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女生徒 の商品レビュー

4.1

151件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2020/12/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

太宰治の本の中で一番好き。学生の間何度も何度も読み返して、どうしてこんなに私の考えていることが分かるんだろうって思った。 「パチッと眼がさめるなんて、あれは嘘だ。濁って濁って、そのうちに、だんだん澱粉が下に沈み、少しずつ上澄が出来て、やっと疲れて眼がさめる。朝は、なんだかしらじらしい。」 「いま、という瞬間は、面白い。いま、いま、いま、と指でおさえているうちにも、いま、は遠くへ飛び去って、あたらしい「いま」が来ている。」 「私たちみんなの苦しみを、ほんとに誰も知らないんだもの。いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘しさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかもしれないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。」

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2020/10/24

「読む本がなくなって、真似するお手本がなんにも見つからなくなった時には、私は、一体どうするんだろう」 表題作の女生徒がとってもよかった、自分にとって満足できる生き方をしていきたい

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2020/10/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人的に短編小説の『皮膚と心』が好きです。 皮膚病で見た目を気にする妻に対して それでも妻を愛し病院に連れて行く夫が 素敵に思いました。 自分と一階に夫がこんなだったら素敵だな。

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2020/09/03

自分のなかの女性的な部分とこの短編集が共鳴してしまい。ずっと手元に置いて大切にしたいと感じてしまいました。「誰も知らぬ」という作品が1番好きです。

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2020/08/23

10代の頃から幾度となく読み返してきたバイブル的作品。 「何故こんなにも私のことが分かるのだろう」この物語を愛するひとの多くがそう感じるのではないだろうか。 ひりつくような世界への鋭い眼差し。 この少女の心情は、同じ女性でも皆が皆もっている感覚でもない気がする。 有明淑という女学...

10代の頃から幾度となく読み返してきたバイブル的作品。 「何故こんなにも私のことが分かるのだろう」この物語を愛するひとの多くがそう感じるのではないだろうか。 ひりつくような世界への鋭い眼差し。 この少女の心情は、同じ女性でも皆が皆もっている感覚でもない気がする。 有明淑という女学生の日記が元になってはいるけれど、男性である太宰治が、この感性を物語へと立ち上げようとしたことがやっぱりもの凄いことだと思う。気高い美意識に支えられた硬派な乙女小説だと思います。 "それよりも、この空は、美しい。このお空には、私うまれてはじめて頭を下げたいのです。"

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2020/04/23

著者が男性ということを忘れるほど、若い女性の勘違いや素直さ恥じらいを捉えていて、すこし若かった頃の自分を思い出して「あ゛ー」という気持ちになった。女性のとことん、男性の影として尽くす姿には失われつつあるものを懐かしむロマンチシズムまで感じた。饗応夫人のみ既読で、昔読んだ時も嫌いだ...

著者が男性ということを忘れるほど、若い女性の勘違いや素直さ恥じらいを捉えていて、すこし若かった頃の自分を思い出して「あ゛ー」という気持ちになった。女性のとことん、男性の影として尽くす姿には失われつつあるものを懐かしむロマンチシズムまで感じた。饗応夫人のみ既読で、昔読んだ時も嫌いだったけど今もやっぱり苦手。あんまり悲しすぎる。

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2021/05/30

口述筆記だと、後から知って納得。 話しかけてくるようで とってもリズミカル。 最高に面白くて、 時々、胸がチクっと痛くて、 自分に重ねて読む。 頭の中のおしゃべりに翻弄されたり 大事にしてくれる人に守られて 子供のようにはしゃいだり 「世の中はそんなものか」と潔く また、全...

口述筆記だと、後から知って納得。 話しかけてくるようで とってもリズミカル。 最高に面白くて、 時々、胸がチクっと痛くて、 自分に重ねて読む。 頭の中のおしゃべりに翻弄されたり 大事にしてくれる人に守られて 子供のようにはしゃいだり 「世の中はそんなものか」と潔く また、全てを知っていながら何も言わず 自分のことよりも相手を考える そんな女たち。 あたしはというと、全てにおいて不器用で 良かれと思ったことも空回りすることが ほんとうに多い。 自分はなんで…と自己肯定感をどこかに置き忘れ それでも、わたしにだって…と わずかでもプラスな部分に光を当ててみる。 世の中をうまーーく渡り歩く人たちや ヒエラルキーを盾にする人たちに それが、どーしたと思いつつ 世の中、そんなもんだよねと どこかであきらめる 悲しく、でも淡々と。 あれから年齢を重ねても、 重ねたからこそ この本に出てくる沢山の女たちに 共感できるんだろうな。 あたしが一番好きな話は やっぱり「女生徒」 【朝は意地悪】 この、たった一言が衝撃的で 太宰のすごさを体感した気がしたっけ… 思考が絶えずくるくる回っている女の子らしい 終わり方も、とっても好き。 芝生の上を笑いながら ころころ転がるように読んだ。 久しぶりの太宰に 明日への気力をいただく…!

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2020/01/05

○「女生徒」は、親の大切さが身に染みる。 ○「皮膚と心」は、女性の好きな人の前では綺麗でいたいと思う心、また、そのことに男性も気づき肯定してあげることが大切。 ○「きりぎりす」は、人間の欲について鋭く描写している。また女性の現実的な物事の見方も描いている。 ○「饗応夫人」は、こん...

○「女生徒」は、親の大切さが身に染みる。 ○「皮膚と心」は、女性の好きな人の前では綺麗でいたいと思う心、また、そのことに男性も気づき肯定してあげることが大切。 ○「きりぎりす」は、人間の欲について鋭く描写している。また女性の現実的な物事の見方も描いている。 ○「饗応夫人」は、こんな人いるなと思いながらも、自分の身は自分で守らないとなと思う。最後はスッキリ酒飲み達を一喝して欲しかったが、、笑

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2019/12/20

燈籠 女生徒 葉桜と魔笛 皮膚と心 誰も知らぬ きりぎりす 千代女 恥 待つ 十二月八日 雪の夜の話 貨幣 おさん 饗応夫人

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2019/08/04

太宰治、あるアニメのキャラクターで大変魅力的であったため、そのモデルとなった太宰治の作品を読んでみたくなって読んだ。正直わたしには合わなかった。それぞれの女性に全く魅力を感じなかったし、その時代ならではの女性の地位の低さ、人生の選択肢の少なさ、自らの謙遜と蔑みがしんどかった。確か...

太宰治、あるアニメのキャラクターで大変魅力的であったため、そのモデルとなった太宰治の作品を読んでみたくなって読んだ。正直わたしには合わなかった。それぞれの女性に全く魅力を感じなかったし、その時代ならではの女性の地位の低さ、人生の選択肢の少なさ、自らの謙遜と蔑みがしんどかった。確かに表題にされている、女生徒は良かった。多感な時期の苦しみは今振り返れば笑えたり、客観視できたりする。けれどその渦中にいる人は、苦しみ、悶え、周りからのもう少し大人になればとか、つかの間の苦しみとか、言われても意味がない。彼女(彼)は今が苦しいのだ。わたしも今振り返れば、なんてことはない、苦い思い出の一つだが、あの頃はとてもしんどかった。一歩間違えれば、今わたしが存在していないこともあり得るのだ。そういう危うさがあの頃にはあるのだ、と考えさせられたな。わたしも経験した分、今苦しい思いをしている青春時代を過ごしている彼女(彼)らに、あっという間に時は過ぎるよとか、振り返ればどうってことないんだよ、とか言ってしまいそうであったと思う。こんな風に気づけるあなたはすごい。

Posted byブクログ