夕子ちゃんの近道 の商品レビュー
ひさしぶりに「小説」を読んだ気がする。 おもしろい、というより、心地良い。 安心した。 西洋アンティーク他、よろず取扱店「フラココ屋」の2階に居候兼バイトの「僕」と、店長と、買わないけど良く来る常連客と、大家さんと、その娘たちの話。 【第一回 大江健三郎賞】を取ったそ...
ひさしぶりに「小説」を読んだ気がする。 おもしろい、というより、心地良い。 安心した。 西洋アンティーク他、よろず取扱店「フラココ屋」の2階に居候兼バイトの「僕」と、店長と、買わないけど良く来る常連客と、大家さんと、その娘たちの話。 【第一回 大江健三郎賞】を取ったそうで。 この賞は、日本の小説を翻訳していろんな国の人たちに読んでもらおうという試みらしいので、これが選ばれて嬉しい。 「僕」という人が良い具合に距離感のある人で、 最後まで名前がわからないところ、色が無いところ、周りの音や空気に敏感なところがいい。 人が人である小説は、どんな事件性の高い小説より価値がある、と思う。 長嶋有、覚えとこう。
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小説というよりも、作家さんのエッセイに緩やかな話を付着した。 という印象を受けました。いわゆる、私小説ですかね。ゆるい感じの。 カタカナ言葉から何を連想するというやりとりは、とても愉快でした。 でも、同じ著者の次の作品を読むかどうかは、躊躇ってしまう部分がある。
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眈々としていて、飄々としていて、それでいて描写がすごく丁寧で。とてもとても大好きな雰囲気を持った作品でした。読み終わるのが寂しかったほど。個人的大当りでした。
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長嶋有さんの書くお話・文章は、かなり好みなんですが……。 これは、時折おもしろくて、時折つまらない、という印象でした。 すべてにおいて「なんなのだ?」と思ってしまいました。
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ここは盛り上がる所です。ここはどんでん返しのところです。感動するならここです。 そういう風に感情をあげたり下げられたりする元気がないときに、自由に読みたいと思って、手にするのは長嶋有だ。 ジェットコースターより観覧車にのりたい気分というか。 感動したい時にすればいいし、面白さは自...
ここは盛り上がる所です。ここはどんでん返しのところです。感動するならここです。 そういう風に感情をあげたり下げられたりする元気がないときに、自由に読みたいと思って、手にするのは長嶋有だ。 ジェットコースターより観覧車にのりたい気分というか。 感動したい時にすればいいし、面白さは自分で見つけたければ見つければいいという文章だというふうに読んでいる。 作者の文章が一番抵抗なく読めるように思う。 抵抗がなく入ってくるものの尊さは常には意識していない。水や空気がそうなのと同じに。 でも脂っこい生活のなかで、気兼ねなく体に取り入れられるというありがたみを時々実感する、それはとっっっても気持ちがいい。
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なんだかほっとするんですよ。 何が始まったわけでも、何かが終わったわけでもない、でもなんだか非日常。 あと、帯の裏に小説があるっておもしろい。
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最近エッセー率が高かったからってのもあるけど、 最初ぜーんぜん読んでも入って来なくて(;^_^A 今回はダメかも。。。って思ってるうちに、 あの切ない感じがジワジワときました。 長嶋有さんの文章って、 そのときの体調とか心境にも左右されるなぁ。 べた凪の海って感じ? 今回も起...
最近エッセー率が高かったからってのもあるけど、 最初ぜーんぜん読んでも入って来なくて(;^_^A 今回はダメかも。。。って思ってるうちに、 あの切ない感じがジワジワときました。 長嶋有さんの文章って、 そのときの体調とか心境にも左右されるなぁ。 べた凪の海って感じ? 今回も起こりそうで起こらない。 と思ったら意外なところで起こったり。 セリフとか間と状況とか・・・そのまぜこぜ具合が ちょっとしたことをドラマチックに感じさせるというか。 私の何でもなさ過ぎる生活さえも物語に出来ちゃうような?! そんな感じ。
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こういうオムニバス形式は好きな形態だ。 古道具中野商店と同じ、というか、 裏・古道具中野商店、か。 いや、どちらが裏でどちらが表か、は、 ちょっと決められないかもしれない。 コインの裏表である。 しかし、今読むと、貴闘力は、何とも言えない。
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フラココ屋で店番をする主人公と、 そこにあつまる色々な人たちとの関わりを描いたお話です。 つかみどころがなくて、ふわふわ~っとしている空気感の中で 妙にしっかりとした人物描写だったり 色鮮やかに浮かぶ風景だったり音だったり なんかほんとに、一緒にフラココ屋で過ごした気分 ところ...
フラココ屋で店番をする主人公と、 そこにあつまる色々な人たちとの関わりを描いたお話です。 つかみどころがなくて、ふわふわ~っとしている空気感の中で 妙にしっかりとした人物描写だったり 色鮮やかに浮かぶ風景だったり音だったり なんかほんとに、一緒にフラココ屋で過ごした気分 ところどころクスッと笑えるとことか好き。
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第1回大江健三郎賞受賞作待望の文庫化!という帯につられて購入。普通そうでちょっと不思議な登場人物たちの会話が、なんとなく心地よく楽しい。ものすごく大きな事件が起こるわけでもないけれど、いろいろなことが少しずつ進んで絡み合って、ラストに至る。読後なんだかほんわかする物語でした。
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