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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2009/05/22 |
JAN | 9784041099155 |
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商品レビュー
4.1
138件のお客様レビュー
よくぞ女心のあれこれを男が書けるものだと感心してしまった。挙句、紙幣を女性に擬人化してまで題材にするとは笑ってしまう。年表を通じて太宰治の生き様を知る限り、本人の実生活そのものを相手(女性)の視点から描いたように思えるし、登場する男は全て太宰本人のような気がして来る。本能の赴くま...
よくぞ女心のあれこれを男が書けるものだと感心してしまった。挙句、紙幣を女性に擬人化してまで題材にするとは笑ってしまう。年表を通じて太宰治の生き様を知る限り、本人の実生活そのものを相手(女性)の視点から描いたように思えるし、登場する男は全て太宰本人のような気がして来る。本能の赴くままに生き、そして自ら終止符を打った作者ならではの作品ではないか。
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どの話も、だから何?っていう、捉えどころのない話、たわいもない日常の一コマなんだけど、女性の心理描写がなんでこんなにリアルに書けるの?って思う。すごい細かい心情まで言語化されてて、太宰治の心には乙女がいるのだなぁって。そして、太宰なんじゃないのこれ?って思えたりする人物多々あり。...
どの話も、だから何?っていう、捉えどころのない話、たわいもない日常の一コマなんだけど、女性の心理描写がなんでこんなにリアルに書けるの?って思う。すごい細かい心情まで言語化されてて、太宰治の心には乙女がいるのだなぁって。そして、太宰なんじゃないのこれ?って思えたりする人物多々あり。 卑下したり、欲情したり、妬んだり、とにかくみんな悶々して爆発したりします。 皮膚と心の妻は拗らせまくってるけど、夫の優しさに包まれて、最後は自信を持ちはじめる、ほっこり作品でわりと好き。 恥、これは面白い。コントのネタかと思う。 勝手に思い込んで勘違いして、ファンレターを送りつける痛々しいファンの女。貴下には女性の読者はいないだろうから応援してあげている、という上から目線のファンレター。しかしとんだ勘違いに気がつき、頭から灰をかぶりたいほど恥ずかしい思いをするというはなし。 太宰って面白い人だなと思う。
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北村薫「太宰治の辞書」から、なんとしても女生徒を読みたいと思い購入。 表題作を含む短編14作は、どれも女性目線の独白小説で、太宰を読みつけない私にとっては男性作家のこの形式はとても新鮮だった。 さて、お目当ての女生徒。 この短編集の表題になるべくしてなっているな、という感想。...
北村薫「太宰治の辞書」から、なんとしても女生徒を読みたいと思い購入。 表題作を含む短編14作は、どれも女性目線の独白小説で、太宰を読みつけない私にとっては男性作家のこの形式はとても新鮮だった。 さて、お目当ての女生徒。 この短編集の表題になるべくしてなっているな、という感想。 思春期の少女が持つ潔癖さ、傲慢さ、いじらしさ、一瞬先でさえ自分の感情をコントロールできない不条理、なんとも言えない焦燥が1日の中で目まぐるしく押し寄せる。 賢く、正しく、美しく生きたい。 自分の理想はあるのだけど、 それに近づけない、頭でっかちで、嘘つきで、まさにロココな今の自分。 疎ましく嫌だと思いながらも、 どこかナチュラルに他の人と比べて、自分の方が優れていると思う土台の上からいろいろな目の前の出来事を判断する感じ。 俯瞰する自分と、出来事にリアクションする具体の自分を統合できなくてぐちゃぐちゃになる、あの感じ。 めっちゃ出てる。 そして、それはここにおさめられている全ての作品に通底しているようにも感じた。乱暴に表現するなら、少女性…というか。 これだけ女性目線の作品ばかりなのに、母性があまり見えないな、と感じるのもそのせいなのかもしれない。 そしてこれはやはり太宰治という人の人生がそうさせているのか。 この作品集を読んだ後、Wikiで調べてみたけど、既知の事実も作品を読んだ後に改めて読むとなんとも味わい深い。 そのうちまた、いろいろ読んでみよ。
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