国をつくるという仕事 の商品レビュー
正直世界銀行が何をしている所かわからなかったが、勉強にもなったし 西水さんの思いが非常に伝わっていて自身の士気を高められる本に出会えたと思いました。
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国際協力の世界について理解が深まった。 世銀の融資方針、融資条件、融資方法よりも、各融資先の課題、国のトップのリーダーシップの重要性, 草の根の活動から得られる知見や開発政策の効果に焦点を当てている。 政治の無知, 腐敗, 内乱の中でもがき続ける草根の活動とその活動から国際協力の...
国際協力の世界について理解が深まった。 世銀の融資方針、融資条件、融資方法よりも、各融資先の課題、国のトップのリーダーシップの重要性, 草の根の活動から得られる知見や開発政策の効果に焦点を当てている。 政治の無知, 腐敗, 内乱の中でもがき続ける草根の活動とその活動から国際協力の真実を見て、国のトップに訴えかける著者が印象的だった。
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速読。世銀の副総裁の西水さんの本。この前読んだ「あなたの中のリーダーへ」よりも先に出版されてる。読後感が犬養道子さんの本と似ているなとやはり思う。 話のスケールが大きいから、本当にすごいなと思う。ただ、この人にとってみれば、与えられた職務を真面目に取り組んだ結果を書いているだけ、...
速読。世銀の副総裁の西水さんの本。この前読んだ「あなたの中のリーダーへ」よりも先に出版されてる。読後感が犬養道子さんの本と似ているなとやはり思う。 話のスケールが大きいから、本当にすごいなと思う。ただ、この人にとってみれば、与えられた職務を真面目に取り組んだ結果を書いているだけ、ということなんだろうけど。こういう本を読んでてつくづく思うのは、思ってること考えていることを世界で発信するためには、最低限、英語を操ることができなければ無力だということ。犬養さんもこの方も10代から外に出てるし、そのくらいの経歴じゃないとこういう仕事は務まらないのだろうな。
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元世界銀行南アジア地域担当副総裁の西水美恵子氏が、定期購読月刊誌『選択』で2005~2008年に連載した『思い出の国 忘れえぬ人々』の35編を纏めたもの。 西水氏が担当した南アジアの国々、インド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、ブータン、モルティブ等での、各国の...
元世界銀行南アジア地域担当副総裁の西水美恵子氏が、定期購読月刊誌『選択』で2005~2008年に連載した『思い出の国 忘れえぬ人々』の35編を纏めたもの。 西水氏が担当した南アジアの国々、インド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ネパール、ブータン、モルティブ等での、各国の指導者との交流や貧しい村々での人々との出会いを通して得たこと、感じたことが綴られている。 中でも、西水氏は、国民総幸福量の増加を政策の中心としている国として注目されたブータンが「世界で一番学ぶことが大きかった国」であり、世界中で最も会いたいリーダーを問われれば、躊躇せずに(元)ブータン国王雷龍王三世を上げると言う。晩年の雷龍王三世が「わたしの行為を批判せず、わたしの誤りに対して盲目になっている」と国会を叱ったというエピソードはじめ、同国の歴代国王(雷龍王四世、五世)に関わる記述は特に心に残る。 独特なリズムの文章にはやや読みにくさを感じるものの、あまり取り上げられることのない南アジアの国々、人々を知る上で貴重な一冊と思う。 (2012年7月了)
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著者は元世界銀行副総裁。本書は、世界銀行時代の各国のリーダーにまつわるエピソードをまとめたエッセイ集といえる。抒情的というか詩的な文章で綴られており、読み物としても面白い。著者の真っ直ぐで熱い気持ちが伝わってくる。 国のパフォーマンス、統治の良し悪しにおいて、リーダーの資質が大き...
著者は元世界銀行副総裁。本書は、世界銀行時代の各国のリーダーにまつわるエピソードをまとめたエッセイ集といえる。抒情的というか詩的な文章で綴られており、読み物としても面白い。著者の真っ直ぐで熱い気持ちが伝わってくる。 国のパフォーマンス、統治の良し悪しにおいて、リーダーの資質が大きく影響するということがよくわかった。ただ、開発途上国の貧困の主因が権力者の汚職や搾取にあるというスタンスの記述には、一面の真実であるとは思いながらも、「本当なのかな」と少し首をかしげた。もっと構造的な問題があるような気がするのだが。 本書の中では、パキスタンのムシャラフ将軍のエピソードやブータンの雷龍王4世のエピソード、コーランをよく理解せずに女性を蔑視するバングラディッシュの村の有力者をコーランを繙いて嗜めるエピソード、地球温暖化による国土の水没を見据えたモルディブの戦略的対応のエピソードなどが特に印象に残った。
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西水氏は厳しさと優しさを持つ人である、というのを改めて。開発業界って政治的な世界であり、援助機関は権力者と近づきやすい。だからこそ外圧者として大きな役割を担っている以上、政治的なマクロの目線と草の根的なミクロの目線も忘れてはいけない。 田坂氏の解説がまた素晴らしい。この本はまさに...
西水氏は厳しさと優しさを持つ人である、というのを改めて。開発業界って政治的な世界であり、援助機関は権力者と近づきやすい。だからこそ外圧者として大きな役割を担っている以上、政治的なマクロの目線と草の根的なミクロの目線も忘れてはいけない。 田坂氏の解説がまた素晴らしい。この本はまさにリーダーシップの本に他ならない。信念をもつリーダーの第一歩は共感力というのも納得。権力強化のための表面的な共感ではない。憐憫と同情とは違う真の共感力を手にするのは難しいかもしれないが、意識すれば誰でもできるかも。 残念ながら原体験といえるものはないが、日本に生まれてこなかったら…という原点に立ち返り、自分自身の人生を導き、生きていかねば。 以下引用。 8 貧困解消への道は何をすべきかではなく、すべきことをどう捉えるかに始まる。その違いが人と組織を動かし、地域社会を変え、国家や地球さえをも変える力を持つ。 国づくりは人づくり。その人づくりの要は人間誰にでもあるリーダーシップ精神を引き出し、開花することに尽きる。…リーダーの仕事には夢と情熱と信念がある。頭とハートが繋がってるから為すことが光る。心に訴えるものがあるから、まわりの人々にやる気と勇気をもたらす。 31 国体持続の判断は、歴史的観点を踏まえた上で、国民と国家指導者の信頼関係を感じ取るしかない。草の根を歩き巡り、貧困やスラム街にホームステイをし、体を耳にするのが仕事なのだと決めた。そして、その判断をもとに良い改革への正の外圧となることが、世銀のリスク管理と営業の真髄 59 ブータン 援助はありがたい。が、自立精神を傷つける危険をはらむ。我が国の開発戦略は、援助からの速やかな卒業を一つの目標としている。 82 知識は良い人生を築く力 91 報道界の仕事は国づくりにとって大切な神職 102 パキ 敵は貧困。戦略はグッドガバナンス。我が国が抱える国体持続の長期リスクは貧困につきる。政府、民間、あらゆる部門から汚職を追放せねば、このリスクの解消は不可能だ 人間が人間として生きるための最低限の安全保障は心身の健康と胸に灯す希望。貧しさとはこの保障がないこと。その原因が止むことを知らぬ権力者の搾取にあるとき、貧民がもつ捨て身の鬱憤の恐ろしさ。 161 安心して子を生める環境は民の幸せと次世代の形成に響き、国を変える。その環境を整える公の役割を究め、行政に生かす努力を欠かしてはならない。 184 縄張りとか、世銀の金で井戸を掘ったかなどどか言っている場合ではない。…もしヒ素汚染が国家を破壊するほどの力を持っていたらどうするのだ。そのリスクを見極めねば、世銀の信用に関わる。貸借対照表が悪化する。市場格付けに響く。もっと恐ろしいことがある。国体持続に関わり得る問題と知りつつ無視するのは人道に背く。それでいいのか。自分の良心に聞いてみなさい。…頭とハートをつなげて考え直そう。 221 社会経済的な格差は、いつか必ず国家の安定を脅かす。それはひとつの国でも地球全体でも同じことなのだ。 241 君らはみな同じ人間だ。神に与えられた自治自立精神を頼れ。政府に頼りっきりの発展などこの世にない。 260 貧困解消と地域開発は切っても切れず、良いリーダーと住民の強い団結があってこそ持続する。 270 費用効果分析は数字と数式のみでは成り立たない。分析の要は目に見えないところにある。つまり、社会が事業の効果と費用に対して抱く価値観だ。コストが社会倫理上高過ぎれば、効果がいくら良くても施工すべきではない。 285 貧しさをなくす術はわからないことの方が多い。ただひとつ世銀で学んだのはリーダーの良し悪しが決定的な差を生むという政治の現実だった。
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世界銀行という名前だけは知っていたものの、何をするところか分かってませんでした。 国家に貸付をするところだそうです。 著者は元世界銀行の副総裁の方。女性です。 貧困を無くすため、まさに「草の根を歩け、民の声を聴け」で現実を見据え、世界銀行に出来ることを考え、決定し、実行していま...
世界銀行という名前だけは知っていたものの、何をするところか分かってませんでした。 国家に貸付をするところだそうです。 著者は元世界銀行の副総裁の方。女性です。 貧困を無くすため、まさに「草の根を歩け、民の声を聴け」で現実を見据え、世界銀行に出来ることを考え、決定し、実行していました。 リーダーシップの良し悪しが国づくりに大きくかかわることが、実感として理解出来た一冊。 政治家の皆さんに読んでもらいたい。。
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西水さんの仕事に関するコラムをまとめた本。書き下ろしではないところが少し不満だけれども、彼女の文章が好きなのでOK 銀行の人はこんな働き方もできるのかと参考になった。仕事はほんとうに幅広い。仕事で何をしたいのか、そこが常に問われるところ。あとはリーダーであること、女性であることの...
西水さんの仕事に関するコラムをまとめた本。書き下ろしではないところが少し不満だけれども、彼女の文章が好きなのでOK 銀行の人はこんな働き方もできるのかと参考になった。仕事はほんとうに幅広い。仕事で何をしたいのか、そこが常に問われるところ。あとはリーダーであること、女性であることの大きさも勉強になった。
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国家援助に必要なマクロ・長期的視点と、現地の人が今抱えている問題を見つめるミクロ・短期的視点のバランンス。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
016 僕は普段パーっと流し読みをするように本を読むタイプなのだが、これは本当に時間をかけて読んだし、それが正解だと思う本。 この本で繰り返し使われている「貧民も世銀の株主」という言葉にすごく胸をうたれた。そして財務諸表だけなく、リーダーの器量を評価して融資を決行する世銀の仕事や、草の根を軽視する団体の中、国民のこころを知ろうと努める西水さんの純粋なこころがとても憧れる。 また、職業柄か、多文化に関する知識も半端ないものを感じる。国際機関で働く人というのは、かくも深い知識をもっているものなのかと関心した。 そして思うのは西水氏はとても謙虚だということ。世銀の副総裁にして、数々の非難に対して真摯に耳を傾け「ありがとう」と言える器の大きさは本当に凄いと思う。 自分には手の届かない人間だが、就職先的にも学ぶことが沢山あった本だった。
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