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八朔の雪 の商品レビュー

4.4

739件のお客様レビュー

  1. 5つ

    328

  2. 4つ

    278

  3. 3つ

    61

  4. 2つ

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2021/07/28

高田さんの『みをつくし』シリーズ。 巻末に料理の作り方も載っていたりで。過去に大阪ガスのお料理教室が開催されていたことを知って、残念行きたかったかなぁと思っていました。 まだシリーズが刊行されたはじめの頃、職場の女性の方も順番に読んでました。20代から60代皆さんが読んで、主人公...

高田さんの『みをつくし』シリーズ。 巻末に料理の作り方も載っていたりで。過去に大阪ガスのお料理教室が開催されていたことを知って、残念行きたかったかなぁと思っていました。 まだシリーズが刊行されたはじめの頃、職場の女性の方も順番に読んでました。20代から60代皆さんが読んで、主人公と幼なじみの太夫の行く末に、人情、恋愛、身分制度、上方や江戸、文化の違い、食文化が生活に密着してかなり異なる部分があると。休憩時間に感想を伝えあいました。別のシリーズのも面白いですよね。

Posted byブクログ

2021/07/21

良かったわ。この本。  江戸と上方との食文化の違い。面白かった。  大阪で八歳の時、水害で両親を亡くした澪。大阪で名の通った料理屋“天満一兆庵”の女将さんに助けられ、やがて天満一兆庵で料理の修行をすることに。だが、その天満屋一兆庵が火事に会い、主の嘉平と女将さんの芳と澪は江戸店を...

良かったわ。この本。  江戸と上方との食文化の違い。面白かった。  大阪で八歳の時、水害で両親を亡くした澪。大阪で名の通った料理屋“天満一兆庵”の女将さんに助けられ、やがて天満一兆庵で料理の修行をすることに。だが、その天満屋一兆庵が火事に会い、主の嘉平と女将さんの芳と澪は江戸店を出した若旦那の佐兵衛を頼って江戸に来た。が、店は無く、佐兵衛は行方不明。ショックを受けた嘉平は命を失ってしまい、芳と澪は長屋に身を寄せ合って生きていた。  生活のために、“つる屋”という蕎麦屋で働いていた澪。ちょっと料理を作ってみろ、と主人の種市に言われ、張り切って作るが客の評判がすこぶる悪い。澪の覚えてきた上方の料理が江戸っ子の口に合わないのだ。  江戸と上方の食文化の違い。例えば。 ・江戸は鰹出汁だが、上方は昆布出汁。何故なら、“水”が違うから合う出汁が違う。 ・上方では料理の素材の色を殺さない薄い色の料理のほうが美味しそうに見えるが、江戸では濃い色のほうが美味しく見える。何故なら、江戸には職人が多いから、塩分の多い味付けのほうが好まれる。 ・江戸では初鰹は歓迎されるが、戻り鰹には見向きもされない。しかし、大阪では寧ろ、脂の載った戻り鰹のほうが人気がある。 ・江戸では酒粕は“酢”を作る材料にしかならないが、大阪では“粕汁”にして美味しく頂く。 ・大阪では客は美味しいものを安く頂けるコスパの良い店が人気があるが、江戸っ子は見栄張りなので、高級料理店へ行ってみたいという客が多い。  今のように江戸と大阪の間を簡単に行き来出来ず、情報も無い頃のこと。澪は江戸と上方の食文化の違いにいちいち驚きながら、なんとか江戸の人に喜んでもらえる料理を考案し、その一つ一つが人気を上げていく。澪の考案した料理。例えば ・昆布出汁と鰹出汁の両方の良いところ(澪は「昆布出汁は口にまろやかに広がるが、鰹出汁は集まる感じ」と言っていた)取りした、“合わせ出汁”を考案した。しかも、そこにもう一度鰹節を入れた、二番出汁も考案した。そして合わせ出汁を使って“茶碗蒸し”(卵液に具材を入れて蒸した“茶碗蒸し”は当時江戸にはなかったらしい)を売出したところ、大評判に。持ち帰りように、竹筒に入れた物まで考案した。 ・心太は江戸では寒天から作るもの、大阪では天草からつくるものだったが、大阪風の磯の香りのする心太を出したところ、これも大評判に。 ・江戸にはなかった“粕汁”を江戸風の味付けで江戸で正月に使う鮭を入れて(大阪ではブリ)作ったところ、これも大評判に。  子供ころ占い師に“雲外蒼天”の相と言われたように、次次と艱難辛苦が降り注ぐ澪だが、それを乗り越えた先には必ず真っ青な空が見られる運命であるらしい。店の人気が出たと思ったら妬んだライバル店から火を付けられたりと波乱万丈だが、優しい大人達と思わぬところにいた仲間の友情に支えられ、成長していく澪の物語としても勿論楽しめます。

Posted byブクログ

2021/05/31

確かな舌と腕を持ちながらも、澪の料理人としての道は険しい。料理の面でも、境遇の面でも。ひとつ乗り越えたかと思うとまた次の苦難がやってくる。それでも明るさを忘れず、丁寧にお料理を作り、落ち込んでもまた立ち上がる姿をいつの間にか応援してしまう。それは澪の周りの登場人物たちも同じらしく...

確かな舌と腕を持ちながらも、澪の料理人としての道は険しい。料理の面でも、境遇の面でも。ひとつ乗り越えたかと思うとまた次の苦難がやってくる。それでも明るさを忘れず、丁寧にお料理を作り、落ち込んでもまた立ち上がる姿をいつの間にか応援してしまう。それは澪の周りの登場人物たちも同じらしく、徐々に味方が増えてくる。 みんな人情に厚く、優しい。それぞれ何か切実なものを抱えていて、時折それが顔を出す。何度か涙した。 後半はかなり先が気になる展開。読み急いでしまった。読後はじんわり続く余韻を楽しんだ。 つる家の行く末、謎めいている小松原の正体、他にもこの先いろいろあるんだろうな。長く楽しめそうなシリーズにまた出会えて嬉しい!

Posted byブクログ

2021/05/28

和食っていいわーと実感できる作品。昔の人が旬のものを本当に大事に上手に食べていたことがよくわかる。食材は決して贅沢じゃないのに、豊かな味わいが文章から伝わって来るようだった。澪ちゃん嫁に来てくれー。江戸と上方の文化の違いも面白い。登場人物が粋でとてもいい。この先の展開も気になると...

和食っていいわーと実感できる作品。昔の人が旬のものを本当に大事に上手に食べていたことがよくわかる。食材は決して贅沢じゃないのに、豊かな味わいが文章から伝わって来るようだった。澪ちゃん嫁に来てくれー。江戸と上方の文化の違いも面白い。登場人物が粋でとてもいい。この先の展開も気になるところ。

Posted byブクログ

2021/05/14

面白かった! さくさく読めた。 出てくる料理がどれも美味しそう。 澪が丁寧に料理してる姿を見ていると、自分もやりたくなるのがすごい。 登場人物どの方も魅力的で絵に描きたくなる。 心太と酒粕汁食べてみたい。

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2021/04/04

ここで語られている料理が食べたくなるぅ(笑) 4作からなる短編連作物語 主人公の澪の料理にかける想いと苦難への奮闘、周りの人たちの人情の物語 ■狐のご祝儀ーぴりから鰹田麩 ■八朔の雪ーひんやり心太 ■初星ーとろとろ茶碗蒸し ■夜半の梅ーほっこり酒粕汁 大阪で暮らしていた澪は...

ここで語られている料理が食べたくなるぅ(笑) 4作からなる短編連作物語 主人公の澪の料理にかける想いと苦難への奮闘、周りの人たちの人情の物語 ■狐のご祝儀ーぴりから鰹田麩 ■八朔の雪ーひんやり心太 ■初星ーとろとろ茶碗蒸し ■夜半の梅ーほっこり酒粕汁 大阪で暮らしていた澪は、幼い時に川の氾濫で家族を亡くします。さらに幼馴染とも離れ離れに。 そんな澪を拾ってくれたのが、天満一兆庵の女将の芳(ご寮さん)。 しかし、一兆庵も貰い火で焼失。今は江戸で天満一兆庵の再興を目指し、貧乏ながらも芳と澪の二人で暮らします。 そんな澪は、つる家の種市と出会って、つる家で働くことになります。 大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で日々研鑚を重ねる澪。 種市や周りの人たちに支えられ、料理人として成長していきます。 しかし、彼女の腕をねたむ名料理店の登龍楼がさまざまな妨害を仕掛けてきます。 さて、どうなる?っていう展開です。 登場人物たちの人情があたたかい シリーズで続くんですね。 ほっこりします。

Posted byブクログ

2021/03/17

部署の先輩に勧められた本。 前にも実家で料理を題材にした時代小説を読んだ気がするが、それと同様非常に好みだった。 話の流れが楽しいのとは別に、料理の描写も素晴らしくておなかが減る。料理したくなる。 最近くらい小説ばっか読んでたのもあって、読後感がさわやかなこういう本もたまには...

部署の先輩に勧められた本。 前にも実家で料理を題材にした時代小説を読んだ気がするが、それと同様非常に好みだった。 話の流れが楽しいのとは別に、料理の描写も素晴らしくておなかが減る。料理したくなる。 最近くらい小説ばっか読んでたのもあって、読後感がさわやかなこういう本もたまにはいいものだな、と思った。

Posted byブクログ

2021/02/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ハ朔の雪 著作者:高田郁 発行者:角川春樹事務所 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 みをつくし料理帖冬の空気が良く似合う絶品料理小説

Posted byブクログ

2021/02/16

良い良いと聞いていて、ようやく読めた。 時代小説はこれまで殆ど読んだことがなく馴染みがなかったが、優しく流れるような文体に一気に読了してしまった。 澪をはじめとした人々のなんと感謝に溢れたこと。 今の感覚では「そこまでしなくても」と感じてしまうし、全てが自己責任の元断罪されてしま...

良い良いと聞いていて、ようやく読めた。 時代小説はこれまで殆ど読んだことがなく馴染みがなかったが、優しく流れるような文体に一気に読了してしまった。 澪をはじめとした人々のなんと感謝に溢れたこと。 今の感覚では「そこまでしなくても」と感じてしまうし、全てが自己責任の元断罪されてしまうのに対し、人を愛し恩に報いる江戸の人々が心地良い。 こんな人情溢れる世界に住んでみたいなぁと憧れるが、一方江戸の町の災害に対する脆弱さには、現代の技術や備えの厚さに改めて感謝せずにはいられなかった。 この話はフィクションだが、今も昔もそれぞれ良い。 江戸も暖かいが、現代もありがたいものだと同時に肯定できる良い話だった。

Posted byブクログ

2021/02/06

すごくいい作品だった。人気あるのよくわかる。 キャラクターも魅力的。主人公が無駄に美人じゃないのがいい。愛嬌と周りの人の優しさに心温まる。 続きも楽しみ 2021.2.6 13

Posted byブクログ