夕子ちゃんの近道 の商品レビュー
穏やかな日常と近所づきあい。 盛り上がる何かがあるでもないけど 不思議感漂う温度と色合いがよかったでした。
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骨董屋フラココ屋を舞台とした短編集。 非常に淡々としている。 人間模様はだんだん変化していくけれど、大きな事件やハラハラするようなことがあるわけではない。 こういう普通さが楽しめるときは味わい深い作品になるだろう、良くも悪くも人とタイミングを選ぶ作品だと思う。
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普通の文章なのになんかジーンと来ちゃうのはこの人だからなんでしょうか。悲しいシーンじゃなくても涙出そうになります。
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短編が折り重なるようにして、一つの物語を作っている。 大江氏の「懐かしい小説の魅力を、それもすっかり新しい日本人たちをつうじて表現した作品」という言葉が、新しい(?)日本人の私には分からないけれど、とてもしっかりとした骨を持ったみたいな作品です。
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ほんわか ・川上 弘美さんの古道具屋中野商店と設定が似ていると 感じましたがそれよりも、ずっと安心して読める作品でした。 ・世の中、無理して、頑張りすぎる人ばかりではなくて 穏やかな生活も肯定されていいと思える内容でした。 ・主人公たちの深い恋愛はなくても、ちょっといい関係、...
ほんわか ・川上 弘美さんの古道具屋中野商店と設定が似ていると 感じましたがそれよりも、ずっと安心して読める作品でした。 ・世の中、無理して、頑張りすぎる人ばかりではなくて 穏やかな生活も肯定されていいと思える内容でした。 ・主人公たちの深い恋愛はなくても、ちょっといい関係、 距離感がほんわかして好きでした。
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よろず扱う骨董屋「フラココ屋」に集うふつうの人たちの、ふつうの日々。 それが小説家の手に掛かれば、こんなに面白くて、こんなに愛おしいものになってしまう。 それぞれ中心となる人物を入れ替えた6(+1)編からなる連作短編集。骨董屋の2階から定点観測された彼らはふつうのようで、でもど...
よろず扱う骨董屋「フラココ屋」に集うふつうの人たちの、ふつうの日々。 それが小説家の手に掛かれば、こんなに面白くて、こんなに愛おしいものになってしまう。 それぞれ中心となる人物を入れ替えた6(+1)編からなる連作短編集。骨董屋の2階から定点観測された彼らはふつうのようで、でもどこか変わっているところもあって、それがとても魅力的に目に映る。 本を読みながら私は実際に彼らに出逢い、フラココ屋の店先でお茶を飲み、夕子ちゃんに連れられて近道を辿り、朝子さんの卒業制作を眺めた。瑞枝さんの原付の音を聞いた。 まるで彼らのことが「前から分かっていた」みたいに、身近に感じた。幸福な読書体験だった。
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アンティークショップ“フラココ屋”の店番として2階の倉庫に住み着いた主人公。 買い物しない常連客瑞枝さん、大家の八木さんと孫娘の朝子さん、夕子ちゃん。 商売っ気があるのかないのかよく分からない店長。 店長と旧知の仲(元カノ?)のフランソワーズ。 経歴も名前も一切明かされないまま、...
アンティークショップ“フラココ屋”の店番として2階の倉庫に住み着いた主人公。 買い物しない常連客瑞枝さん、大家の八木さんと孫娘の朝子さん、夕子ちゃん。 商売っ気があるのかないのかよく分からない店長。 店長と旧知の仲(元カノ?)のフランソワーズ。 経歴も名前も一切明かされないまま、次第にフラココ屋相関図に取り込まれていく主人公にもどかしさ半分、可笑しみ半分。何かが起こりそうになるたびに「お?!」と身を乗り出しては「おぉ…(嘆息)」の繰り返しであった。味はあるけれど、その時の気分によっては物足りなさを感じそうな物語である。 ☆大江健三郎賞
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こういうゆるゆるな大人同士の会話、好きだな。 たまに話し方が女っぽくなる店長とか。 「コンシーラー」「アイシャドー」とか、ついつい笑ってしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もしかして、夕子ちゃんはこの世のいろんなことがもどかしいなあと思っているのかもしれないけど、本当は最初からできているんだよ。君は、この僕が恐れ敬う数少ない人なんだから、どんな時も泣いたりしないでよ。 夕子ちゃんは作中でほとんど主人公と会話をしない。強いて言うなら知り合いの知り合い、という感じ。なのになぜ上記のようなセリフが出てくるのか。そこが正直分からなかった。 けど、勝手に人を尊敬して憧れを持って、だからこそ泣いてほしくない、負けてほしくないという自分勝手な感情をこんなに綺麗にすっきりと表現した文章は見たことがなかったし、 本当は最初からできているんだよ、というところにこめられた優しさがすごく好き。 あと、上記の文章こそが作者が伝えたかったことなのかなと思う。 だとしたらそれまでの淡々とした日常とかも生きてくる?のかな? 表現とかはすごい好きな作者さんでした。
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特に何が起こるというわけでもないのに、夢中で読み進めてしまった。 長嶋さんの他の作品も読んでみようかな。
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