚」「仕事」「生活」すべてにステータスの高低差があるように感じられ、もつ者ともたざる者との境界線が見え、その土俵から降りて傍観したいと思いながらレールを走り続けてる感じが、とにかくリアルだった。チサトの言ってた持ち物検査って表現、秀逸だな。...

わたしはまだハナより一回り若いけど、「結婚」「仕事」「生活」すべてにステータスの高低差があるように感じられ、もつ者ともたざる者との境界線が見え、その土俵から降りて傍観したいと思いながらレールを走り続けてる感じが、とにかくリアルだった。チサトの言ってた持ち物検査って表現、秀逸だな。。 文句ばっかり言ってるこういう女性いるよなあというのもリアルに感じた理由のひとつ。こうなりたくないなあと、まだそうなってないつもりでいる自分で思う。別に口に出さなくたって、心の中で毒づいたり見下すような性格にはなりたくないな。 印象的だったのがハナが古着屋を始めた理由をタケダくんに話すため、ロンドンでの出来事を語るシーン。たしかになあと思った。日本では古着屋に行く層ってめちゃくちゃ限られてるけど、それは勿体無いなと。 あとはお母さんの話が胸がぎゅっとなった…お母さんが大切にしていたもの、守りたかったお城、受け継がれたかった意思、大切に保管していた子ども服。手作り至上主義の母が作るものをダサいってつっぱねたナエの気持ちもわかる。でもそれを思い返してワンワン泣くのも、わかるよ。 何かを選択し、生きていかなければならない スカッとするような読後感ではなく、リアルだからこそ生き方を考えさせられる、ちょっとずしんとくるお話でした。

Posted byブクログ

2024/05/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

自分の人生にも似たような内容で、過去の記憶を思い出しながら、読んでいた。 人は日々年齢を重ね、何れ死が訪れる。その中で、年齢の節目節目に達した時に、自分は何も手に入れていないと不安になる。それは何故だろうか。自分がいかに目的も無し生きていることの証なのかもしれない。それを無くすためには、自分のなりたい姿を日々イメージして、他人の価値観や視線を気にしない生き方が大切である。 主人公は、家族や親友や友人が幸せに過ごしており、自分にはない物を持っていると思っていたが、それは、自分の考え次第で変わるということに最終的に気付いた。

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2024/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読みながらハナにイライラして、そんなの言ってるからじゃんとか思ってるのにそのイライラは自分がそうだったからと読みにつれて気付いていった。 タケダくんに結婚してやると言われて 納得いかず断るんだけど その時はタケダくんのことなんてなんとも思わないのに 別れて時間が経つにつれてタケダくんとの空気感が楽だったし楽しかったと振り返っちゃう感じ すごくわかる。 したくないことはしたくないくせに してる人をみると羨ましくなる。 でもやっぱり自分のしたいことをしたい 人との繋がりは離れたり新しい縁に巡り合ったり その時々で自分の環境は変わっていくけど 変わらない自分だっていいじゃないかと なんとなくそう思った。

Posted byブクログ

2023/11/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりに読んだ角田さん。角田さんの描く女主人公の呟きは、現実に根付いている。あぁこういう人いるよね。こう思ってしまう瞬間、そして、こういう態度をとってしまう時ってあるんだよね。 薄闇の主人公ハナちゃんは、特に向上心とかもなく、キラキラしてる所を目指してない。でも、やりたくないことは避けてきた人生を歩んでいる。 この本は2006年にハードカバーが刊行されているが、この時代に既に結婚をしてやるとか、家庭を持って子どもを持つのが流れであり女としての幸せとか、旦那に許してもらって仕事をするとか出かけるとか、そういう事に疑問を呈するハナちゃん。 ハナちゃんと共同経営者であるチーちゃんには歳の離れた彼が出来て、仕事でも新たな挑戦に燃えている。 そして、元カレになったタケダくん。距離を少し置いたつもりが、気づいたら別れたことになっていて、新しい彼女が出来て、あっという間に就職して結婚をすることを知る。 1人取り残されたような気持ちになるハナちゃん。 でもそれは自分の選択でもあり、人の幸せは多種多様であり、マウントを取り合うものでもない。 そんなことをふんわりと伝えられた様な気持ちが後味。

Posted byブクログ

2022/11/08

相変わらず辛辣な主人公… そこまで意地を張らない方が生きやすいのでは思ってしまうが、意地は個性なので捨てられないということか? 城を築くという表現が新鮮 結婚はつまらないもの、と突きつけられて 付き合った先 自分で楽しみ方を見つけたもの勝ち

Posted byブクログ

2022/09/20

角田光代得意のダメ男と別れられない女の話と思ったら、ダメ男は真っ当な人間になって主人公から離れていってしまう意外な展開。しかし終盤布絵本ビジネスの辺りからちょっと無理のある着地になってしまった感がある。

Posted byブクログ

2022/05/13

37歳、独身、古着屋を友人と共同経営しているハナが恋愛や結婚、仕事を通して生きることを模索し、生きる作品。 ハナの気持ちがわかる。 やりたいことよりも、やりたくないことや否定から入っては自分を肯定する。 そして、自分が傷つかないように挑戦せず 無意識のうちに癖のように、人と自分...

37歳、独身、古着屋を友人と共同経営しているハナが恋愛や結婚、仕事を通して生きることを模索し、生きる作品。 ハナの気持ちがわかる。 やりたいことよりも、やりたくないことや否定から入っては自分を肯定する。 そして、自分が傷つかないように挑戦せず 無意識のうちに癖のように、人と自分を比較しては自分のないモノの数を数えて過ごす。 過去の自分を見ているようで、誰しもあること。 輪郭を得ないようなストーリーだけれど、このモヤモヤした女性の感情を描けている筆者に拍手。

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2022/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『したくないことを数え上げることで、十年前は前に進むことができたけど、したくないって言い続けてたら、そこにいるだけ。その場で駄々こね続けるだけ』 『作り出すことも、手に入れることも、守ることも奪うこともせず、私は、年齢だけ重ねてきたのだった』 という言葉が効いたー。 ほんと、角田さんの書く文章は、私の心をえぐるんだよなー。もう、心が痛くてしょうがない。 思い起こせば30代後半。 私も主人公・ハナちゃんとおんなじ思いを持っていました。 何も持ってないままただただ歳を重ねることに、すごく恐怖を感じていました。 結婚することが幸せ。子供を産み育てることが幸せ。 それは確かにそうなんだけど、でもだけど、私の人生、もっとほかにも何かあるんじゃない?みたいなそんな気持ちが頭の中をぐるぐる回ってて。 何も持ってない自分を想像するのがすごく怖かったんだと思います。 だけど、「何も持っていない」というのは実は私の思い込みで、本当は私は確実にいろんなことを手に入れてここまできてるんだ。と思えるようになった40代。 あー、私、大人になったのね。なんてしみじみ思ってみたりして。 迷うことも立ち止まることも変化を恐れることも、かっこ悪いことじゃなよ。 いつか自分の手に何かをつかめるその日まで、うんと悩めばいいさ。それも経験さ。 なんて、えらそーなことをおばちゃん言ってみたりする。 薄闇に一筋の光が差したような、そんなラストがとてもよかったです。

Posted byブクログ