薄闇シルエット の商品レビュー
この本、すき。ぐっときた。 感想書こうとしたらとてつもなく長くなっちゃうので、代表として(?)ハナがチサトに言われた言葉を載せておきます。 【持ってるとか持ってないとか、持ち物検査じゃないし、一等とビリを決めるかけっこをしてるわけでもないんだよ。 いくつになったってその人はそ...
この本、すき。ぐっときた。 感想書こうとしたらとてつもなく長くなっちゃうので、代表として(?)ハナがチサトに言われた言葉を載せておきます。 【持ってるとか持ってないとか、持ち物検査じゃないし、一等とビリを決めるかけっこをしてるわけでもないんだよ。 いくつになったってその人はその人になっていくしかないんだから、他人と比べるだけ無駄だよ。】 感想 1、ハナのアイデア『古着で思い出の絵本を作る』って、すごくいいと思うなぁ 2、結婚してて子供もいて仕事もしてるけど、何かを求めるのは同じ。いくつになっても変わらないのかも。
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アラフォー女子の悲哀を描いたような小説で、何も変わらず今のままでいられたらそれで良いんだけど時間と共に周囲が変わっていくことは避けられない現実というのは年齢性別を問わず分かる気がする
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結婚して家庭に入りたくはないけど、仕事をバリバリしたいわけでもない、ずっと今のままでいたい37歳ハナのまわりの変化と、変化を求めてくる社会への苛立ち ずっとこのままでいたいと思ってるわたしにとってハナの心情行動すべてが身につまされた あまりにも心情が一致していたので、後半からは...
結婚して家庭に入りたくはないけど、仕事をバリバリしたいわけでもない、ずっと今のままでいたい37歳ハナのまわりの変化と、変化を求めてくる社会への苛立ち ずっとこのままでいたいと思ってるわたしにとってハナの心情行動すべてが身につまされた あまりにも心情が一致していたので、後半からはハナの身の振り方に なにも決めたくないわたしの人生の救いを見出し始めしまったので、 『まだ始まっていない希望にむかって恐れず頑張っていきましょう』と終わらせたのが、足バタで地団駄踏むくらいいやだったな ずっとこのままでいたい誰にも迷惑かけてるわけでもないしちゃんと毎日働いてるのになんで結婚とか仕事とか決断をもとめられなきゃいけないんだろ なにも考えたくないから逃げつづけてたことすべてに対峙させられて読み進めるのが怖いくらいに、心が乱れた内容でした。 PS ストーリーとしてどうこうとかいえないくらい、 27歳のわたしの心情と一致しているので文庫本を買ってマーカーで羽毛立つくらいに線をひいておきましょう。 『何かが決定されることをわたし自身が拒んでいる』 結婚に思うところがあるわけではない、仕事に思うところがあるわけではない、私はただ、かわってしまう、ということがこわかっただけなのだ。金太郎飴の、外気に触れない真ん中に居続けたかった。 わ 『わたしはどこへも行きたくなかったんだな。そればかりでない、だれにもどこにもいってほしくなかったんだな』
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主人公のハナは無意識の内に他人を見下しているのだなと思った。 友人・家族・恋人など自分の周りにいるあらゆる人を俯瞰で見て、くだらない人生だと冷めた目でみていたのではないか。 ただ、決して他人と自分と比較して自分の方が優れていると思っているわけではなく、あんな風になるくらいなら今の...
主人公のハナは無意識の内に他人を見下しているのだなと思った。 友人・家族・恋人など自分の周りにいるあらゆる人を俯瞰で見て、くだらない人生だと冷めた目でみていたのではないか。 ただ、決して他人と自分と比較して自分の方が優れていると思っているわけではなく、あんな風になるくらいなら今のままでいる方がマシ!と思い込むことで自尊心を保っているようにみえた。 だからハナの周りには「仕事はきちんとしてるがいい歳した独身の女性」ばかり集まるのだと思った。まさしく類は友を呼ぶとはこのことだと痛感した。 自分もそうならないように常に他人へのリスペクトと感謝の気持ちを忘れないようにしたい。
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つまんない。 なんか急にしらける。 そんな時は、とにかくやる理由がないし、しらける理由はたくさんあるし、それに何も困ってないし、居心地いいし。 なのに何故かとても切なくなる。 やりたいことをやる。 大人につれて、それは非現実的で、つらいこと、そしてこうあるべきという型にはめ...
つまんない。 なんか急にしらける。 そんな時は、とにかくやる理由がないし、しらける理由はたくさんあるし、それに何も困ってないし、居心地いいし。 なのに何故かとても切なくなる。 やりたいことをやる。 大人につれて、それは非現実的で、つらいこと、そしてこうあるべきという型にはめられた世界に飲み込まれていく。 ハナの価値観は、やることの意味ではなく、やりたい気持ちに対してまっすぐであること。眩しい! でも本人は猪突猛進ではなく、居心地の良かった過去や見えすぎている未来に囚われて、進めない。 同じことをはじめても、そこで求める価値観によって、人それぞれ違う形になっていく。古着ではチサト、布絵本ではキリエ。知らない間に向かうべき方向性が異なって、息苦しくなる。なんか昔のロックバンドの解散理由みたい笑 新鮮で楽しかった日々が、いつから金太郎飴の毎日になったんだろうと、考えさせられる。 知らない間に、自分のコップの水がいっぱいになって、こぼれないようにそろそろ歩く毎日。そして巡らない水はどろどろに。 しかし、そこから不意に水がこぼれたら。 ハナは、母の死で不意に水がこぼれる。ずっとそこに在ると思い続けていた人を失い、喪失感からたくさんのことに気付く。そしてやりたい気持ちが湧き出てくる。 ハナとの対比として、キリエが面白い。キリエは、いっぱいの蛇口のついたバケツにどんどん湧き出る水が注がれているイメージ。ハナのコップから注がれた水は、あっという間に違う水と混ぜ合わされて、アイデアとして蛇口から放出される。 ハナは、母との別れ、キリエとの出会いの中で、挫折する。でもこれが、自分を見つめ直すきっかけになる。傷つきながらも、踏み出したことによる、新しい手触りに心が動いてる様子は、とても応援したくなる。 タケダくん、結婚してやる、なんて言い方はないよー。力んでると、変な言葉になってしまうのはとてもわかるけど。ゆるんだタイミングに出る本音の言葉のほうが飾らなくて良かったりするんだよなぁ。 その人は、その人になるしかない、か。 つまんないことを、切り捨てることはすぐできる。でも、はじめることで、わかっていたつもりでも沢山の不確実なことがあって、それに打ちのめされたり、うまく乗り越えたり、はたまたリセットされることもある。 変わることの怖さ、変われないことの切なさ、変わったことによる希望(とちょっと挫折)。 ちょっと頑張ってみようかな、と思える本でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」と恋人に得意げに言われ、ハナは「なんかつまんねえ」と反発する。共同経営する下北沢の古着屋では、ポリシーを曲げて売り上げを増やそうとする親友と対立し、バイト同然の立場に。結婚、金儲けといった「ありきたりの幸せ」は信じにくいが、自分だけの何かも見つからず、もう37歳。ハナは、そんな自分に苛立ち、戸惑うが…。ひたむきに生きる女性の心情を鮮やかに描く傑作長編。』 同棲していたタケダ君に飲み会の席でみんなに「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」と宣言され、しらけるハナ。結局破局する。小さい時母親がなんでも手作りの人で、ケーキも手作りだったことを思いだす。 『誕生日に母が役ケーキは、決してまずかったわけではない。どちらかといえばおいしい部類だった。けれどそれはあくまで素人の作るおいしいケーキでしかなった。ケーキ職人のケーキを味わったあとで、母の手作りケーキはいかにも貧乏くさくて、あか抜けず、古典的でマンネリ化していた。けれど母は、自分が作るケーキが誕生日を迎えた人を幸福にすると信じて疑わず、せっせと作る。母をかなしませないために私はそれを食べた。食べたのだが、たとえば私の成績が落ちたり小遣い前借りが続いたりした折に、手作り教の教祖にふさわしい威厳と傲慢さでもって、「今度の誕生日にケーキを作ってあげませんからね」と母が宣言するとき、鼻白むようなあわれむような、苛つくような侮辱したいような、荒々しい気分にったものだ。』 こういう心情の機微に触れる角田光代の文章は読む人を引き込んでいきますね。登場人物が生きている。現状を嫌い否定するのは若い時はいいけど、年とると一歩も前に進まないという37歳女子の話。その焦り苛立ちは分かるけど、振ったタケダ君に電話したくなったり、そうやって揺れ動くのが等身大の人間とも言えるが、ちょっと面倒くさい女でもある。 『ステージでは、陣内さんの親戚らしき人がアカペラで歌をうたっている。演歌かと思ったが、よく聞いてみるとビートルズだった。』 『いくつになったってその人はその人になっていくしかないんだから、他人と比べるだけ無駄だよっ。きょろきょろ人のこと見てるあいだに、あっという間におばあちゃんだよっ』
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naonaonao16gさん、さてさてさん のレビュー力が凄まじく、思わず、お二人のレビューを読んだ瞬間にアマゾンでポチリとやってしまった(笑) 30代後半、独身の主人公 はな。 はな付き合っていた恋人(タケダくん)に「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃ」と言われ疑問を...
naonaonao16gさん、さてさてさん のレビュー力が凄まじく、思わず、お二人のレビューを読んだ瞬間にアマゾンでポチリとやってしまった(笑) 30代後半、独身の主人公 はな。 はな付き合っていた恋人(タケダくん)に「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃ」と言われ疑問を抱く。 結婚してやる?結婚という言葉で私が喜ぶと、どうしてタケダくんは思うのか? 手作り狂だった母。バッグも洋服も、おやつも、誕生日のケーキも母の手作りだった。 食卓には既製品や冷凍食品が並ぶこともなかった。 そして、母は、自分が誕生日に焼くケーキは、誕生日を迎えた人を幸福にすると信じて疑わなかった。 つまんねぇ・・・ 結婚してやると言った、タケダくん。 その時の気分は、母のケーキに対して感じたこととまったく等しかった。 一方、友人と共同経営していた古着屋では、それまでのポリシーを曲げ、売り上げを増やそうとする友人と対立する。 何かを変える、変わるということに不安を感じ、また周りが変わっていくということに、自分だけ取り残された気持ちになる。 自分は何をやりたいのか?自分がやりたいことは何なのか? はなの心の動き、揺らぎのようなものを丁寧に描いた作品。 私は多分変化に強く、やってみたいことはどんどんやっていく。 結婚も、出産も疑問に思ったこともない(笑) どちらかというと、そういう面では積極的な私は、はなとは正反対にいると感じた。 年齢も私の方がはなよりずいぶんおばさんなこともあるかもしれないが、この物語は自分の気持ちとはかなり遠くかけ離れたところにあり、感情移入することが出来なかった(ToT) まだ若く、色々な決断に迷われている年代の人であれば、はなの気持ちが心に響くのだろうなぁ。。。
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周りが変化してるのに自分だけ何も変わらない。そんな状況を認めたくなくて、でも心の中で1番わかっている自分がいて、なんだか切ない気持ちになる一冊。このままじゃ自分やばいなって思わされた。
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読み終わった後、なんだかすごく良い映画を観終わってエンドロールをぼーっと眺め立ち上がる事ができないような余韻にしばらく浸ってしまいました。 (エンドロールの曲は羊文学の「うねり」でお願いします笑 私の拙い感想を書くよりも、心に刺さる言葉がいくつもあるので抜粋して紹介したいと思い...
読み終わった後、なんだかすごく良い映画を観終わってエンドロールをぼーっと眺め立ち上がる事ができないような余韻にしばらく浸ってしまいました。 (エンドロールの曲は羊文学の「うねり」でお願いします笑 私の拙い感想を書くよりも、心に刺さる言葉がいくつもあるので抜粋して紹介したいと思います。 「おんなじ人に育てられたのに、私とあなたとどこで違ったんだろうね。結婚がすばらしい、よきものであって、それは自分にもたらされて当然の幸福だって、どうしてあんたは思うことができて、私はできないんだろうねえ」 私、44歳独身…弟は結婚して子供2人、素晴らしい親孝行息子!たまにちょっとした罪悪感をかんじあています そして、恋愛はしたいのだけど、またアレを繰り返すのかというめんどくさい気持ちを見事に表してる言葉が 「また誰かと出会い、相性を見極め、恋をし、生活習慣をすり合わせ、相手を理解し、自分を知ってもらう、その長い道のりを思いうんざりする」 「ねえ チサトさんもお姉ちゃんもだけど結婚したくないのにどうして恋愛はしようとするの?」 「恋愛でもしてなきゃ退屈だからでしょ」 そうなんです!そうおもいます。恋愛してる時は退屈しないんですよね、でも退屈しない為とは言うものの、たのしいのはたのしいんです。 「わざと子供みたいに声をあげて泣いた。 そうしているとあ自分が何か持っていた気になれた。何か持っていて、たった今それを失ったのだと思う事ができた。そう思う為だけに、私はわざとらしく泣き続けた」 まわりのみんなが新しい道を見つけて歩き出していく、そんな時自分だけが何も無い事に気付かされる とても切ない場面でした… そして、母親が倒れ実家の冷蔵庫を開けたシーン 泣けます 「母のケーキなんて大嫌いだったのだ。貧乏くさくて垢抜けなくて、古典的でマンネリ化している。 この家から出た私がずっとがむしゃらに目指してきたものは、母のケーキと対極にある何かだった。 母は馬鹿だ。三十七歳の娘が母のケーキを目当てに帰省すると信じているんだから。」 恋人でも友達でも共同経営者でも長い事上手くやっていくには、好きなものが一緒よりも、嫌いなものが一緒の方が多分うまくいくのだろう。 でも、時には嫌いで絶対にやりたくないと言い合ってた事もやらなくてはいけなくなってくる それが大人になるって事なのかもしれない チサトがハナちゃんに「みっともないとか、やりたくないとか思うこともやんなくちゃなんない時もあるよ」 そしてハナちゃんも自分のやりたいことを見つけ動き出す!それは大嫌いだった手作り教教祖の母の作った自分たちの子供服がきっかけになってるって言うのも、すごく胸が熱くなります。 他にもたくさんの心に刺さる言葉がありますが、終わらなくなるのでこれくらいにしておきます。 この本を読むキッカケになった、さてさてさん ありがとうございました。 最後に私は純粋恋愛の会を設立します! 会員募集中ですので、お気軽にお声掛けして下さい笑笑
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めんどくさい女だなーと思った。 歳の割に考え方が幼稚。 上から目線でどうのこうの言ってるけど、確かに何にもない。 拗らせ女子。 変わりたくないのはわかった、だけど周りが変わることも否定的。 みんながみんな自分に都合の良い風に役割をあてがわれた人たちじゃない。 新居に自分のこだわり...
めんどくさい女だなーと思った。 歳の割に考え方が幼稚。 上から目線でどうのこうの言ってるけど、確かに何にもない。 拗らせ女子。 変わりたくないのはわかった、だけど周りが変わることも否定的。 みんながみんな自分に都合の良い風に役割をあてがわれた人たちじゃない。 新居に自分のこだわりの物を全く買えないでいるあたりがこの女の全てを表している。 話自体はおもしろかった。
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