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たのしい写真 の商品レビュー

4.2

48件のお客様レビュー

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2014/06/27

「写真は真実を写すものではないのです」「写真はポストカードから始めよう」。新世代の写真表現を切り拓いてきた第一人者による、全く新しい、目からウロコの写真教室。

Posted byブクログ

2014/05/30

『くれぐれも技術的に写真かウマくなりたい人や、とっくにプロとして活躍している人は読まないで下さい』ー『はじめに』 写真を撮るのは楽しい、だから写真を撮る。楽しいのはそこに自分が思い描いていた風景が写らないから。でもシャッターを押すのには意志が要る。ということは何か撮りたいと思う...

『くれぐれも技術的に写真かウマくなりたい人や、とっくにプロとして活躍している人は読まないで下さい』ー『はじめに』 写真を撮るのは楽しい、だから写真を撮る。楽しいのはそこに自分が思い描いていた風景が写らないから。でもシャッターを押すのには意志が要る。ということは何か撮りたいと思うものがそこにあるからということにはなる。それが写らないことの何が楽しいのか、それでは何を見て楽しいと思えているのかは余り掘り下げて考えたくはない。だから出来ればファインダーも覗きたくはない。それで十分。 筆者である写真家はそんなナイーブな態度をやんわりと否定している。究極的には写真はカメラという機械とそれを適切に扱う技術であると。それでも写真には否応もなく「私」が入り込み才能の違いは結果となってまざまざと絵として現れるとも写真家は言う。その通り、と思う。でもチープなカメラで大した技術もなく半ばカメラ任せに撮っていてもそれを改めて見てみる時の楽しさは1mmも減りはしない。 写真家の言う写真史の大きな二つの頂の一つは撮るべきタイミングを捉えた写真(それはアンリ・カルティエ=ブレッソンでありキャパである)だという。そしてもう一つの頂がニューカラー。そのアプローチの違いや背景にあるカルチュラルムーブメントなどによる定義付け(それは歴史という文脈に囚われ過ぎていないかという問い掛けを常に意識しなくてはならない問題だろうけれど)の違いはあるのだろうけれど、結局のところ写真が一期一会的であることから逃れられる訳でもなく、例えて言えば音楽史における新な和音やリズムの活用法のようなものではないかなとも思う。 とはいえ自分自身の好みは圧倒的にアンリ・カルティエ=ブレッソンであり、荒木経惟なのだ。切り取られた物語がそこに見出だせるような写真が好きなのだ。しかしどんなに露出を絞ってシャッタースピードを遅くしたって、切り取られる時間は瞬間的だ。バルブにして写し撮った筈の時間の長さも不思議な程に刹那的に凝縮される。にもかかわらずその刹那の間に物語の長さが宿る。そんな写真を極たまに自分も撮る。もちろん、解っている。それは写真が発するものというよりは、自分が読み取ってしまうようなものなのだと。 それでも、そんな写真をやっぱり撮りたいと思う。きっと写真家もそれを否定してはいないだろう。写真は楽しく撮りたい、出来れば少し意味ありげに。それでいいんじゃないか、と強く思える本。

Posted byブクログ

2014/01/11

写真をやっている人は全員読むべきかもしれない! 学問的なところも、そうでないところも、すごく楽しく読めました。 ワークショップやってみようかな・・・。

Posted byブクログ

2013/06/28

あとがきを読むまでは、砕けた文章と簡略化された写真観とに若干消化不良気味であった。 しかしこの本は<あくまでも大学の一般教養レベルの内容>で、<最低限ここから議論をはじめましょうというきっかけ>なのだ。 名取洋之助も云っていたが、どうして写真だけは教えることができないのであろうか...

あとがきを読むまでは、砕けた文章と簡略化された写真観とに若干消化不良気味であった。 しかしこの本は<あくまでも大学の一般教養レベルの内容>で、<最低限ここから議論をはじめましょうというきっかけ>なのだ。 名取洋之助も云っていたが、どうして写真だけは教えることができないのであろうか。どうやって写真の扱い方を学ぶのだろうか。 写真というものは一体なんなのか、その外郭をなぞるにはぴったりの一冊なのではないだろうか。取っ付きやすい。 ただ、それにしては突然出てくる専門用語の説明も簡略化されている故に、丁寧というにはすこし足りない気もする。 何はともあれ、優しい(易しい、とは違う)本だと思う。 個人的にも、新たな写真家たちに出会えるきっかけになった。

Posted byブクログ

2013/05/06

決定的瞬間は1枚の写真で情報を伝えるが,ニューカラーは複数枚で擬似的に時間軸を作って情報を伝える,というのが私の理解. 撮影者-環境と2分して議論されているけど,そもそもこれを2分することがおかしくない?また写真を見る人が抜けていない? と疑問点ばかりだが,それを考えるきっかけ...

決定的瞬間は1枚の写真で情報を伝えるが,ニューカラーは複数枚で擬似的に時間軸を作って情報を伝える,というのが私の理解. 撮影者-環境と2分して議論されているけど,そもそもこれを2分することがおかしくない?また写真を見る人が抜けていない? と疑問点ばかりだが,それを考えるきっかけとして写真論がわかりやすくまとまっていたのは良かった.

Posted byブクログ

2013/04/21

写真っておもしろいな、むつかしいなとページを繰っていくものの、 最後の堀江敏幸さんの対談はテキストも難しくて何を話しているのかついていけなかった。 いずれにしても、ホンマさんはとっても知的な人。

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2012/10/01

写真に思い入れの無い俺にも、フィルムカメラできちんと写真が撮りたい、と思わせる、ある意味すごい本。写真の撮り方についての記述はほぼ一切なく、どちらかというとユルく観賞方法を綴っているといった内容。論旨は一貫してないようで一貫していて、インタビューがときおり挟まったりしても、散らか...

写真に思い入れの無い俺にも、フィルムカメラできちんと写真が撮りたい、と思わせる、ある意味すごい本。写真の撮り方についての記述はほぼ一切なく、どちらかというとユルく観賞方法を綴っているといった内容。論旨は一貫してないようで一貫していて、インタビューがときおり挟まったりしても、散らかった印象は不思議とない。懐かしさがそこはかとなく滲む装丁も素晴らしい。

Posted byブクログ

2012/01/31

本書ではまずモダニズム写真の歴史を「決定的瞬間」と「ニューカラー」に大きく二分して解き明かす.「決定的瞬間」では,高速シャッターを切ることによって被写体の動きを止めて撮る.高速シャッターを切るためには絞りを開かねばならず,その結果として被写体のみにピントを合わせて背景をぼかすこと...

本書ではまずモダニズム写真の歴史を「決定的瞬間」と「ニューカラー」に大きく二分して解き明かす.「決定的瞬間」では,高速シャッターを切ることによって被写体の動きを止めて撮る.高速シャッターを切るためには絞りを開かねばならず,その結果として被写体のみにピントを合わせて背景をぼかすことになる.一方「ニューカラー」では,絞りをしぼりこむことによって手前から奥までピントが合ったパンフォーカスで撮影する.絞り込むためにはシャッターを低速にしなくてはならず,その結果として動く被写体を止めておくことができない.この論理はフィルム感度が低く自由度が低かった時代を理解するものとしては正しい. 現在では高感度での撮影が容易になっており,絞り込んで高速シャッターを切るという新たな象限が考えられる.そこでは動く被写体の動きを止めると同時にパンフォーカスでの撮影も行うことができる.逆に意図的に感度を下げることにより,被写界深度を浅くとったうえに動きブレを含む撮影も考えられる.それらが写真の表現としてどのような意味をもつかについて検討の余地があると思うが,本書ではそれについてまったく触れていない. 続いて本書ではポストモダンの写真を,1) ストレートからセットアップへ,2) 大きな物語から小さな物語へ,3) 美術への接近あるいは美術からの接近,4) あらゆる境界線の曖昧さの 4 つの視点に基づいて位置づける.さらにポストモダンの写真を読み解くためのワークショップとして,1) 写真集から 1 枚を選んでその構造を言語化したうえで同じ構造の写真を撮る,2) 写真が真実だけではないことを意識するために最初からウソを取り込んだ写真を撮る,3) 動きまわる自由や露出・ピントなどを制限した不自由な状態で撮影することを勧める. 最後に筆者は,事前にどれだけ周到にプランニングしたとしても思惑から外れた意外なものが写ってしまうという現実を踏まえて,プランニングの予定調和からどれだけ遠ざかったところで現実を再編集できるのかを問う.現実の断片という意外なものを採用するのか排除するのか,写真家としてのスタンスが問われる.

Posted byブクログ

2012/01/22

写真美術館のブックストアでこの本を買おうかどうしようか考えたときに決め手になったのは、26暗室ポートレイトでした。作家や職人の仕事場を覗くことができるこういう企画にすごくひかれるのです。 写真芸術の歴史を、決定的瞬間~ニューカラーと分析してみせてくれるのも目からうろこでたいへん刺...

写真美術館のブックストアでこの本を買おうかどうしようか考えたときに決め手になったのは、26暗室ポートレイトでした。作家や職人の仕事場を覗くことができるこういう企画にすごくひかれるのです。 写真芸術の歴史を、決定的瞬間~ニューカラーと分析してみせてくれるのも目からうろこでたいへん刺激になった。 自分はいまだに決定的瞬間なのか、と思ったり、ニューカラーをなぞっているだけなのか、と思ったり。

Posted byブクログ

2012/01/16

第1章 講義篇(私家版写真の歴史 年表1 カメラ・オブスキュラ―決定的瞬間 ほか) 第2章 ワークショップ篇(今日の写真を読むためのワークショップその1 写真を読む 今日の写真を読むためのワークショップその2 写真を疑う ほか) 第3章 放課後篇(ポストカードからはじめよう! 慌...

第1章 講義篇(私家版写真の歴史 年表1 カメラ・オブスキュラ―決定的瞬間 ほか) 第2章 ワークショップ篇(今日の写真を読むためのワークショップその1 写真を読む 今日の写真を読むためのワークショップその2 写真を疑う ほか) 第3章 放課後篇(ポストカードからはじめよう! 慌てて買わなきゃ!プラウベル・マキナ ほか) 第4章 補習篇(堀江敏幸さんとの対話 すべての創作は虚構である?) ・モダンとポストモダン ・決定的瞬間とニューカラー (アートとしての)写真にまつわる軸の推移を気づかせてくれる。

Posted byブクログ