ブラック・スワン(上) の商品レビュー
リーマン・ショックをもたらしたのは、90年代初頭からのアメリカのビジネスに対する考え方ではないか、と思っていた。本書では、その漠然としていた仮説を分かりやすく説明してくれた。物理学をビジネスの世界に持ち込み、統計学に基づく不確実性へ対処してきた。しかし、その「統計的に有意でない」...
リーマン・ショックをもたらしたのは、90年代初頭からのアメリカのビジネスに対する考え方ではないか、と思っていた。本書では、その漠然としていた仮説を分かりやすく説明してくれた。物理学をビジネスの世界に持ち込み、統計学に基づく不確実性へ対処してきた。しかし、その「統計的に有意でない」不確実性が実際に発生したとき、とてつもないことが起きるということが想定されていなかった。人は賢しくなってきているのかもしれないが、全く変わっていないところもある。ビジネスは極めて人間臭い。だからこそビジネスは科学できる部分もあるが、そうではない部分もあるという捉え方をしていく必要があると改めて気づかせてくれた一冊。
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リーマンショックを予言していたとされる経済本。 世の中が正規分布に当てはまる世界と当てはまらない世界があり、それぞれの中における戦略は異なるとの内容。 横道のそれる部分が多く、読みずらいのが難。
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哲学や心理学的な内容も交えながら、話はいろんな方向に広がっていって楽しいけど、主題は1つ。世の中、誰も思ってもみなかったような事柄(=ブラックスワン)が結構頻繁に起こるし、しかもその影響が非常に大きいので、未来なんて予測できない。
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これは面白い!夢中で読んだ。 レバノン出身のナシーム・ニコラス・タレブさん。凄い頭の良さを感じた。上を読んだら必ず下を読もう!
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不確実性について真正面から扱った書。 ただ、テーマがテーマだけに、どうも捉えどころがなく、経済についての内容を期待していると肩透かしをくらってしまう。 むしろ哲学的な内容。 表現が冗長だとか、色々なレビューがありますが、むしろ原著もこんな雰囲気なのではないかと予想。 以下、印象に...
不確実性について真正面から扱った書。 ただ、テーマがテーマだけに、どうも捉えどころがなく、経済についての内容を期待していると肩透かしをくらってしまう。 むしろ哲学的な内容。 表現が冗長だとか、色々なレビューがありますが、むしろ原著もこんな雰囲気なのではないかと予想。 以下、印象に残った言葉。 ・歴史は流れない。ジャンプする。 ・私達の身の回りの事象は非線形である。 ・能力だと思っている物のほとんどは結果から後付けされる。 ・ビギナーズラック実証可能。 ・月並みの国、最果ての国。
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授業で勧められた。 未来を予測できる、という思い込み。 もっと深刻なのは、未来は予測できていたという思い込み。 --- 本当のリスクを捨象している人はおばかさん。 リスクを数値化して対策を練ったとしても、それ以外のリスクを考えていない限り成功はしない。 本当に物事が崩壊す...
授業で勧められた。 未来を予測できる、という思い込み。 もっと深刻なのは、未来は予測できていたという思い込み。 --- 本当のリスクを捨象している人はおばかさん。 リスクを数値化して対策を練ったとしても、それ以外のリスクを考えていない限り成功はしない。 本当に物事が崩壊するっていうのは、自らの想像を超えたところにある。 本当に偶然で無意識の、外側から入ってきた要素が影響を及ぼす。それは芸術のみならず、金融など、数字で成り立っている環境でも起こりうる。 想像できないことが起こるということがわかっているということが大切です。
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ファイナンス、経済学が話の中心だが、しいて分類するなら科学哲学に関する書物か。 なかなか面白い知的娯楽本である。 そこらじゅうに有益な指摘が溢れているし、興味深いエピソードてんこ盛りではある。 拡張可能/拡張不能、講釈の誤り、追認の誤り・・・など、これらのアイディアだけでも覚え...
ファイナンス、経済学が話の中心だが、しいて分類するなら科学哲学に関する書物か。 なかなか面白い知的娯楽本である。 そこらじゅうに有益な指摘が溢れているし、興味深いエピソードてんこ盛りではある。 拡張可能/拡張不能、講釈の誤り、追認の誤り・・・など、これらのアイディアだけでも覚えておくだけで、自分の脳みそで考える人間に一歩近づけそうである。 若干、作者の文章センスがユニーク(もしくは訳が悪い?)なせいで、主張が飲み込みづらい部分もあるが、下巻末の用語集を時々参照すれば楽しく読みとおせる。 自分はあんまり真面目にお勉強をしたことがない人間だが、真面目に勉強している人ほど読めばいいと思う。
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第1部 ウンベルト・エーコの反蔵書、あるいは認められたい私たちのやり口 第2部 私たちには先が見えない
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ナシーム・ニコラス・タレブ(NNT)は私にとっての新しいアイドルの一人になった。 本書ブラックスワンは現役のデリバティブトレーダーであり学会の外れ者であるNNTが、ウォール街のスーツや、ノーベル賞の経済学者などを痛快に切り捨てるエッセイである。とは言ってもこれは本書の主題ではなく...
ナシーム・ニコラス・タレブ(NNT)は私にとっての新しいアイドルの一人になった。 本書ブラックスワンは現役のデリバティブトレーダーであり学会の外れ者であるNNTが、ウォール街のスーツや、ノーベル賞の経済学者などを痛快に切り捨てるエッセイである。とは言ってもこれは本書の主題ではなく、あくまでエッセンスだ。少しエッセンスが効き過ぎている感はあるが。 さて真面目な話に戻すとブラックスワンとは不確実性に対する認識と、NNTがそれにどう向き合い、対応してきたかをじっくり物語るタフなエッセイだ。不確実性とは?そう、私たちの周りのものは実は不確実性に溢れている。 3Mを超える人間に出会う確立はほとんど無い、という事はみんなわかっている。本社はこの確立について正規分布(書中では「ガウスのベル型カーブ」と呼称される)の上から限りなく0でない事を示している。 しかし、株式市場が一日にして崩壊するような現象はどうだろう。つい2人ほど前に前述したウォール街のスーツが職を失い、経済学者は何も予測できなかった事例が起きた事は記憶に新しい。NNTはまさにこれこそがブラックスワンであり、それは「3mの人間は(ほとんど)存在しないだろう」という確立とは根本的に異なる事を奥深く議論している。 意味が分からない事を言ってるかもしれないが、本書に記された数多くの事例を読めば私の言っている意味はきっと伝わるはずだ。ちなみに本書は数学的要素を大きく含んではいるが、それらを理解している必要は無い。むしろ、それこそがブラックスワンが見えなくなってしまうフィルターなのだから。
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将来の予測なんてできなんだよっていう本。私たちは通常、起こったことあるいは起こるであろうことには興味津々だが、(運良く)起こらなかったことについて考えることはない。しかしその特性が現実を歪めてしまっているのだ。
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